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先般10%程度削減と報道に出ていたが、まだ削減が足りぬ。
国家が生活保護の申請受理と受給資格を管理すればいいだろが。
以前の毎日の社説から
2003年09月29日
生活保護 トータルな視点で総点検を
生活保護制度の見直し作業が進んでいる。制度を抜本的に見直すのは半世紀ぶりとなる。生活保護制度は最後のセーフティーネット(安全網)だ。時代に合った中身に変えていくことは当然のことだが、生活扶助基準の見直しについては、国民に現状を丁寧に説明しコンセンサスを得ながら進めるべきである。
生活保護の受給者は95年を底に増加している。今年3月時点で129万人、国民の百人に1人の割合だ。この5年間に受給者の半数を占める高齢者世帯が1.51倍、母子世帯も1.49倍に増えた。
目立つのは1.85倍にも増えた中高年層の存在だ。失業、倒産、リストラにより収入がなくなり、働く能力はあるのに生活保護で暮らす人も増えている。働く意欲さえなくし、安易に生活保護の傘に逃げ込む人が多くなれば、制度の根幹が揺さぶられる。
今年6月に閣議決定された「骨太の方針」は「物価や賃金、社会経済情勢の変化などを踏まえ老齢加算の扶助基準など制度、運用の両面にわたる見直しが必要」と問題を提起した。財務省は老齢加算と母子加算の廃止を求めている。
老齢加算は70歳以上に月額1万7930円を上乗せするもので、単身世帯だと9万5140円(東京23区在住者)となる。一方、老齢基礎年金は現在、一律月額6万6417円だ。この差をどうみるか、が議論になっている。生活保護をあてにして年金保険料を払わない人が増えると制度がもたない、という危機感もある。
最低生活を維持するための生活保護と、現役時代に保険料を払い引退後にもらう年金とでは、目的が明らかに違う。支給額だけを比較して生活保護を引き下げる、と簡単に割り切れる問題ではない。
東京23区在住の母子3人世帯の場合、生活保護は月額22万967円だ。これに対し、国民生活基礎調査による一般の母子世帯の平均所得は月額21万667円で、約1万円少ない。生活保護を受けている母子世帯の就業率が低下しているというデータを基に、「生活保護基準が高いことが、就労意欲を失わせている」との指摘もある。
しかし、実態をしっかりと調査、分析してみる必要がある。母子世帯の就業率の低下は、不況による影響も大きい。女性の賃金水準が男性に比べて低いという現実や、「もともと低い母子世帯の保護水準こそ見直すべきだ」という意見にも耳を傾けるべきだ。
国や地方の財政が厳しい。だから生活保護費をカットする。こうした短絡的な発想では公平・公正な見直しはできない。
社会保障の抜本的な見直しが同時に進んでいる。年金の給付と負担に関心が集まるのも分かる。しかし、それだけでなく、社会保障の根幹をなす年金や介護、医療、そして生活保護などの諸制度をトータルとしてとらえ、総点検した上で見直しが必要ではないのか。
日本型福祉社会における社会保障のあり方について、グランドデザインを描ききれない。そこに今の危機がある。
(毎日新聞 09-29-00:22)