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バブル崩壊後の経済の最大の課題は、需要の急激な縮小への対応である。バブルが不動産投機であれ、過剰な設備投資、消費であれ、需要の縮小は需給ギャップを拡大し、経済のデフレ化を促進する。
需給ギャップ拡大に対する理想的な対応は、供給力の削減であるが、失業の急増を恐れる政治が採るのは、需要の刺激にならざるを得ない。バブル期に民間需要が伸びきった後のことだから、財政金融政策を極限まで使い切ってしまうことになる。
問題は、巨額の財政赤字と超低金利にもかかわらず、需要の拡大は一時的で、需要の急減は避けられても、成長率は徐々に低下していき、デフレが緩やかに進行していくことだ。経済の長期的な低迷が始まるのである。実際、バブル後13年経っても、日本経済の持続的な成長の兆しは見えてきていない。
米国では、このところ景気回復論が勢いづいているが、中身を子細にみると、いくつかのもろさが目立つ。減税や住宅ローンの借り換えブームといった効果が出尽くした後の消費の減速はともかく、市場が最も期待しているIT(情報技術)セクターでも、今年9月までの世界半導体販売額の伸びは、アジア18%、日本25%に対して、米国は-3%である。
インテルの第三四半期の地域別売り上げをみても、全体で20%伸びたうち、アジアの12%、日本の5%に対して、米国の貢献はわずか1%でしかない。今年に入ってからの日本やアジア(中国を除く)の輸出も、対米は落ち込み、対中輸出の急増に大きく依存している。米国を含め世界経済にとって、中国バブルの持続性こそ当面の最大の焦点だが、米国経済が緩やかな長期的な低迷期に入っていくのを食い止めることは難しいのではないか。
(中前国際経済研究所代表 中前 忠)
http://www.nier.co.jp/kijikanri/news/news-00523.shtml