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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031031-00000155-mai-soci
ベッド数が200床を超える病院の6割以上が、入院患者や家族がパソコンでインターネットに接続する環境を用意していないことが、東京大大学院医学系研究科の高橋都助手(健康科学)らの調査で分かった。病気に関する情報を集めたり、家族と電子メールを交換するなど、パソコンは闘病を支える大切な道具だが、患者向けのIT(情報技術)環境を整備する予定がない病院は8割に上り、院外との情報格差は広がる一方だ。31日、東京都での日本病院管理学会で発表する。
調査は、都内の一般病棟200床以上の122病院すべてを対象に6月実施。67施設が回答した(回収率54.9%)。
医療機器の誤動作の原因になる携帯電話は78%の病院が全面禁止だった。パソコンは12%が全面禁止。29%は条件付きで使用を認め、59%は規定がなかった。
ネット接続の環境を「用意していない」と答えた病院は61%。接続可能な端子付きの公衆電話を設置している病院は33%だった。患者用のパソコンコーナーを設けたり、ベッド横でインターネットが使える設備のある病院はわずか9%だった。
改善の予定は、79%が「ない」と回答。理由(複数回答)では▽予算不足(78%)▽設備工事が難しい(62%)▽患者の安静が保てない(同)が多く、「患者に不要」(24%)「誤った情報を得る可能性がある」(6%)という答えもあった。
総務省の調査(02年)では、インターネット利用者は人口の54%、使う人がいる世帯は81%。高橋さんは「ネットが暮らしの一部になっているのに、病院側の意識が追いついていない」と話す。
インターネットを活用して病気と前向きに闘う「e(イー)患者」を提唱する埴岡健一さん(元骨髄バンク事務局長)は「数年前でも、米国の病院ではすべてのベッドサイドに電話線が来ていた。患者が情報にアクセスできる環境は、今では病院の機能評価項目に入れてもいいぐらい重要だ」と指摘する。【元村有希子】(毎日新聞)
[10月31日3時12分更新]