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(回答先: 鳥インフルエンザ:過去に例のない「広範囲の同時多発」の様相を見せている 投稿者 【毎日新聞記事】 日時 2004 年 1 月 24 日 16:31:16)
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朝日新聞 (01/19 17:35)
http://www.asahi.com/special/avian-flu/TKY200401190148.html
鳥インフルエンザの「運び屋」は? 遺伝子解析急ぐ
山口県阿東町の養鶏場で国内では79年ぶりに発生した高病原性鳥インフルエンザは、発生現場を中心に感染源・感染ルートの解明作業が本格化する。感染原因のウイルスについて、専門家は「外来」でほぼ一致するが、いつ、何が、どのように運んだのか。カモなどの渡り鳥に加え、人やトラックなど諸説が取りざたされている。農林水産省では、ウイルスの遺伝子解析や関係者らからの聴取を急いでいる。
「渡り鳥が運んできてしまったか」。山口での発生直後、農水省関係者は感染源を、こう直感した。渡り鳥の中で有力視されているのはカモだ。
昨年12月、韓国で鳥インフルエンザが流行した。韓国で感染した鶏からウイルスを得たカモが、阿東町の発生農場に飛来し、養鶏舎内の鶏にうつした、という見立てだ。
カモは人に感染しうるあらゆるインフルエンザウイルスを持つ。飛来する推定ルートの一つに朝鮮半島経由がある。山口のウイルスはH5N1で、韓国と同一型と判明。カモが韓国から持ち込んだ、との状況証拠がいくつも並ぶ。
農水省では、韓国での流行以前から国内への侵入阻止策は打っていたが、空からの対策は打ちようがないという。
このカモ説には反論がある。日本野鳥の会の金井裕・主任研究員は「水生のカモは近くに水場がない限り鶏舎に近づくことはない。警戒心も強く、エサを求めて鶏舎に入り込むとは考えにくい」と話す。
野鳥のインフルエンザを調査する鳥取大農学部の大槻公一教授は「カモより小型の鳥がウイルスを運んだ可能性が高い」と見る。飛距離が短い小型の鳥でも中国地方と朝鮮半島を行き来できる鳥はいるという。
「渡り鳥」と「韓国」の組み合わせが先走りする現状に、北海道大の喜田宏教授(ウイルス学)は異を唱える。「鶏舎内の鶏から、自由に飛ぶ水鳥にウイルスが伝わる確率は低い。飛来ルートも季節によって違う」と疑問も投げかける。
喜田教授は15日、農水省の専門家による小委員会の委員長として記者会見し、感染源の可能性として鶏舎に出入りした人やトラックを挙げた。ウイルスは糞便(ふんべん)の中で2週間、ほこりの中で乾燥しても2〜3日は生き残る。付着ウイルスが原因との見方だ。
だが、山口県関係者は「出入りする人・モノは消毒されていたはず」。農場へは、北九州市内の工場から配合飼料が大型車で搬入されるが、工場側は「人や車は入念に消毒していた」という。飼料を納入した農家約30軒に異常は今のところ見られない。
喜田教授は、ウイルス変異の可能性にも言及する。飛来するカモが糞と一緒に出す毒性のないウイルスが、ある日突然変異して、病原性を獲得してしまったという見方だ。
こうなると、ウイルスはいつ、どこに持ち込まれ、どう広がっているかという究明がかなり困難になり、他の地域での感染の懸念も出てきてしまう。
農水省はウイルスの遺伝子の塩基配列を解析、進化系統図を作って、山口のウイルスがどの国のウイルスに近いかなどを推定する方針だ。あわせて発生農場への出入りや感染国への旅行など関係者への事情聴取も本格化させるが、感染源・感染ルート解明にはまだ時間がかかりそうだ。
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