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米国は為替を政治的に考え過ぎている=前財務相
[東京 22日 ロイター] 塩川正十郎・前財務相は、ロイター通信とのインタビューで、2月に米フロリダ州で開催される7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)に関連し、米国は政治的に為替問題を考え過ぎていると指摘した。米国は強いドル政策を唱えているものの、本音と建前があり、為替が政治介入をされるのでないかとの印象を与えかねないと述べた。塩川氏は、米国が大統領選挙を前に、今春には何らかの一手を打つ可能性にも言及した。
インタビューの概要は、以下のとおり。
<2月のG7に向けて、為替をどのように考えるか>
米国は為替問題を政治的に考え過ぎている。盛んに強いドルを言ってみたり、ドルの均衡ある柔軟性に言及したりと、為替に対する発言が少し多すぎる。為替が政治介入をされるのでないか、との印象を受けないとも限らないことが心配だ。人民元については、踏み込んだことを言うと、かえってこちらが期待している成果が上がらない。
スノー米財務長官もオニール前財務長官も共通して、米ドルは強くあるべきというのが基本方針だ。しかし、本音と建前というのがある。
私は出席しなかったが、ドバイG7を振り返ると、声明にある「為替レートのさらなる柔軟性」との表現に関しては、当初はあまり議論の対象になってはいなかったが、米国が急に言い出してきた感があった。米国主導でやったということだ。日本に対しては介入問題について一言も話はなかった。
<今春に米国は何らかの一手を打つ、と発言しているようだが>
ユーロが対ドルで上昇したことは、米国から資金を引き揚げた向きが多かったからだが、最近、ユーロ圏から米国に資金が戻ってきている。どの程度戻るかによって、米国の金融政策に大きな影響がある。
国際商品市況が上昇しているにもかかわらず、米国の消費者物価は(それほど)上昇しておらず、企業の利潤が低下してくるのではないか。大統領選挙に影響してくるために、そうならないよう、米国はどのような政策を取るかを注目している。今年春には、米国は何らかの手を打たざるをえないのではないか。
米国は春頃には金利を引き上げざるをえなくなってくるが、政治的に引き上げることはないとみている。そうなると余計、為替の問題に関心を持つようになり、ドル安によって輸出振興に力を入れることも考えられる。しかしそうなると原材料価格が上昇する面もあり、どのように解決するかは複雑だ。
<日本の通貨当局による巨額介入への評価は>
あまり介入をしても、世界的な資金の大きな流れのなかで、細かいことでは効果は出てこない。介入の是非は市場が判断することで、私からどうこうは言えない。
外為特会の差損差益は神経質に考えるべきではない。国家の予算上どう使うかはあまり考えるべきではなく、為替の問題として独立したものとしてみるべきだ。
<小泉首相による構造改革や日銀の追加緩和について>
改革は徐々に進んでいる。国鉄も電電公社も民営化には10年かかっている。欧米と違いメンタルな部分があり、(道路公団など)民営化には時間がかかる。
竹中経済財政・金融担当相の取り組みを通じて、不良債権処理が進んできた。銀行は金融仲介業としての多様な努力をもっとすることで利益を拡大すべきだろう。
ペイオフが全面解禁になっても、インフレが強くなるまで、日銀は金融緩和を続けなければならない。今は物価が弱含みでデフレ的傾向にある。デフレではないが、インフレ的現象も出てきていない。
(ロイター)
[1月23日9時58分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040123-00000989-reu-bus_all