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[295] 下↓の「294」に続いて、「2ちゃんねる裁判」の概要を、山崎宏之氏のサイトから転載します。 - 投稿者:副島隆彦 投稿日:2003/10/16(Thu) 07:15:07
副島隆彦です。 今日は、2003年10月16日です。
下↓の「294」に続いて、「2ちゃんねる裁判」の概要を、山崎宏之氏のサイトから転載します。 山崎氏の2003年9月3日の文章です。
副島隆彦記
(転載貼り付け始め)
「山崎宏之の 論壇―思うがままに」から
http://www.dryamasaki.com/Article/2003/2003-09.html#030923
2ちゃんねるメルマガ名誉毀損訴訟判決について
−ネット時代の文字表現にはくれぐれも気を付けよう−(2003.09.06)
2003年9月3日、化粧品・健康食品販売会社「ディーエイチシー」(東京都・港区、DHC)が、2ちゃんねるの管理人でもある西村博之氏が発行しているメールマガジン「裏口ネット情報:2ちゃんねるメルマガ」で名誉を傷つけられたとして、西村さんに1億円の損害賠償を求めた訴訟(東京地方裁判所平成14年(ワ)12825号 損害賠償請求事件)の判決言い渡しが、午後1時10分から、東京地裁民事第24部627号法廷でありました。
大橋寛明裁判長(裁判官 今井和桂子・裁判官 高島由美子、書記官 杉本由紀子)は、「枯れ葉剤は混入しておらず、記載に科学的根拠がない」と名誉毀損の成立を認め、700万円の支払いを命じました(毎日新聞2003年9月3日22時45分)(産経新聞2003年9月3日16時56分)。
判決によりますと、DHCは昨年2002年4月2日、食品への使用が禁止されている酸化防止剤「エトキシキン」が自社の健康食品に混入した疑いがあると公表、製品を回収しました。西村さんは同日4月2日と6月5日発行の同メルマガで計2回、「DHCは食品に枯れ葉剤を入れたりと、なかなかチャレンジャーな会社」「11万人以上に枯れ葉剤を食わせた」等と、酸化防止剤が「枯れ葉剤」だと指摘した記載(朝日新聞2003年9月3日18時56分)をなし、10万人以上に発信しました(毎日新聞2003年9月3日22時45分)。
大橋寛明裁判長は「食品添加物として禁止されている薬品が商品の健康食品に混入した疑いがあるにすぎないと認識していながら、意図的に使用したかのような記述をしてDHCの信用を著しく傷つけた」と認定しました(産経新聞2003年9月3日16時56分)。判決はエトキシキンと枯れ葉剤を同一視した記述について、「科学的に別の物質。もっと慎重に調査すべきだ」と指摘。メールマガジンの読者らが、2ちゃんねるの掲示板に3491件の書き込みを行い、不買運動を呼び掛けるなど影響が大きかったことを考慮し、名誉棄損訴訟としては比較的高額の賠償額を算定しました(毎日新聞2003年9月3日22時45分)。
DHCとサントリー[1,2]がそれぞれに販売していた商品のなかに、ベトナム戦争当時、枯葉剤に使用された成分の一つである「エトキシキン」が含まれていたことは、新聞などで大きく報道されました。その後、両社が該当する商品を回収したのも事実です。しかし、「枯葉剤」と「枯葉剤に含まれる成分」とは違います。「に含まれる成分」があるかないか、たった7文字が明暗を分けてしまいました(電波2ちゃんねる vol.75、2003年9月6日発行)。
これまでの訴訟[1,2](谷澤動物病院訴訟=賠償額400万、清水香織訴訟=賠償額100万、DHC訴訟=賠償額400万)は、2ちゃんねるの掲示板に書き込まれた第三者発言を削除しなかった不作為責任が問われたものでしたが、今回のものは西村さんご自身の記述が問題とされました。今回、西村さんは弁護士を立てずに対応されましたが、ちょっとした不用意な表現が大きなシッペ帰しを招いてしまいました。
よくメールの署名欄に、ラテン語で「Verba volant, scripta manent.(ウェルバ・ウォラント・スクリプタ・マネント)」(=言葉は飛び去るが、書かれた文字はとどまる)とか、書いている人も見受けられます。IT時代にこそ示唆的な言葉だと思います。特に「意見」「論評」と「名誉毀損」「侮辱」の違いが分からない低能な人も確かに存在しますし、文字だけによる表現というのは、細心の注意が必要です。また、弁護士業界にとっても「2ちゃんねる訴訟」に代表されるネット絡みの名誉毀損訴訟というのは、ポピュラーなビジネスになりつつあるように感じます。
2ちゃんねるで名誉毀損の被害にあった企業を探して、裁判をけしかける風潮だけは盛んになってもらいたくありません。それにしても弁護士の飯のタネは尽きないようです。弁護士淘汰の時代を迎え、「要る法律家、要らない法律家」の選別も進むことは確かです。民事裁判では弁論準備等で、当事者双方が別々に準備室に呼ばれることもありますが、裁判官の心証がどういうものであったのかも気になる所です。
「山崎宏之の論壇 ― 思うがままに」
http://www.dryamasaki.com/Article/2003/2003-09.html#030923
(転載貼り付け終わり)
副島隆彦記