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>キャバクラ
>ドンペリ
>クルマはBMW745iだ。
時計はロルェックス、
バッグはナンたらビドンや、なんたらブッチ・・累々
はて?、この国はこんな下卑た”あんちゃん”連中に金を与える国であったのか?
【AERA発マネー】
http://www.asahi.com/money/aera/TKY200401050136.html
ビンボー兄さん、金持ちあんちゃん 進む若者の階層分化
2003年12月29日―2004年01月05日号
昔、若者はみんな貧乏だった。バブルの頃は、いい夢を見た。と思ったら、いま、稼ぐ人と稼げない人の差がガクンと広がっている。「くう・ねる・あそぶ」の話じゃなくてもっと切実な「衣食住」のレベル。どーしてなの。(編集部・宇都宮健太朗、福井洋平)
「お前、いくら稼いでる?」
なんて無粋な質問は、親しい友人にもなかなか聞けない。あまりに多かったら悔しいし、少なかったら申し訳ないし。でも、現実には「金持ち兄さん貧乏兄さん」の差が広がっているようなのだ。
外資系法律事務所に勤める弁護士の榊原彰彦さん(仮名、29)の年収は「14万ドル+500万円」。1ドル110円だと月に170万円……全部1000円札に両替して敷きつめたら19平方メートルだ。いや、ワンルームマンションが埋まってしまいますよ。
税金で持っていかれるのが35万円、妻に渡すのが35万円。残り100万円がサイフに入る。
「アメリカの本社の給与体系がそのまま日本にも適用されるから、この金額をもらえるんです」
衣食住には無頓着な榊原さん。スーツは洋服の青山の「形状記憶、2パンツ付き」を愛用している。住まいも妻の実家が所有する賃貸ワンルームを3部屋、横並びで借りてやりくりしている。
しかし、使うときゃすごい。先日はキャバクラでドンペリ2本を空け、18万円を使った。むろん、リボ払いではなくドンと一括。
「酔っぱらっててよく覚えてないんですけどね」
●マンション6戸所有
100万円の多くは不動産投資にまわる。すでにマンション6戸のオーナーだ。競売で1300万円で落とした東京・新宿の物件以外は文京区と目黒区に集中している。母校・東大の近くを選んだのは、どんな理由があるんですか。
「懐かしいとかじゃなくて、少子化が進んでも、あの大学だけは需要がなくならないでしょ」
外資系なのでいつ契約を打ち切られるかわからない。2歳と1歳の子持ちである榊原さんにとって不動産投資は「個人的なセーフティーネット」。ほかに、投資信託の残高が現在1000万円。株には「これまで2000万円は使った」とか。それでも榊原さんは、まだまだスキルを身につけたい、もっともっと稼ぎたいという。
「公正取引委員会の職員を経験すると独占禁止法のスペシャリストになれる。年収800万ですが応募するつもりです。留学してアメリカの弁護士資格も取りたい。いざというときに備え、個人事務所を開ける店舗も確保したい」
休日に大学院で独禁法を学ぶのは、公取委の受験に備えて。放送大学で経済・経営学を学ぶのはアメリカ留学のため。
「ぼくにはゴールがない」
ミスター・ステップアップな人生をずんずん今日も歩んでいる。
つづいて外資系企業のお話。
杉本哲也さん(仮名、28)は株のトレーダー。4年目で年収は2500万円だ。芝公園近くに立つ家賃30万円の高級マンションに妻と二人暮らし。ゴルフを月に3、4回。マーケットがはねたあとは、異業種交流会や財界のパーティーなどに足しげく参加する。たとえばソニーなら、年末の新製品はどれだけのインパクトがあり、株価にはどれだけ反映されるか。マスコミ以外に、独自の情報ソースを持っているかが仕事の成否を分ける。そういった情報収集のための交際費が、月に50万円にのぼる。
