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電気流し土中の鉛・ヒ素回収 新技術で地面を掘らず浄化
http://www.asahi.com/business/update/0126/014.html
これまでは土壌を掘り起こすことが基本だった汚染土壌の浄化。これに対し、土壌を掘ることなく、電気を流して重金属類など汚染物質を取り除く新技術を、みらい建設グループと浅沼組、クボタ、富士エンバイロンの4社が事業化する。土壌汚染対策法が昨年2月に施行され対策ビジネスの成長が見込まれるなか、ゼネコンや鉄鋼、非鉄などの技術開発競争が激しくなっている。
事業化するのは電気修復法技術で、汚染された土壌に電極棒を約1.5メートル間隔で打ち込み、直流電流を流すことで、イオン化した汚染物質を電極に引き寄せる。さらに汚染物質を電極内に循環させている電解液を通じて回収する仕組み。
鉛やヒ素など重金属類に汚染されている土壌を対象としている。オランダのハック・ミリオテック社が世界で初めて実用化した同技術の日本国内での利用の権利を、みらい建設などが取得。各社は実証実験を重ねてきた。04年中に商業ベースで事業を始める。
従来の重金属類の浄化は掘削工事が基本だったが、この技術は掘削が必要ないため工場を稼働させながらの修復や、浄化作業中に地表を駐車場などに利用することも可能だ。
汚染の状態や深さなどによって違うが、浄化完了に1年程度かかり、工事費用は1立方メートルあたり4万円弱という。4社は共同で調査や施工に取り組み、初年度は5億円の受注を見込んでいる。
土壌汚染の調査・対策市場は年間1千億円程度といわれている。一方、環境省の外郭団体「土壌環境センター」は、全国の汚染個所から潜在市場が13兆円に上ると試算している。
市場拡大を見込み、ゼネコンを始め鉄鋼、非鉄、セメント、造船、重機などの参入が相次ぎ、地価への影響もあり金融機関なども取り組んでいる。
建設市場の縮小が進むゼネコンにとっては数少ない成長分野で、大手ゼネコンなどが加盟する日本土木工業協会は対策技術の調査を進めている。 (01/26 03:03)