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財政難の大阪府が、一般職員や教職員用の住宅(官舎)を廃止するため、居住職員を立ち退かせた際、363世帯の転居費用など計約5100万円を負担していたことが13日、わかった。
規定外の特別措置で、官舎を全廃する来年度末までには、さらに約250世帯が退去するため、最終的な支出は約8000万円にのぼる見込み。官舎の廃止・縮小を進める自治体は多いが、退去者に金銭的補償を行うのは極めて異例で、身内への「お手盛り」ぶりに、府民から厳しい批判の声があがりそうだ。
府の官舎の家賃は、家族世帯用(平均50平方メートル)が月約6000―4万円、独身用(同13平方メートル)が同1500円前後で、府は維持管理費として年約1億5000万円の税金を支出していた。
このため、府は行財政改革の一環として2001年8月、官舎の全廃方針を発表。こうした支出を削減したうえで、他の府有地とともに敷地を売却するなどで、300億円の自主財源を確保するとしていた。
府が引っ越し代の負担を決めたのは、この発表の3か月後で、当時、58棟に入居していた全638世帯を対象とした。
負担額は転居シーズンの3―4月が最も高く、家族世帯が14万5000円、独身者は5万円。このほかクーラー1台1万1000円、ピアノ2万2000円などの移設費も支出するとし、府総務部が、引っ越し作業を請け負う府委託の運送業者の請求に応じて、役務費から業者に直接、支払っている。
府は昨年11月までに363世帯分を支出。業者を使わなかった独身者ら29世帯については、負担していないという。
府総務部は「労働組合の要望で、官舎の廃止を円滑に進めるための措置」と説明。府の職員宅社規程や教職員住宅管理規程には「入居者は移転料その他の損害賠償を請求できない」と明記されているが、府側は「府の負担を禁じた規定ではない。借地借家法では、契約解約には正当な理由が必要だが、行革は理由として弱いと判断した」という。
福岡県は、約1380世帯の官舎を半減する方針だが、「負担を求める組合の声は強かったが、断った」とし、官舎を全廃する愛知県は「民間も社宅廃止の際に引っ越し代の面倒までは見ていない」。官舎の約6割削減を目指す神奈川県も「家賃が民間の賃貸物件より安いので、さらなる負担は不要」との考えだ。
新藤宗幸・千葉大教授(行政学)の話「規定で払う必要がないと定めている以上、払うべきではない。合理性のない支出は府民の理解を得られないだろう」
(2004/1/13/14:43 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20040113i205.htm