「オレはできる、稼いでいると思ったことは一度もありません。利益を上げられなければソッコーでクビですし」
マンション1戸に、株や外国債券なども持っているが、杉本さんは投資に励むより、仕事で実績を伸ばして「億を稼ぐ」のが目標。
東京のいいレストランは全部制覇したい。この前は横浜まで出かけた。伊勢海老、鮑、ステーキのコースで1人2万円。
クルマはBMW745iだ。
「800万の車種ではなく、1200万の車種を、状態のいい中古で700万円で買いました。スーツもオーダーメードで10万円くらいのものを着てます。アルマーニの20万円よりジャストフィットで似合ってて10万円おトク。割安、大好き。こんなところで『儲かった』なんて喜んでいるのは、きっと職業病なんでしょうね」
トレーダーの仕事は過酷で、40代まで続ける人はほとんどいない。「稼げるときに稼がないと」と感じている。
若い会社員の多くも思いは似ている。これから何があるかわからないが、給料はそれほど伸びないのはかなり確実……だから、いまのうちに稼がなきゃ。明日の100より今日の50を取んなきゃ。
50取れる人はまだいい。
●能力主義で格差拡大
2002年の厚生労働省「賃金構造基本統計調査」では、25〜29歳の男性サラリーマンの平均月給は24万1000円。1992年が23万6800円、82年は17万3100円……。この10年でほとんど伸びなくなった。
その一方で、外資系などを中心に成果主義、能力主義が極端に進み、かつての年功序列・終身雇用時代には見られなかったような金回りのいい人が出てきているのも事実だ。
UFJ総合研究所は、11月に「最近の所得格差拡大が生む深刻な問題」という月例報告をまとめた。若年層についてはこうだ。
〈仮に1998年に大学を卒業した人がまだ正社員になっていないとすると、生涯賃金2億9千万円のうちすでに約1600万円が稼げなかったことになり、貯蓄形成では生涯貯蓄約2600万円の約11%に相当する約280万円の遅れをとったことになる〉
フリーターの約7割が正社員を希望しているが、東京都内に住む本山裕行さん(仮名、25)もそのひとり。大学院で工学を学んだものの、今年卒業しても就職が決まらなかった。
「メーカーを中心に20社近く受けたが全滅でした。来年は業種を問わず受けまくるつもりです」
深夜のコンビニでアルバイトをしている。週に4、5日働いても収入は1カ月に15万円弱。家賃に6万円、携帯の電話代1万円を引くと、残りは7万円。食費を浮かすため、アルバイト先で賞味期限切れの弁当を持ち帰る日々だ。
●「売れ残り」に期待
「店のマニュアルで、棚の奥のほうに新しいおにぎり、手前に期限が迫ったおにぎりを並べるんですけど、お客さんはそれをわかって奥から取っていく。『ラッキー。今日は鮭ハラスのおにぎりが残るぞ』なんて、一喜一憂している自分が情けないですよ」
貯蓄形成どころの話ではない。
千葉県に住む電機メーカー勤務、野口政利さん(仮名、26)の月収は約19万円。昨年、「できちゃった結婚」をしたので、妻と娘、堂々の家族持ちである。
「でも、おカネはないですよ。この1年、スキーにも温泉にも行ってないですから」
会社の寮に月1万5000円で住めるのが救いだが、社内結婚だった妻は仕事を辞め、育児にもお金がかかるので、野口さんの小遣いは月2万円。「ここぞというときの」シルクのワイシャツをクリーニングに出したら、カフスボタンがなくなっていた。
「あなたがちゃんと外しておかないからよ!」
そう妻に突き上げられても、この小遣いでは、なかなかカフスボタンは買えない。以来、そのワイシャツを着るときは上着で隠したり、腕まくりをしてみたり。
同僚や学生時代の友達と居酒屋に飲みに行くことが楽しみだが、サワーについてくるグレープフルーツを、知らず知らず、きつくスクイーズしてしまう。
「ビンボーったらしいっすよね。それに白い皮のとこまで削れちゃうので、苦いんですよ」
