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短期市場(終了):金先は株高でも下げ渋り、春委員発言は時間軸強化 (ブルームバーグ)
http://news.www.infoseek.co.jp/business/story.html?q=04bloombergec992828&cat=10
12月4日(ブルームバーグ):東京金融先物取引所(TIFFE)のユーロ円金利先物相場は下げ渋った。経済指標の改善による景気回復期待から株式相場は上昇したものの、日銀の春英彦審議委員から量的緩和解除に慎重な発言を繰り返したためだ。審議委員のなかで中道的とも言われる同委員の発言で、日銀の時間軸効果の修復・強化の姿勢があらためて示された。
春審議委員は4日午後、松山市内で会見し、量的緩和解除のタイミングについて「(遅過ぎるリスクより)早過ぎるリスクを重く考えるのが大事」と発言。さらに「相当の期間、量的緩和を継続する日銀の強い意思をマーケットに十分知ってもらうことが大事。消費者物価のみならず、資産デフレがそのときどうなっているかも一つの判断材料」との考えを示した。
三井住友銀行市場営業部のトレーダーは、春審議委員の発言について、「意外感のある内容ではなく、他の委員と同様に緩和解除に慎重な日銀の姿勢を示したもの。ただ、こういった発言が積み重なってくると、経済指標の改善や株価の上昇にも金先は売り込みづらくなる」と指摘した。
中心限月2004年9月物は、朝方こそ0.010ポイント安の99.810と1週間ぶりの安値をつける場面も見られたが、日中は99.815で横ばい推移。期先の2004年12月物も同0.010ポイント安の99.710を付けたものの、結局は0.005ポイント高の99.725まで買い戻されている。
大手投資信託会社のファンドマネジャーは、春委員の発言は日銀の金融政策の姿勢がフォワードルッキング(先をみて動く)ではないことを強調したものと指摘。「春氏は政策について一方向に主張が目立つ委員ではないが、審議委員の主張が割れてくるなか、こういった中道にいる委員こそ鍵を握っている」として、春委員の発言は緩和継続に対する安心感を与えたという。
この日の日経平均株価は100円を超える上昇で1万400円を回復しており、足利銀の国有化以降、相場に底堅さが見られる。米ダウ平均が1年6カ月ぶりの1万ドルに迫るなど、米国市場で相次ぐ経済指標の改善に景気回復期待が高まっているのもあるが、国内でも製造業の設備投資が景気のけん引役として経済指標に表れてきている。
時間軸と金融健全化
景気の先行指標となる株式相場が上昇するなかで、債券相場は中期ゾーンでさえ売られやすくなっており、金先は期先限月から下げ圧力がかかりやすくなっている。中期ゾーンは銀行の収益にも大きく影響するだけに、日銀は揺らぎかかった量的緩和の時間軸効果を修復するのに必死だ。
一方、大手銀行の不良債権処理が峠を越えるなか、政府の政策は2005年4月のペイオフ全面解禁に向けた地方金融機関の健全化に進んでいる。春審議委員がデフレ克服に向けた課題として「不良債権処理推進などによる金融システムの健全化」を指摘しており、ペイオフ全面解禁が日銀にとって何らかの転換点になる可能性は高い。
年度末越えの供給オペ
日銀が午後に実施した全店手形買い入れ8000億円による資金供給オペ(期日6月22日)の入札では、1日に即日で実施された全店オペ(期日6月15日)に比べて、最低落札金利は0.002%上昇の0.005%、平均落札金利は0.001%低下の0.006%となった。市場参加者からは、年度末越えのオペ金利の低下は妥当な速度に戻ったと指摘された。ただ、平均落札金利は低下しており、オペ金利の低下傾向に変わりはないようだ。
前回1日に実施された全店オペは、足利銀行の国有化に対応したもので、最低落札金利が0.009%から0.003%に急低下したのは、即日実行で応札しづらかったためとの見方が一般的だ。実際、その即日オペでは予想外に落札してしまった金融機関が慌てて担保の調達に動いたとの指摘もある。
短国買い切りオペ
午前に通知された短期国債買い切りオペ6000億円の入札には応札額が2兆1492億円集まっており、応札倍率は3.58倍と前週2回目のオペ(3.33倍)を上回った。ただ、最低落札利回り格差は0.001%低下の0%となっており、処分売りする動きは出なかったようだ。
今回のオペでは、割引短期国債(TB)1年物や5日に入札を控えたTB6カ月物が応札された公算がある。一方、前日に入札された政府短期証券(FB)3カ月物は投資家への販売が順調なもようで、需給は良好。2週連続で2回に拡大されていた買い切りオペは、今週は1回にとどまりそうだ。
[ 2003年12月4日16時33分 ]