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医療事故の被害にあった人々の“反撃”が始まった。
手術室や集中治療室で発生した“密室事件”の真相を暴くことができず、医療事故に巻き込まれても“開き直る”以外にこれといった手段がなかった被害者たちが、今や医者の胸倉をつかむ代わりに裁判所に駆け込んでいる。
ここ10年間で医療訴訟は10倍程に膨れ上がり、60〜70%の患者が勝訴、または調停を通じて賠償金を受け取っている。医療界は急いで医療事故の賠償責任保険に加入するなど、対策づくりに戦々恐々としている。
司法年鑑によれば、1992年には82件に過ぎなかった医療訴訟が、2002年には882件に増加した。今年は1000件を越すものと法曹界では見ている。
これを受け、ソウル地方裁判所の場合、これまで15部だけを医療事故の担当裁判部として運営してきたが、急増する医療訴訟を処理するため、今年初めに18部を追加した。
医療訴訟の増加は、基本的に患者たちの権利意識が向上したためだ。
法務法人「ハンガン」の洪栄均(ホン・ヨンギュン)弁護士は、「昔は『のれんに腕押し』という認識が強かった。しかし今は賠償を受けられる割合が60〜70%に達するという事実が知られ、最近では訴訟が大幅に増えている」とした。
また、裁判部が原告(被害者)の医療事故立証責任を大幅に軽減する方向でサ決をセい渡しているため、患者の勝訴率が上がったことも、医療訴訟増加の直接的な理由となっている。
実際、法務法人「イルシン」の金善中(キム・ソンジュン)弁護士が、ソウル地裁・医療担当裁判部の部長判事に在職していた昨年に出版した「医療ミスの類型的な分析」という論文によると、ここ2年余りの間に解決した医療訴訟事件110件のうち、原告側の敗訴は29%(32件)に過ぎなかった。
44.5%(49件)は調停が成立し、原告勝訴判決は26.4%(29件)だった。結局、約70%が病院から賠償を受けたことになる。
2002年の場合、1審で処理した492件の医療訴訟のうち、原告敗訴は21%(103件)、原告勝訴は24%(119件)、調停または和解が成立したケースは、30%(148件)だった。
こうした流れを反映するように、10年前まで1〜2人程度だった医療訴訟専門の弁護士が、最近では30人以上に増加した。また、ソウル・瑞草(ソチョ)洞付近だけで約25人の“ベテラン”看護師が、法務法人や弁護士事務所に雇われ、医療記録の分析を支援している。
法務法人「ヘウル」の申鉉昊(シン・ヒョンホ)弁護士は「司法研修院生たちの間でも、専門化の成功例として医療訴訟専門の弁護士が脚光を浴びている」と説明した。
それだけでなく、最近では消費者保護院やYMCA、「医療事故市民連合」などの消費者・市民団体も医療事故の被害者救済に乗り出している。
これを受け、病院側は医療事故の賠償責任保険に加入し、医療紛争専門組織を新設するなどの対策をとっている。
ソウル峨山(アサン)病院の場合、2002年に「危機管理チーム」を新設し、高難易度の手術を行う際は保護者に説明する課程を録音するなど、医療紛争に備えている。サムスンソウル病院も2000年に院長室直属の「安全管理室」を新設し、3人の職員がそれぞれ法務・訴訟・民願(行政機関に対して処分など特定の行為を要求する個人、法人、または団体の請願)業務を担当している。
また、ほとんどの病院が定期的に医療専門弁護士を招き、「医療訴訟予防教育」を実施している。開業医の中では医療紛争の余地が多い産婦人科・美容整形外科医の30〜40%が医療事故の賠償責任保険に加入しているものと推定される。
洪栄均弁護士は「最近では判決まで行かず、調停を通じて賠償金を受け取るケースが50%に迫るほどだ。医療事故と判断したら、諦めずに弁護士や市民団体などに助けを求め、積極的に法に訴える姿勢が必要」と指摘した。
林昊俊(イム・ホジュン)記者
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2003/10/16/20031016000086.html