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増田俊男の時事直言!
226号(2003年12月24日号)
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FAX : 03-3955-2122
アメリカ経済の基礎知識
アメリカ経済は他国とは基本的に異なるので、「アメリカ経済は、、日本経済は、、」などと並列的に比較するのは間違いである。世界経済を図示すれば、アメリカは太陽、他国は惑星である。アメリカ以外の国はアメリカを中心に回転しているに等しい。アメリカ(太陽)と他国(惑星)の距離は為替(重力)によって異なり、他国は異なった軌道を描きながらアメリカを中心に一定の動きをする。
日本はアメリカ(太陽)から降ってくるエネルギー(ドル)で生きているようなものだ。日本はローカル通貨(円)を使ってモノを作り、作ったモノを売ってドルを稼ぎ、稼いだドルで世界から必要なモノを買う。日本の正式な(世界に通用する)富は円で作ったモノを売って得たドルである。太陽は水素ガスが連続的に燃えている炎の塊だが、それが何百億年先であれ、いつかは燃え尽きる運命にある。最近のアメリカ(太陽)は燃えるガスが完全に無くなってしまっている。
アメリカは世界のエネルギー源であるドルを世界中にばら撒いて、太陽(基軸通貨国)の役目は果たしているが、肝心のドル(エネルギー)を作るガスが無くなってしまったのである。第二次大戦直後のアメリカは恒常的貿易黒字国だったからドル(エネルギー)の蓄積はいつも十分だったが、1971年8月15日(日本の敗戦記念日)以降逆転して恒常的貿易赤字国に転落し、将来黒字転換の可能性は皆無となった。したがってアメリカは太陽(基軸通貨国)の役目を終えなくてはならないのに、太陽(基軸通貨国)のメリットがあまりにも大きい(アメリカの借金は全部他国が働いて払ってくれる)ので太陽(基軸通貨国)の地位にしがみついている。
アメリカの生死に関わる国益は基軸通貨国の地位を死守することである。アメリカが今なお基軸通貨国であることがアメリカ経済の基盤であり、アメリカ以外の国の経済はアメリカ経済の派生経済になっている。
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アメリカを救済する日本
アメリカは恒常的貿易赤字国で2002年度の貿易赤字額は約4300億ドル(約46兆円)、財政赤字は約3700億ドル(約40兆円)になる。対外債務も毎秒新記録更新中。アメリカの国民はと言えば、これまた借金漬けで預金はほぼゼロ。したがって今のアメリカは恒常的貿易黒字国の日本や中国からドル(エネルギー)を還流してもらわないと太陽(基軸通貨)の働きが出来なくなってしまった。
日本は恒常的貿易黒字国であるばかりか国民は世界一の金持ち(1400兆円金融資産)。中国は人民元のぺッグ制維持(1ドル8.27―8.28元で固定)のため毎日3億ドルを買っている。日本は自国の貿易黒字分でアメリカの貿易赤字分を補填するため、自国の資金需要は皆無なのに超金融緩和策を執りアメリカへ資金を送り続けるだけでなく、2004年度は外国為替資金特別会計予算(為替介入資金)を140兆円(2004年度の国家予算83兆円と比較してください)も計上して、ドルを買いまくる。
正に介入と言う名の対米資金援助である。資金の流れだけを見ると日本はアメリカの国益(基軸通貨維持)のために働いていることになる。正に日本はアメリカの存在のために存在しているようだ。本当は日本が太陽になるのが正しいのだが、、、、。正しさを否定するのがアメリカの軍事力!
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発信者 : 増田俊男
(時事評論家、国際金融スペシャリスト)
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