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(回答先: もし日本に彼ら並みの知恵と実行力があったら(どなたか小説化請う) 投稿者 Lee 日時 2003 年 12 月 15 日 17:59:01)
Leeさん、こんばんは。
余談にだけレスですが。
古い記事なりますが、以下のようなものが研究されているようです。
潤滑ゼリーやローション(主にSM向けですが)には既に普通の殺菌
剤配合のものがありますが、まだ一般的な菌用ではあります。
ただ、きっとお金持ちの国向けとなるのでしょうね。タイなどでは、
未だ避妊の援助として避妊薬の注射を打たれることも多いそうです。
http://www.hotwired.co.jp/news/news/technology/story/20020514307.html
エイズ予防策として期待されるジェル状殺菌剤
Jordan Lite
2002年5月13日 2:00am PDT ベルギー、アントワープ発――HIV(ヒト免疫不全ウイルス)への感染をこれ以上拡大させないための方法を模索している研究者たちが、ジェルやクリーム状の殺菌(殺ウイルス)剤に注目している。いまだ明らかに有効なワクチンがないこのウイルスへの感染を防ぐため、ジェルやクリーム状の薬剤が最良の方法となるだろうと考えているのだ。
こうした殺菌剤は、薄膜や錠剤など、避妊薬と同様の形態もとりうる。また一部の殺菌剤は避妊目的を兼ねる可能性もあるものの、研究者たちの主要な目的は、あくまでもHIVと闘い、性交渉に臨む人々の命を救うことにある。
行為者双方の協力がなくても有効なため、とりわけ――疫学者によると感染リスクの高い――女性とゲイの男性がこれにより救われることになる。コンドーム使用の奨励は、先進諸国において1990年代前半にHIV感染率の抑制に貢献したが、多くの途上国の男性は今もコンドームの使用を忌避しているし、また疫学者は、米国のゲイの男性の間で最近、無防備なセックスが増えている事実を警戒している。
ロンドンに拠点を置く『医療科学アドバイザリー・サービス』の責任者を務めるアラン・ストーン博士は「間違いなく事態は深刻化する」と話す。ストーン博士は、ここアントワープで開かれている殺菌剤に関する会議に参加している。会議は12日(現地時間)から4日間にわたって開催され、500人の研究者や公衆衛生の専門家が集まる予定。
ワシントンで女性が妊娠、出産をコントロールできる医療環境の向上に取り組んでいる非営利団体『リプロダクティブ・テクノロジー・プロジェクト』によると、早ければ2007年にも有効な殺菌剤が市場に出回るかもしれないという。エイズ・ワクチンの登場を待つよりはずっと早そうだ。米国立衛生研究所(NIH)のアレルギー感染症研究所(NIAID)で所長を務めるアンソニー・フォーシ博士の話では、エイズの予防あるいは治療のためのワクチンの開発には、少なくともまだ10年以上かかるという。
とはいえ現在のところ、開発段階にある55の殺菌剤のうち、臨床試験まで進んでいる薬剤は11にすぎないと『殺菌剤開発協会』(AMD)は報告している。米国において正式な認可を受けるプロセスの最終段階である第3相の臨床試験に進んでいる、あるいはまもなく進む薬剤は、そのうちの3つだけだ。
各種の殺菌剤に想定される機能のしかたにはさまざまな形がある。薬剤に接触したHIV病原体を殺すか非活性化する、ウイルスと膣や直腸の間にバリアを作って感染を防ぐ、あるいは人体にもともと備わっている免疫力を高めることで感染を防ぐ、などだ。
理論的には殺菌剤は「双方向」に機能する。つまり性交渉の際に、すでに感染している人が自分の体に対して使用することで、相手を感染から防げるのだ。
今週の会議の参加者たちは、効果的な製品を生み出す前に立ちはだかる技術面、社会面、そして規制面での障壁をつぶさに取り上げていく。会議は今年でまだ3年目を迎えたところで、このことが、いかにこの研究分野が新しいものであるかを物語っている。2年前の会議で、通常単体もしくはコンドームと共に使用される殺精子剤の『ノノキシノール9』が、HIVへの感染防止にならないばかりか、むしろ感染のリスクを高めているという報告がなされたとき、研究者たちは驚き、失望した。この件に関する最新の研究報告は13日に行なわれる。
AMDの責任者を務めるポリー・ハリソン氏によると、理想的な殺菌剤は2つの特徴を備えなくてはならないという。1つは、生体内の目的の位置に留まる能力があること。そして2つ目は快適に使用できることだ。
「快適で、匂いも良くする必要がある。当然のことだ。使用が難しかったり、不快だったりすれば、製品を使ってもらえない」とハリソン氏は言う
一番の障害は資金だ。ロックフェラー財団が今年2月に発表した報告書によると、効力が40%の殺菌剤でも、560万件のHIV感染を防ぎ、32億ドルの医療費削減を期待しうるという。だが「このように科学的および公衆衛生面で多大な効果が見込めるにもかかわらず、殺菌剤の研究は、深刻な資金難にあえいでおり、政治的に主だって取り上げられることもない」と報告書は記している。
ストーン博士によると、大手の医薬品会社は殺菌剤の開発に取り組んでいない。この種の薬は必然的に処方箋なしで店頭で販売され、また貧しい途上国では廉価で販売されることから、そうしたほとんど儲けの出ない製品への投資には乗り気でないのだという。ストーン博士は1999年以降、大手医薬品会社36社を対象に調査しているが、この種の殺菌剤への研究開発に投資した会社は1つもなかった。
一方で、AMDによると、世界中で小規模のバイオテクノロジー企業が39社と、44の非営利団体、そして7つの公共機関が現在、殺菌剤の開発に取り組んでいるという。
殺菌剤の開発について、NIHのエイズ研究部門にコメントを求めたが、回答は得られていない。だが同研究所の殺菌剤の研究開発予算は現在、わずか3460万ドルで、エイズ研究予算全体の2%に満たないことを、ジョン・コージーン上院議員(民主党、ニュージャージー州選出)が明らかにしている。コージーン議員は昨年11月、NIHの殺菌剤研究を拡大させる法案を提出した。
「予防、治療、ワクチンの研究――それぞれの段階において、費やす1ドルの重みは変わってくる」と『米国エイズ研究財団』で臨床研究の責任者を務めるジェフ・スミス氏は言う。
「これまで予防手段は重要視されなかったために、対策が遅れている。追いつくためにはより多くの資金が必要だ」
[日本語版:多々良和臣/岩坂 彰]