とまあ、ここまでなら若いサラリーマンの下積みといった感じだが、野口さんの会社ではリストラが始まった。ショックだったのは、3年上の先輩の一件。
「すごくできる人で、おととし会社が中国に現地法人を設立したときもスタッフとして赴任したんです。なのに、国内販売が不振だとかで、中国法人も含めたその事業部門がいきなり子会社になった。先輩は日本に帰ってきたんですが、『転籍で本社には戻れない』と肩を落としています」
給料の安さもしんどいが、それ以上に「理不尽なリストラ」がまかりとおる会社に居つづけることに、大きな不安をおぼえている。
「若いから大丈夫なんて、もう言ってられません」
●5年後に格差が顕在化
ビエナライフスタイル研究所の研究主幹、岩間夏樹さんはこう指摘する。
「いま20代の若い人たちは、山一証券や拓銀の破綻があった97年、98年を、大学生または社会に出たてで迎えた。その後、自分の目で企業を判断するようになった人と、『財閥系企業やメーカーなら大丈夫だろう』から抜けてない人と二つに分かれた。同じ給料でも、充足感はまったく違う」
前出のUFJ総研で主席研究員をつとめる経済アナリスト、森永卓郎さんはこういう。
「日本全体で『貧富の差が拡大している』ことが言われますが、若い世代がじつはいちばん激しいと考えています」
若い世代にはまだ親と同居している人も多く、なかなか所得格差の実態がつかみにくいという。
「でも、あと5年もすれば親の世代も引退なので、格差が目に見える形で表れてくるはず。正社員になった人は、かろうじてこれまでの『中流』の生活でいける。他にほんの一握りの『勝ち組』といわれる人たちがいて、フリーターや派遣社員の人たちが数多くいる。この新しい階層分けは、社会に出たごく早い時期に決まってしまう。敗者復活の機会がない。放置すべきでない事態だと思います」
外資君にはおよびもないが、せめてなりたや正社員……といった落首のひとつやふたつ作られてもおかしくない世の中だが、そんなことをしている場合ではない。
起業で、どーんとはばたく若者もいる。
新津俊之さん(26)は、中古パソコン買い取りのベンチャー企業「ディックル」を昨年11月におこした。すでに全国に130の買い取り店舗網を整備し、年商は4億円に達する見込み。本社は秋葉原にあり、社員は6人だ。
「中古パソコンというとマニアックな感じですが、私はこの会社を起こす前は、秋葉原に来たことさえなかったんですよ」
会社を起こす前は、ベンチャー育成・支援企業で4年近く働いた。中古パソコン市場が前年比200%という成長をみせていたこと、大手量販店がどこも本腰を入れていない市場であることが決め手となって、起業に踏み切った。
●30歳過ぎからが勝負
一般の人になじみが薄い「パソコン買い取りサービス」を知ってもらうPR広告づくり。キーボード、マウス交換などの新サービスの開始。中古パソコンを販売するウエブサイトの立ち上げ……平均睡眠時間が4時間という日々が続く。だが「頑張る」という言葉は大嫌いと言う。
「部下も上司も、その日、そのとき、やるべきことをやるべき分だけやる。それで結果が出なかったら、トップの判断が間違っているか、サービスに問題があるかのどちらかなんですから」
自身は月に200万円の社長報酬を受け取っている。が、家に帰る時間がない上、大半はお世話になった人たちとの食事や、部下へのプレゼントに使ってしまう。
「電車に乗り、街を歩かないと情報の収集力が落ちる」
だからクルマも持っていない。
カルバン・クライン、ビンテージものの瀟洒なスーツでキメた新津社長は抱負をこう語った。
「ゼロからビジネスを育てることがとにかく好き。30歳過ぎからが本当の勝負。それまでに、自分より優れた人材を多く育てたい」
新しい「マル金」「マルビ」の分化がデフレ日本で進む。 (01/07)