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一部のマスコミがいくつかの経済指標が好転しているのを指して、
「構造改革の芽が出てきた」云々と大騒ぎを始めている。
しかし、これは政府がわざと民間企業をバタバタ倒産させて
最悪の状態を作るのではないかという危機感が
若干後退したことによる反動にすぎないと思われる。
そもそも、小泉政権成立時には1万4千円レベルだった株価が
小泉、竹中の故意により8千円割れまで突き落とされた後に
1万円まで戻ったレベルで「構造改革の芽」も
へったくれもないものである。
昨年暮れの足利銀行の例をみるまでもなく、
銀行、企業を政府が積極的に潰すことを「是」とする
小泉「社会主義」内閣の性格は全く変わっておらず、
そのような政権が続く限り民間企業は政府に潰されないように
リスクを取らず身をかがめていくしかない。
そんな状況で本格的にデフレが克服できるはずがないし、
デフレが続く限り銀行、企業の倒産の連鎖が止まることはない。
足元の一部経済指標が若干反転したからといって、
それが、そのまま上昇を続けると信じることは
あまりに楽観的に過ぎるといわざるを得ない。
そもそも、小泉内閣は「構造改革」の名に
値することなど、これまでなにもしていないのだから、
その「芽」なんて出るはずもない。
本来、小泉は規制や既得権を取り除き「官から民へ」の流れを実現し、
経済に活力を取り戻すことを標榜していたはずだ。
しかし、実際にこの3年近く小泉内閣がやってきたことは
全く正反対の「統制経済路線」の政策ばかりである。
「不良債権処理」の強行によって民間経済を疲弊させたことを筆頭に、
特区、産業再生機構など資本主義の思想に反した
「民から官へ」の政策のオンパレードである。
彼らのやってきたことは、まさに「エセ構造改革」と呼ぶ以外にない。
そして、この小泉の「言行のねじれ」を正しく指摘する論者が
なぜか、マスコミや論壇に登場しないことこそが、
今日の全ての政策論議を不毛たらしめ、
国民を閉塞感の中に陥れている最大の原因なのである。
多くのマスコミや民主党は小泉の「エセ構造改革」などを
「構造改革」と曲解した上で、「構造改革が進まない」と嘆き、
一方、自民党の反小泉勢力は小泉の「エセ構造改革」で
経済がボロボロになったのを幸いとして、財政出動を求め、
また、本来あるべき「構造改革」までもまとめて葬ろうとする。
そんな両者の愚論しか聞く機会のない多くの国民が
閉塞感の中で悶々とするのはまさに当然といえよう。
今年は参議院選挙も予定されている。
しかし、この小泉の「言行のねじれ」が広く国民に認識されない限りは
またしても昨年の衆議院選挙と同じ不毛の選択が
繰り返されることになる。
年初にあたり、「明日への道標」の読者の方にお願いしたい。
ネット上で、そして実際の社会で、
この小泉構造改革の「ねじれ」を徹底的に啓蒙して欲しい。
小泉内閣が「構造改革」の名のもとに行っていることは、
もともと言っていた「構造改革」の精神とは正反対のことばかりじゃないかと。
その認識が世の中に広まって
初めてまともで建設的な政策議論が可能となるし、
まともな議論が世の中でなされ、正しい認識が広がってくれば、
政治家もそれを受け入れざるを得ないのだから。
http://village.infoweb.ne.jp/~fwhh1899/index.htm