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【ロンドン福本容子】高齢化、労働人口減少に伴う年金支払い能力の低下問題を解決するカギは女性の就労――スイスの民間研究機関「世界経済フォーラム」が19日発表した先進国の年金に関する報告書で、特に日本では、女性の就労率の向上が、年金支払い能力を維持する上で重要な貢献要因となることが浮き彫りになった。21日から開かれる同フォーラムの年次総会(ダボス会議)でも討議される。
報告書は日本のほか、米欧8カ国について、労働人口の構成や出生率の変化などを考慮し、今後予想される課題や対応策の選択肢などまとめた。
それによると、日本は年金の積み立てで中心的役割を担う25〜54歳の就労率(00年)が、男性で97.1%と9カ国中最高だったのに対し、女性は66.5%でイタリア、スペインに次ぎ下から3番目の低さだった。
女性の就労率向上だけで出生率低下に伴う労働人口の減少を穴埋めするには、2010年まで何%まで就労率が上がればよいかを試算したところ、日本は75.3%となった。これは、00年時点での独(77%)、仏(78.4%)、スイス(78%)などよりも低く、こうした国が10年までに90%以上の就労率を確保しなければ、支払い維持が困難になるのに対し、改善余地の大きい日本の場合、9カ国中最も低い75%台で不足を補えることがわかった。
また、55歳以上の就労率の引き上げによって、労働人口の減少を補うケースも同様に試算。日本は00年時点で男性が9カ国中最高の57.5%、女性が2位の28.4%とすでに高く、10年にはさらにこれを62.4%、30%まで高める必要があることがわかった。
一方、移民の受け入れ増加だけで補うには、現在の受け入れ数の何倍まで増やす必要があるかも試算。独で2.5倍、仏で4.4倍となったのに対し、日本は11倍と郡を抜いて高くなった。
報告書は、こうした移民増加に依存する方策は「多くの国で政治的に困難」と指摘。女性や、高齢者、若年層の就労率をそれぞれ引き上げることにより対応する必要性を示した。
[毎日新聞1月20日] ( 2004-01-20-14:09 )
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/20040120k0000e020061001c.html