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2003/10/17 陸奥新報
「原告の請求に理由なし」で賠償請求を棄却
藤崎・麻酔ショック死訴訟 藤崎町の歯科医院で麻酔注射を受けた女性が死亡したのは、担当医師らの債務不履行(医療過誤)とし、女性の遺族が医院に合計約六千六百七十万円の損害賠償を求めていた民事訴訟の判決言い渡しが十六日、青森地裁弘前支部(土田昭彦裁判長)であり、土田裁判長は「原告の訴えに理由はない」として請求を棄却した。
女性の夫と両親は二〇〇〇年十二月に同医院を提訴。訴状によると、一九九六年八月二十八日、女性=当時(24)=は藤崎町の歯科医院で治療を受けた際、局所麻酔剤キシロカインを投与されて意識を失い、病院に搬送されたが約二時間半後に死亡した。司法解剖などから死因は、何度かキシロカインを投与されたことによるアナフィラキシーショックとされた。
原告は(1)事前の問診で女性の体質を把握していなかった(2)麻酔の種類や量に注意していなかった(3)ショック後に適切な処置をしなかった―などとして慰謝料など約六千六百七十万円を求めた。これに対し被告側は「債務不履行の事実はない」として請求棄却を求めていた。
土田裁判長は、(1)女性がこれまでにもキシロカインを使用され特に異変がなかったこと(2)同医院が初診で体質や体調について質問し、女性が「問題ない」としていたこと、当日も少しずつ麻酔をして様子を見ていたこと(3)隣の内科・小児科専門医を応援に呼び、救急車を要請していたこと―などから、原告の請求はいずれも理由がないとして請求を棄却した。女性の遺族は「控訴するかどうかは、弁護士と相談して決める」と話した。