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(回答先: イラク戦後復興の現状と経過(上)_米政府が発注した主なイラク復興事業【IHCC】 投稿者 荷電粒子 日時 2003 年 12 月 09 日 23:49:30)
[イラク国内の道路・鉄道・河川・石油パイプライン網]
米国際開発庁(USAID)はイラク復興のため2003年度中に総額24億ドルを投じる方針を表明した。内訳としては、5億ドルを食糧、医薬品などの人道的支援に、19億ドルを道路、発電所、石油基地、水道などのインフラ整備に充てる。復興事業は民間企業が米政府から受注して進めるが、米国内法の規定により、主契約先は米企業に限られている。しかし下請けについては外国企業を排除していない。
●ルメイラ油田、最後の火災が消火 イラク南部のルメイラ油田で続いていた火災の最後の油井が2003年4月13日、消火された。AFP通信が消火にあたっているクウェート石油会社の担当者の話として伝えた。これにより、南部最大のルメイラ油田は生産回復に向かう。クウェート石油公社と米油田サービス会社が消火活動にあたっていた。)
●米軍、シリア向け輸送遮断 ラムズフェルド米国防長官は記者会見で、国連の承認を受けずにイラクからシリアに原油を輸出していたとされるパイプラインを、米軍が遮断したことを明らかにした(2003年4月15日)。長官はシリア向け違法輸出を完全に止めたかどうかについて、「確認できていない」と明言を避けた。イラクとシリアを結ぶパイプラインは2000年に稼働。国連制裁を無視するかたちで、年間12億ドル分の原油を違法にシリアに輸出していたとされる。
●ルメイラ油田、地元住民を再雇用 イラク南部にある同国最大級のルメイラ油田で、フセイン政権時代に同油田で働いていた地元住民らの再雇用が始まった。 ルメイラの小学校で求職者の審査が行われ、100人以上の地元住民が生産再開を担う米企業から新しい身分証明書を交付された。 この企業はチェイニー米副大統領が就任前まで最高経営責任者(CEO)を務めていた米エネルギー大手ハリバートンの所有。現地の米軍関係者は油田が本格稼働する時期については明言せず「今はできるだけ多くの従業員を雇用したい」と述べた。当面、従業員の給与は米国防総省の復興人道援助室(ORHA)が支払う。 ルメイラ油田は1991年の湾岸戦争前まで、日量120万バレルの原油を生産していた。今回の戦争で一部の油井が炎上したが、ハリバートン社などにより消火作業が行われ、すべて鎮火した。ーー(2003年4月17日)
●日本政府、米国の復興人道支援室(ORHA)へ文民派遣決定 日本政府は、イラクの戦後統治(民生部門)を担う米国の復興人道支援室(ORHA)へ日本から4、5人の文民を派遣することを決定し、川口順子外相が閣議後の記者会見で発表した。外務省や経済産業省などの政府職員のほか、民間人からも人選し、月内にもバグダッドに派遣する。現地の状況に応じて、将来の増員も検討する。ORHAへの要員派遣は「占領行政への協力になる」として憲法上の問題点を指摘されたが、政府は「派遣されるのが文民の場合、武力行使とはならず、憲法9条との関係で問題はない」(内閣法制局)と判断した。ーー(2003年4月18日)
●米社にインフラ整備発注 米国際開発庁(USAID)はイラク復興の中核をなすインフラ整備事業について、米総合建設大手のべクテルに発注することを決めた。当初支払い額は3,460万ドルで、向こう一年半での総額は6億8,000万ドルに達する。発注したのは道路・上下水道・電線網整備・電力施設修復・空港整備・港湾修復など。(2003年4月18日)
●制裁解除提案、数週間以内に ラーソン米国務次官は、対イラク制裁解除に関する国連安保理決議案について、「数週間のうちに提示する」と述べ、復興への道筋を含む一括または複数の決議案を検討していることを示した。石油収入が制裁下では国連に管理されていることについては、制裁が解除された段階で国連と切離し、イラク国民の利益(公務員の給与支払い、行政機構の運営など復興に充てる仕組みづくり)を原則に、早急に整える必要があるとした。そのうえで、収入の規模については、「順調に回復すれば、一日当たり、5,000万〜6,000万ドル」との見通しを示した。また、制裁下での「石油・食糧交換計画」に代わる新たな人道支援の枠組みを、同計画の定例の更新期限となる6月初旬を目処に、導入したい考えも示した。(2003年4月18日)
●米国務次官、イラク債務;大幅軽減を ラーソン米国務次官は、イラクの対外債務について、「非常に大規模な軽減措置が必要だ」と述べ、日本を含む各債権国が債務削減や返済繰り延べに応じるよう求めた。イラクの対外債務は政府、民間合わせて約1,300億ドルといわれる。米政府は各国に債務軽減を促し、復興事業を円滑に進めたい考え。これに対して、債権国側は返済繰り延べにとどめたい意向である。
