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メタノールを原料に開発された消毒用ガス「メタノールラジカルガス」が、細菌だけでなくA型肝炎などのウイルスにも効果があることを北陸先端科学技術大学院大(辰口町)の民谷栄一教授(生物工学)らの研究グループが十五日までに確認した。同教授らによると、新型肺炎(SARS)ウイルスはじめウイルス全般を死滅させる効果が期待できる研究結果が出ており、同研究グループはウイルス対策の切り札の一つとして同ガスの実用化を急ぐ。
民谷教授によると、「メタノールラジカルガス」は滅菌システムの開発などを行うバイオメディア(東京)との共同研究の中で開発された。同社は県産業創出支援機構が運営する「いしかわクリエイトラボ」(辰口町)に研究拠点を持つ。
もともと、細菌を殺す殺菌のための新たな技術として開発されたもので、金属を腐食せず、残留もしないのが特徴だ。民谷教授は、SARSなどウイルスによる感染被害が深刻化する中、殺菌効果の高い同ガスを各種の病原体のウイルスの無害化に生かせないか、グループの小柳義夫東北大教授(微生物学)と研究を進めてきた。
その結果、乾燥させたA型肝炎などの四種類のウイルスを試験管に入れ、「メタノールラジカルガス」を吹き付けたところ、一時間以内に完全に死滅するという結果を得た。
小柳教授は「ウイルスの遺伝子を構成する核酸や、それを包むタンパク質の破壊が認められ、ウイルス全般に効果があると思われる。SARSウイルスへの効果も期待される」と話した。
また、同ガスは、ウイルスや細菌の消毒にこれまで使われてきたエタノールなどの液体と違い、例えば、金属を腐食させないなどの特性を生かし、救急車がSARS患者を搬送した場合でも、すぐに内部を隅々まで消毒することも可能になるという。電子機器が満載された航空機内や医療現場でも使用可能とあって、IT時代の生物テロ対策にも威力を発揮しそうだ。
民谷教授は「ウイルスが死に至るメカニズムをさらに調べる一方、携帯できるコンパクトなガス製造システムの開発にも取り組んでみたい」と話した。
【メタノール】最も簡単な構造のアルコール。無色で、かすかな刺激臭がある。可燃性の液体で有毒。燃料や溶剤、有機合成の原料として用いられる。エタノールは、酒の主成分となるエチルアルコールのこと。