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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031208-00000092-mai-soci
性的接触などによるエイズウイルス(HIV)感染者数が、厚生労働省への報告件数の約4倍の約1万2000人に達する可能性のあることが厚労省HIV研究班動向解析グループ長の橋本修二・藤田保健衛生大教授(衛生学)らの推計で分かった。日本は先進国では珍しく新規感染者・患者が増え続け、爆発的な増加も懸念されているが、将来的な感染者数予測を見直す必要が出てきた。このため、厚労省は「より確度の高い推計が必要」として専門家による作業班を発足させ、将来予測の基となる動向調査システムの抜本的見直しを始めた。
HIVに感染してからエイズを発病するまでは平均10年とされる。その間に特異な症状が出ないことが多いため、感染に気付かず、検査を受けないケースも多い。
橋本教授らは、エイズを発病して初めて厚労省の発生動向調査に報告されるエイズ患者数に着目。世界保健機関(WHO)が公表している、治療しないままエイズを発病する確率などを基に、感染経路別(血液製剤感染は除く)に未報告感染者数を推計した。
01年末の数字で試算したところ、異性間の性的接触による男性の感染者は6人に1人しか報告されていないとみられるなど、同年末までの日本人の全報告者数2915人に対し、実際は4倍の約1万2000人が感染しているとの結果を得た。
ただし推計には前提条件が多く、最近の動向を考慮していないなどの問題もあるという。また厚労省に報告されている患者・感染者数も過少報告や重複報告などがあり、同省はより実態を反映できる動向調査システムを目指し、専門家5人による作業班を発足させた。
作業班は、報告済みの感染者が発病した場合の「病変報告」の義務化などについても検討していく方針。
日本の感染者は2010年に5万人に達すると予測されており、11月に発表された03年の国連エイズ合同計画(UNAIDS)の報告書も日本の感染者増加を警告している。橋本教授らの推計はこの予測にも見直しを迫ることになりそうだ。【佐藤岳幸、藤後野里子】
◆予防対策に生かす
田中剛・厚労省疾病対策課課長補佐の話 感染者の低年齢化や異性間の感染増加など、日本のエイズ対策は大きな転換期を迎えている。今後は推計の確度を高め、それを基に予防対策や医療体制の整備に生かすことが大切だ。
◎ことば=HIV
人間の免疫をつかさどる「ヘルパーT細胞」を壊すウイルスの名前。「Human Immunodeficiency Virus」(ヒト免疫不全ウイルス)の頭文字を取って、名付けられた。感染している人の血液や精液、膣分泌液に多く含まれ、これらが第三者の血液に入り込んで感染する。大半は性的接触が原因で、コンドームが有効な予防法。検査は、感染してから6〜8週間後でなければ、血液中に抗体が作られないため、確定診断できない。
一方、エイズはHIVによって免疫力が著しく低下し、発症するさまざまな病気の総称。正式には後天性免疫不全症候群と呼ばれ、カリニ肺炎やカポジ肉腫などの病気を引き起こす。厚生労働省に報告された02年のHIVの新規感染者は614人(うち日本人521人)。日本人男性の増加が顕著で、過去最高の481人(前年475人)となった。感染経路を見ると、同性間の性的接触53.6%、異性間の性的接触が33.1%で、性的接触による感染が合わせて86.7%を占めている。また、これまで東京を中心とする関東地域の報告数が圧倒的だったが地方都市においても感染拡大の傾向にある。(毎日新聞)
[12月8日3時7分更新]