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増田俊男の時事直言!
229号 仕事始め号 (2004年1月5日号)
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目が離せないアメリカ
アメリカの中産階級はいろいろな意味で重要である。経済では消費動向の鍵を握っているし、政治では世論の中核である。今アメリカの中産階級が最も関心を持っているのはMedicare(医療保険)と教育費問題である。共和党ブッシュ政権は金持ちと大企業の利益代表だから中産階級には人気が無いが、それでもグリーンスパン(FRB議長)の低金利政策による住宅産業支援と大型減税で株価が上昇を続けているので、何とか人気を保っている。昨年12月13日のサダム・フセインの拘束で、民主党が15日に計画していた反ブッシュキャンペーンの火を消して、下がり気味の人気を60%まで持ち上げたまでは良かったが後が続かない。
アイオワ州を皮切りに民主党の大統領候補戦が始まり、マスコミの報道はやや民主党に偏りかけてきた。こぞって民主党候補は『ブッシュは中産階級の敵で民主党こそが味方だ』と主張している。2004年は4500億ドルから5000億ドルに膨れ上がる財政赤字も民主党の格好の攻撃材料になりつつある。以前から言ってきたが、ブッシュのフセイン拘束はボクシングで言えばジャブ。新年を迎えた国民に何か劇的な事件を起こして民主党の攻撃を粉砕するアッパーカットが必要である。大事件は偶然に起きるのではなく、必然的に起きるものである。
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アメリカは何時までも資金集めを止めない!
クリントン大統領が、ITという「夢」を利用する事により、世界中の浮遊資金をアメリカに一極集中させたのは周知の事実である。クリントンは世界のソフトマネーを取込んだのである。
さてブッシュの資金集め戦略は何か。ブッシュはクリントンと異なりハードマネーに狙いを定めている。実体産業に投資するハードキャピタルをアメリカに引き込もうとしているのである。クリントンが集めたソフトマネーの一部はアメリカの経済インフラに形を変え、一部は海外投資に逆流しながら、NYは正に世界の金融センターになったのである。ブッシュはアメリカをはじめ主要先進国から海外の実体産業に投資されたハードマネーをアメリカに呼び込むために何をしているのだろうか。それはアメリカのテロに対する戦争である。
アメリカのテロに対する戦争の目的はテロの撲滅ではない。ハードマネーの呼び込みこそが真の目的である。アメリカの世界規模でのテロ対策と一層高まるテロリストの反抗はエスカレートし続け、今では世界で安全なところが少なくなった。今世界中の有名観光地に投資された資金と人がアメリカに還流している。アメリカ大使館は現地の資産家に帰国勧告までしている。一方ハワイのコナでは未曾有の不動産ブーム!アメリカ本土での新築住宅は2003年180万戸という史上最高軒数を記録しようとしている。住宅バブルは崩壊すると言われながら伸び続けている。かつてのバブル期のような仮需要では無く実需だから住宅ブームの息は長く、アメリカの消費をしっかり支えている。住宅産業に欠かせない低金利と、ドル安はアメリカの不動産価格を割安にすることから対米不動産投資を一層魅力的にしている。ブッシュが用意したこうした経済環境の中で今ハードマネーがアメリカに集中している。クリントンは金集めにITを使い、ブッシュはアルカイダを使う。こうした経済戦略面からの洞察も大事である。
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2004年の 第一声はJ-Wave(81.3Mhz)から
1月6日午後9時15分からJ-Waveの“Jam the world"「増田俊男さんの大胆予測!2004年世界はこうなる」(30分)に出演します。お聞き逃しなく。
※「時事直言」の文章および文中記事の引用ご希望の方は、事前にサンラ・ワールド株式会社 増田俊男事務局(TEL 03-3955-2121)までお知らせ下さい。
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発信者 : 増田俊男
(時事評論家、国際金融スペシャリスト)
http://www.chokugen.com/opinion/backnumber/h16/jiji040101_229.htm