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2日間の日程で東京で開かれた日本とメキシコの自由貿易協定(FTA)締結に向けた次官級協議は23日、オレンジ果汁、豚肉など農産品5品目の市場開放について折衝したが、双方の主張の溝は埋め切れなかった模様だ。メキシコ側は3月末を合意期限と主張しているが、日本側も7月の参院選が近づくに従って農業分野での譲歩の余地が狭まることから、「時間切れ決裂」を回避するための閣僚級協議再開に向けてギリギリの交渉が続きそうだ。
日墨FTA交渉は、5品目のうちオレンジ果汁以外は昨年10月の閣僚級協議で合意済みという日本側の主張に対し、メキシコ側は、豚肉、オレンジ、牛肉、鶏肉の他の4品目も含めて交渉のやり直しを求めて対立が続いている。日本側は「閣僚が詰めたのに、振り出しに戻すのは交渉のやり方として理解しがたい」(中川昭一経済産業相)として、閣僚級協議の結果を前提に、合意できなかった残りの問題を解決しようと呼び掛けてきた。
メキシコ側が昨年10月の閣僚級協議をほごにするような姿勢を示す背景には、フォックス大統領の政権基盤の弱さがある。「国会で少数与党のため、農産品の輸出拡大を求める国内勢力の声に押され、日本に大幅な譲歩を求めざるを得ない構図になっている」(通商筋)との見方が強い。日本側も7月の参院選が近づくにつれて「センシティブ(政治的配慮が必要)な問題が、より大きな問題になってくる」(中川経産相)のが実情だ。
FTA締結交渉では、韓国、マレーシア両国とのFTA締結交渉が既に始まり、2月にはフィリピン、タイとの交渉も始まる見通し。政権基盤が揺らいでいる韓国、マレー系国民を中国系国民より優遇する経済政策があるため外国企業に内国民待遇を与えるのが容易でないマレーシア両国との交渉は難航が予想される。看護士やマッサージ師の日本での労働を認めるように求めるフィリピン、タイとの交渉でも、日本国内の抵抗を受けるのは確実だ。
日本のFTA交渉全体の停滞を避ける意味でも、メキシコとの交渉は通商戦略の成否を占う試金石になりそうだ。
【川俣友宏】
[毎日新聞1月23日] ( 2004-01-23-18:38 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20040124k0000m020030000c.html