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http://www.asahi.com/science/update/1013/001.html
使用禁止後も変圧器や蛍光灯の安定器などに大量に残っている有害物質のポリ塩化ビフェニール(PCB)がきわめて微量で脳の機能の発達を阻害する仕組みが、科学技術振興機構(旧科学技術振興事業団)の研究チームによって解明された。研究代表者の黒田洋一郎・東京都神経科学総合研究所客員研究員は、子どもの学習障害や多動性障害などの行動異常や知能低下の一因ではないかと指摘している。研究成果は18日、日本生化学会の内分泌撹乱(かくらん)物質のシンポジウムで発表する。
黒田氏は論文を岩波書店の雑誌「科学」11月号に発表する。
PCBは、食用油に混入した68年のカネミ油症事件を機に、日本では72年に製造禁止になった。米国の5大湖のPCB汚染魚を食べた母親の子どもの知能指数が低下したという調査もあり、脳への影響はすでに指摘されていた。
研究では、脳の形成に重要な役割を果たす甲状腺ホルモンの活動をPCBが阻害することを二つの細胞実験で確認した。甲状腺ホルモンと分子構造の似た水酸化PCBを用いると、脳をつくる遺伝子の働きをおかしくすることを培養細胞で確かめた。また、培養した小脳の神経細胞に甲状腺ホルモンを加えると脳内と同様な成長をするのに対し、そこに水酸化PCBを足すと成長が止まることも確認した。
いずれも最小の阻害濃度は数十ピコモル濃度(ピコは1兆分の1)。
分解されにくいPCBは、魚類など野生生物に食物連鎖で濃縮され、食物などを通じて人体に蓄積されている。データのあるカナダ南部の都市住民の場合、血中濃度から推計すると、水酸化PCB全体で平均700ピコモル濃度。日本人の場合も同程度とみられる。
黒田氏は「血中と脳脊髄(せきずい)液中の濃度は異なり、ほかの物質と結びついて無毒化されているものもあるが、個人差もあり、安全とはとてもいえない。ほかの化学物質を含め、脳への影響をもっと研究する必要がある」としている。 (10/13 07:18)