●イラク南部の鉄道が再開 イラク南部の二大都市を結ぶ鉄道が運転を再開した。港湾都市ウンムカスルとバスラを結ぶ一部区間で英軍が管理する。一週間後を目処に、ウンムカスル港から食糧や飲料水などの人道物資を陸揚げし、バスラの支援を本格化させる。(2003年4月20日)
●バグダッド南部の発電所を暫定稼働 バグダッド南部の発電所が暫定稼働を再開した。しかし一部地域の電気をまかなえるだけで、完全復旧のためには、北部のキルクークからモスルへの天然ガス供給を再開させる必要がある。それによって、モスルの発電所が全面稼働すれば、首都への送電が可能となる。(2003年4月20日)
●バグダッド南部の発電所が運転再開 バグダッド南部のドーラ発電所が蒸気タービンの点検を終え、運転を再開した。イラク最大のムサイブ発電所との連携も可能となる。しかし市内の送電線は空爆などの被害を受けており、全域が復旧するには時間がかかる。またドーラ製油所は日量4万バレル分の処理を再開、稼働率は開戦前の半分程度という。一方、開戦後初めて、南部の油田で原油生産が始まった。(2003年4月24日)
●キルクーク油田が再開 イラクの主要油田のひとつ、キルクーク油田の原油生産が再開された。生産量は日量3〜4万バレル。生産量は開戦前の4%にとどまっている。米軍は数週間で戦前水準に戻るとの見方を示している。(2003年4月30日)
●米、インフラ整備続々発注 べクテルはイラク南部のウンムカスル港の港内浚渫作業に着手。その他にすでに発注数は8件となっている。米国際開発庁は事業の元請けを米企業に限るとした原則を維持しつつ、下請けについてはイラクの現地企業や第三国企業にも認める方針。また国連の対イラク制裁が解除されれば、イラクの石油収入を活用した、より大型の事業も動きだす見通し。米英などが国連安保理に提出したイラク制裁解除決議は、イラクの石油収入を預かる基金を新設、米英がその支出権を事実上握る。
●日本政府、イラク向け貿易保険一部再開 経済産業省はイラク復興を支援するため、現在停止している同国向け貿易保険を一部再開する方針を決めた。国連や米国政府などが発注した復興関連の輸出案件に限って、2年以内の短期貿易保険の適用を認める。未回収債権問題が解決するまでは再開しないとしていたが、イラク復興を後押しする観点から国際機関や第三国が実施する復興事業向けであれば、引き受けを再開しても問題がないと判断した。具体的には、国連や米ORHAなどが発注する復興事業向けに日本企業が物資などを納入する場合に、短期貿易保険の適用を認める。イラクの港湾が紛争や内乱で封鎖され、貨物が到着しなかった場合などの損害を保険で補填する。イラクの暫定政権発足後は、日本政府の無償資金協力を通じ、同政権が日本企業から食糧や医薬品などの人道支援物資を購入する場合も、貿易保険の適用を認める。(2003年5月16日)
●日本政府、イラク制裁措置を解除了解 日本政府は閣議で対イラク経済措置の解除を了解した。解除が決まったのはイラクへの送金、投融資、輸出入の禁止措置。この結果、イラクの現地社員に対する未払い給料の支払いや、人道支援などに充てる政府開発援助(ODA)の無償資金協力も可能とする。しかし例外措置として、旧イラク政府が日本の金融機関にもつ預金などの資産は引き続き凍結する。これら資産は「イラク開発基金」に繰り入れ、復興資金の原資に充てることがきまっている。(2003年5月30日)
●中国の「四川長虹電器」、イラク輸出加速 中国の大手電機メーカー、「四川長虹電器」はイラクへの輸出を加速させている。このほどデジタル衛星放送の受信機100万台を出荷したのに続き、新たにカラーテレビとエアコンを合計2万台輸出することが決まった。イラクでは1ヵ月程度で完売を目指す。 (参照:「中国企業はイラク進出を控えよ 駐イラク大使提言」、中国「人民網」HP、2003年6月4日付)
●ウンムカスル港、業務本格再開 米国際開発庁(USAID)はイラク南部の商業港であるウンムカスル港の業務が本格的に再開したことを発表した。米国際開発庁は同港の運営事業を米大手港湾サービス会社、「スティーブドリング・サービシズ・オブ・アメリカ」(SSA)に、港湾の浚渫を米総合建設大手のべクテルに委託していた。(2003年6月17日)
