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スギ花粉症のアレルゲンを作る遺伝子を注射して完治を目指すDNAワクチンを、国立感染症研究所の阪口雅弘主任研究官らが開発した。犬の実験で、3回の投与で症状を数年間抑えることに成功した。DNAワクチンは、重い病気に限って臨床研究が認められている遺伝子治療の一種。人間の花粉症への利用が今すぐ認められる見通しはないが、阪口主任研究官は「まずはペット用に実用化したい」と話している。
花粉症は、花粉に含まれるアレルゲンに刺激された免疫細胞が、アレルギー反応を引き起こす抗体を作るのが原因。同主任研究官らは、この細胞とは別タイプの免疫細胞ができやすくなる塩基配列を持つ環状DNAにアレルゲンの遺伝子を組み込んでワクチンにした。
マウスに三週間、週一回ずつ注射すると、別タイプの免疫細胞が優勢になり、花粉に刺激された時にできる抗体の量が低下。さらに精製したアレルゲン遺伝子を使うと、原因抗体はワクチンを投与していないマウスの約四分の一に減少した。
花粉症で皮膚炎になった犬に使うと、月一回、三カ月の投与で数年間症状が出なかった。
スギ花粉症に悩むのは、人間だけではない。犬は皮膚炎やかゆみを起こし、猫やニホンザルは鼻水、くしゃみなど、人と同じような症状が出る。阪口主任研究官は「花粉症のペットを心配する飼い主に、ワクチンの需要は高いと思う」と話す。
花粉症の完治を目指す療法には、アレルゲンそのものを少量注射する減感作療法もあるが、治療に数年かかることが多い。DNAワクチンは、注射した遺伝子が体内で長い間アレルゲンを作り続けるので、短期間の投与で効果が望めるという。
<DNAワクチン> 通常のワクチンは不活性化した病原体や、その断片などを投与し、体の免疫の働きを利用して病気を予防したり治療したりする。DNAワクチンは、病原体などの遺伝子の一部を投与する方式。通常のワクチンより、強力な効き目が期待できるとされる。米国では、ブタクサ花粉症のDNAワクチンの臨床試験が始まっている。
■厚生労働省厚生科学課の話 DNAワクチンなど遺伝子治療は、まだ有効性や安全性がよく分かっていない。厚労省の遺伝子治療臨床研究指針では、体の機能を著しく損なう疾患も対象としているが、重い副作用の危険性を考えると、人間の花粉症治療にDNAワクチンを用いるのは現段階では、まだ考えられない。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20040221/eve_____sya_____007.shtml