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[東京 16日 ロイター] 谷垣財務相は、日本記者クラブで行った講演で、最近の為替市場の動向について、円高というよりドル安である、との認識を示した。その上で、米国に対し、双子の赤字の是正を求めていくことが大きな問題として必要だ、と訴えるとともに、日本と欧州は内需拡大による成長を図ることが必要、との見解を明らかにした。
谷垣財務相は、最近の為替市場について、円だけでなく、ユーロも高くなってきたとして、ドル安の状況だ、と指摘した。その一方で、率直に米経済に関する指標をみると、米国が一番調子がよい、として、「ドルの独歩安が進んでいるのはいかなる理由によるのかということになる」と語った。
さらに、ドル安の要因として、市場では、1)双子の赤字、2)テロなど地政学的要因、3)米大統領選の年は産業界の意見を踏まえて政府がドル安を容認する――との見方がある、と指摘。「為替市場は経済の基礎的な体力を安定的に反映すべきもの」との立場をあらためて表明し、「オ―バーシュート(行き過ぎ)があるときは、タイムリーに、断固として、やるべきことをやらなければならない」と述べた。
その上で、「大きな目で言えば、欧州も日本も、民需中心とした内需拡大をもう少し持続的に図っていくことが必要だろうし、米国には双子の赤字の是正を求めていくことが大きな問題として必要ではないか」と語った。
政府・日銀は、昨年1年間で過去最高となる約20兆円の介入を実施したのに続き、今年に入ってからも数兆円規模で介入を行っている、との観測がある。介入の効果について、同相は、「市場と勝負する立場なので、論評に任せるほうがよい」と述べるにとどめた。今後も、介入を続ける整合性については、米大統領選を控えて米国がドル安を容認する、などといった市場の受け止め方がある状況では、「なかなか手をこまねいてもいられない」と述べ、必要に応じて介入を行う姿勢を示した。
介入で得たドルで購入した米国債は、ドル安が進むと目減りするのではないか、との見方に対しては、「為替の差損はあることはあるが、運用益の方が多い。外為特会の収支計算という意味では、マイナスになっているわけではない」と語り、現状では経済性の点で問題はない、との考えを示した。
一方、財政再建に向けた政府の取り組みに関しては、年金など社会保障負担の伸びを抑制することが最大の問題であると強調、「社会保障改革を相当行わなければ財政再建はできない」と主張した。