●三菱商事、イラク原油を輸入へ 三菱商事はイラク産原油を日本に輸入する長期購入契約を結ぶ見通しとなった。イラク国営石油公社の当局者がロイター通信などに明らかにした。契約期間は2003年8月1日から12月31日まで。輸入量は100万〜200万バレルとみられる。イラク産原油の日本への商業輸入が再開されれば、イラクのクェート侵攻以来、13年ぶりとなる。イラク国営石油公社はその他に、英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルや英BP、米シェブロンテキサコなどの国際石油資本や、中国企業とも同様の契約を結んだという。(2003年7月28日)
●イラク原油の生産量が日量100万バレルを突破 国際エネルギー機関(IEA)が9月10日発表した石油月報によると、イラクの8月の原油生産量は日量104万5,000バレルと、前月に比べ39万バレル増加した。100万バレルを上回るのは、イラク戦争が始まった2003年3月(143万バレル)以来。4月は16万バレル、5月は28万バレルにとどまっていたが、順調に回復した。北部はパイプライン爆破などの影響を受けているものの、南部バスラの平均輸出量は日量64万5,000バレルに達した。(2003年9月10)
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●住商・NEC、イラクの携帯電話設備を受注 住友商事とNECは中東・アフリカ最大の携帯電話会社、「オラスコム・テレコム」が年内に始めるイラク国内の携帯電話事業に使う通信設備の一部を受注した。同社から基地局を受託した米「モトローラ」の下請けとなる。イラクの戦後復興を支援するインフラ整備ビジネスで日本企業が受注したのは初めて。イラク向け貿易保険の戦争後第1号となる可能性が高い。これまでイラク復興事業は米国が主導し、多くの案件を米国企業が受注。日本勢は後れを取っていた。住商はエジプトのオラスコムとの取引に強く、これを生かして食い込んだ。オラスコムのナギブ・サウィリス会長兼最高経営責任者(CEO)は「機器の納入で日本企業がイラクでの事業に参加することを歓迎する」と語り、住商とNECへの設備発注を認めた。
住商とNECが受注したのは携帯電話の基地局間通信に必要なマイクロ波伝送設備。連合国暫定当局(CPA)が国内を三分割して免許を与えた携帯電話事業のうち、バクダットを含む中部地区でオラスコムが年内に始める事業に使う。オラスコムは交換機を仏アルカテル、基地局をモトローラに発注した。イラクの固定電話網は戦争で大打撃を被った。携帯の電話網構築コストは固定電話の数分の一とされ、復興は携帯中心に進む見通し。ーー(「日本経済新聞」、2003年11月2日)
●米発注のイラク復興事業、競争入札方式に 米政府は11月19日、国内外から不公正との批判が高まっているイラク復興事業の発注先選定について、「競争入札方式」を近く導入すると発表した。米政府のカネを使った事業の入札には米企業だけにしか参加を認めなかったが、今後は外国企業にも門戸を開く。イラクを統治する「連合国暫定当局」(CPA)が同日ワシントン郊外で開いた企業向け説明会で明らかにした。CPAが12月5日に新たに発注するイラク復興事業を公表。競争入札を経て、2004年2月3日に受注先を決定する。関連するプロジェクトは2,000件以上にのぼるという。ーー(「日本経済新聞」、2003年11月20日・夕刊)
●日米欧など15カ国、イラン向け貿易保険再開 日米欧など15カ国はイラク向けの貿易保険を再開することで合意した。同国向けの貿易保険は1990年の湾岸戦争から事実上停止しており、再開は13年ぶり。輸出代金などを補償する貿易保険をテコにイラクの貿易を活発にして、復興を支援する狙いがある。ただ相次ぐテロで復興は停滞しており、貿易の本格化には時間がかかるとみられる。貿易保険を再開するのは日米のほか、独、イタリア、スペイン、ポーランド、スイス、オーストリア、デンマーク、ベルギー、ルクセンブルク、スウェーデン、オランダ、チェコ、オーストラリア。15カ国とイラク政府は12月5日中に調印を終えて正式発表する見込み。発表後直ちに保険契約を受け付ける。
日本などは5月、イラク復興に取り組んでいる国連機関などが発注する輸出案件に限って貿易保険を再開したが、今回の合意でイラク政府の発注も対象となる。イラクは当面、石油収入を元にしたイラク開発基金から代金を支払い、新設したイラク貿易銀行が決済する。日本などは今後、イラクの民間企業の発注まで保険の対象を広げることを検討する。イラクは湾岸戦争から対外債務の返済を怠り、貿易保険再開の障害になっていた。しかし7月の主要債権国会議(パリクラブ)が返済の当面凍結を決めたことで、各国は「貿易保険を再開する環境が整った」と判断した。−−(「日本経済新聞」、2003年12月5日)
http://www.iijnet.or.jp/IHCC/newasia07-perusha01-01-iraku-map01-joho01.html