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http://finance.yahoo.com/q/bc?t=my&s=C&l=on&z=m&q=l&c=JPM
CITIBANK(CITI GRUOP)
http://citi.bridgetrack.com/cbol/overture/cc32.htm?BTData=4021A7A72667E6658504F4CA8B5A4A7A292818280FBF1E8FDF9C6EAA74
http://www.citibank.com/us/index.htm
citibank japan
http://www.citibank.co.jp/citidirect/from/keyword.html
JP MORGAN CHASE
http://www.jpmorganchase.com/
Bank One
http://www.bankone.com/
米国の金融界が慌ただしくなってきた。米銀二位JPモルガン・チェースが大手米銀の買収を決め、同行とシティグループ、バンク・オブ・アメリカの「三強」がしのぎを削る大競争時代が幕開けしたためだ。総資産一兆ドル前後に及ぶメガバンクは今後もさらに規模拡大を追求していく構え。世界の金融機関を巻き込んだ再編の嵐が吹き荒れる可能性もある。
■「10月ショック」契機に 昨年十一月初旬、ニューヨーク市内のモルガン本店。摩天楼の五十階にある最高経営責任者(CEO)の食堂で二人の男が話し込んでいた。モルガンのハリソンCEOと米銀六位バンク・ワンのダイモンCEOだ。
この数日前、米金融界を“十月ショック”が襲っていた。三位のバンカメが二十七日早朝に七位フリート・ボストンの買収を電撃発表。勝ち組の条件は「やはり規模」と訴えたフリートのジフォードCEOの言葉が、両首脳の頭から離れない。
「やはり経営統合を本格検討しよう」――。巨大化の波に乗り遅れまいと、モルガンとバンク・ワンの交渉が始まった。
なぜ、経営者らは規模に執着するのか。そのカギは収益力にある。
規模が大きいほど固定費の削減は容易。リスク許容度が高まるため、利ザヤは厚いが焦げつく可能性がある案件にも挑戦しやすくなる。傘下に幅広い事業をバランスよく抱えれば、一部門の不振を他部門で穴埋めすることもできる。
いずれもシティが景気低迷期に証明した強みだ。同行は相次ぐ不祥事や巨額の不良債権処理に揺れた二〇〇二年にも最高益を打ち出した。「とてもいい気分だ」。決算発表となるとワイル会長の機嫌も直る。
■欧州にも波紋 「プレッシャーは感じません」。モルガンの合併発表の翌日、業績発表に臨んだ五位ワコビアのトンプソンCEOが質問責めにあった。心中は穏やかでなかったはずだ。
資産規模は新生バンカメの半分にも及ばない。米銀の収益をけん引している個人向け取引は三強が最も注目する分野。本格競争を挑まれれば、体力消耗は避けられない。
三強時代の波紋は海の向こうにも広がった。「壁が乗り越えられないほど高くなったのでは……」。欧州の銀行関係者からため息が漏れてくる。
高収益をもたらす米国のリテール(小口金融取引)市場は欧州勢も参入に意欲的。英HSBCは一年ほど前に米消費者金融大手を買収、英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドも昨年だけで米銀四行を買いあさった。だが、三強に比べ存在感の乏しさは否めない。
むしろ、地元の欧州市場に攻め込まれる事態を心配する必要が出ている。米国勢の欧州での買収模索は公然の事実。日本市場も例外ではない。日欧の景気回復が進めば、三強が銀行や証券、消費者金融などで一斉に攻勢をかける可能性がある。
証券業界の危機感も強い。債券引き受けや企業の合併・買収(M&A)などの競争は一段と厳しくなる見通しだ。三強は低コスト融資を加えた総合金融サービスを看板に掲げ、ゴールドマン・サックスなどから法人顧客を奪うとの観測がもっぱらだ。
「これだけでは終わりません」。バンク・ワンのダイモンCEOが宣言したように、三強はメガバンク競争で互いに一歩も譲らない構えだ。米銀だけでなく国際展開する各国の大手銀は挑戦状をたたき付けられた格好。三強時代の到来は、勝ち組を目指す金融機関にとって再編モードに入る号砲のように聞こえる。
(ニューヨーク=豊福浩)
【図・写真】買収を発表するJPモルガンのハリソンCEO(左)とバンク・ワンのダイモンCEO(NY市で)=AP