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(回答先: あっしらさんへ、直間比率の是正は、反対ですか? 投稿者 hou 日時 2004 年 1 月 17 日 21:25:32)
houさん、お久しぶりです。
>この記事に限って言えば、直間比率の是正を行うことを示唆していますよね。
対象の記事は、所得税の“個人化”(家族ベースではなく所得者ベース)促進・所得税課税の裾野拡大(所得税免除者の減少)・累進税率緩和(フラット税率)を意図した動きを報じたものだと受け止めています。
(「直間比率の是正」意図が根底にあるのは間違いありません)
>あっしらさんは、直間比率の是正についてどう思われますか?
「直間比率の是正」は、高額所得者優遇策として持ち出されていることをとりあえずおけば、所得課税を重視するのかそれとも消費課税を重視するのかという問題だと思っています。
この点から、「直間比率の是正」の問題は、是正の仕方・内容で是非を判断するという立場です。
税収に占める間接税の割合を高めることが即高額所得者優遇策になるわけではありません。逆に言えば、必ずしも、低所得者負担増になるわけではありません。
また、制度的な高額所得者優遇策が即ある時点の高額所得者に対する持続的な優遇策になるわけではありません。(高額所得者の絶対数が継続的に減少していく可能性もあります)
現在企図されている「直間比率の是正」策は、国民経済の縮小を招くものなので、GDP的成長を望む人たちは反対すべきものだと思っています。
私も過渡的にはGDP的成長の回復が必要だと考えているので、財務省が主導している現在の税制改革には反対です。
(高額所得者の短期的な可処分所得増加や金融資本主義的変容を望む人、また、匿名希望氏のように国民経済の破滅を通じて建て直しを志向する人は賛成すべき税制改革です)
※ 財務省が主導している税制改革の内容は、内容及びその根拠が簡潔にまとめられた『日本が生まれ変わる税制改革』(森信茂樹著・中公新書ラクレ)に拠っています。
森信茂樹氏は、主税畑を歩んできた現役の財務省官僚(東京税関長)です。
機会があれば、『日本が生まれ変わる税制改革』批判を書き込みしたいと思っています。
消費税(付加価値税)は、物品及びサービスの取引(購入)に税金を課するものですから、それを抑制する働きになります。
これを良しとするか悪しきとするかは、経済よりも根底的な社会の在り様に関わる価値観で判断されるものです。
所得税は、所得の増加に従ってより多くの税金を課するものですから、“近代的平等意識”に反するものです。
(累進課税が所得増加意欲を減退させるという説には与しません。累進課税は、手取り増加がマイナスになるわけではなく増加ペースが逓減するものですから、逆に、手取りを増やすためによりいっそうの所得増加をめざす作用もするとも言えます。法の下の平等という観点からは、なんで多く稼いでいる人がひとより多く税金を負担しなければならないんだという至極まっとうな批判はできます)
税制は国民経済の動きを国家が調整(規定)するという役割を持っていますから、その観点を基礎に、めざす国民経済の姿(目的)の実現可能性(合目的性)に照らして判断すべきテーマだと思っています。
私はGDP的拡大をはかる政策が現段階では望ましいと思っているので、『日本が生まれ変わる税制改革』で説明されている内容での「直間比率の是正」には反対です。