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破たんした足利銀行(宇都宮市)の行方をめぐり、栃木県内の中小企業や足利銀の行内で不安と疑念が渦巻いている。いずれ経営の受け皿が決まり、厳しい融資先の選別とリストラが予想されるからだ。一時国有化が決まって29日で1カ月。預金、貸出金の県内シェアが4割を超える足利銀の破たんが地域経済に与える影響は、これから深刻化するとみられる。
【宇田川恵、川端智子】
「『鬼怒川温泉全部が100億円もあれば買える。そのために外資が視察に来ている』などのうわさが飛んでいる。県内の旅館・ホテル業界は疑心暗鬼に陥っている」。栃木県北部の温泉旅館の社長がこう打ち明ける。
同県の旅館・ホテル業の9割強は足利銀がメーンバンク。現在は県などの支援表明があり、客も減っていないというが、「温泉旅館全体が危ないという誤解が強い。業績の良い旅館まで影響を受けないか心配だ」(別の温泉旅館社長)という声もある。
中小企業を対象にした国民生活金融公庫の特別相談窓口には、今月25日までに足利銀破たんに関し計394件の相談が寄せられた。旧北海道拓殖銀行の破たん時は、97年11月から約1年半で734件。これを上回るペースだ。同公庫宇都宮支店は「(融資の打ち切りなど)この先どうなるか分からないという不安が大きいようだ」と話す。
新経営陣が25日に出そろった足利銀の行内は、厳しい雰囲気に包まれている。ある若手行員は「行内は一見、平穏だが、ちょっとしたことで上司と部下の間で口論が起きたりする。殺伐としている」と明かす。大半の行員が破たん後、休日もない状態。その上、今後の不安感で精神的に追いつめられているという。
池田憲人新頭取は「すぐに人事異動はしないが、最大限のリストラは必要」と明言している。行員の1人は「リストラやこれからの話は誰も口にしない。むしろできない雰囲気」と漏らす。
民主党県連が今月23日に開いた講演会では、株主から破たんの責任を追及する声が相次いだ。「『県も市町村も出資する』と言われて株を買った。紙くずになったのは納得できない」「(破たん前の)11月下旬に株を売ろうとしたら、行員が『万一の場合でも(株主責任を問わない)りそな方式だから売らないでくれ』と言われた」。株主代表訴訟に関する質問も出た。これを受け、同県連は出資勧誘の実態について調査に乗り出した。
足利銀の新経営陣は、旧経営陣の刑事、民事両面の責任を追及する調査機関の設置を表明している。
[毎日新聞12月28日] ( 2003-12-28-20:20 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/keizai/20031229k0000m020044000c.html