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<東証上場企業>本業回復で増益確保 9月中間決算
東証1部上場企業の9月中間決算が3日までにほぼ出そろった。03年3月期決算は人件費削減や事業再編などのリストラの成果で業績が大幅に回復していたが、今中間期はリストラ頼みから脱却。販売好調なデジタル家電やパソコンの需要回復、米国や中国向けの輸出の拡大など、新たな需要や市場を開拓して増益を維持する企業が続出した。下半期も勢いを持続する見通しだが、不安定な為替相場が波乱要因。円高がさらに進めば、下方修正される可能性もある。【三島健二、谷川貴史】
◇「デジタル家電」絶好調
本業の復調ぶりが目立った代表業種が電機だ。薄型テレビ、DVD(デジタル多用途ディスク)、デジタルカメラのデジタル家電「新三種の神器」の市場が急拡大し、利益水準を押し上げた。
特に好調だったのが、液晶テレビに強みを持つシャープ。売上高、最終利益とも中間期として過去最高を記録し、佐治寛副社長は決算発表の席上で「事業の選択と集中がうまくいった」と胸を張った。NECはカメラ付き携帯電話、松下電器産業はDVDが絶好調で、本業のもうけを示す営業利益が急増した。
デジタル家電に加え、パソコン需要が回復し、電機大手各社は設備投資を相次いで上積みした。その恩恵は電子部品メーカーや、半導体製造装置・同試験装置のメーカーなど、周辺産業にも広がっている。
◇ドル箱の米国、中国市場
トヨタ自動車、日産自動車、ホンダの3社だけで1兆5000億円近い営業利益を稼いだ自動車業界。ドル箱となったのは、高級車主体に販売が好調な米国市場だ。7〜9月の新車販売台数が世界2位に浮上したトヨタ自動車の鈴木武常務は「目標としていた北米200万台の販売は今期達成する」と言い切った。
中国市場の需要拡大の恩恵で業績を伸ばす企業も続出した。新日鉄など鉄鋼大手4社は中国向けの鋼材輸出が絶好調で、期間のもうけを示す経常利益は4社合計で2078億円と、前年同期の3倍に達した。また海運も中国を軸とする荷動きが世界規模で活発化し、運賃が急騰する「史上まれにみる良い事業環境」(小沢幸夫・日本郵船専務)に恵まれ、大手3社の売上高、最終利益が過去最高を更新した。
◇懸念される円高
急激な円高で足元をすくわれる企業も相次いだ。航空・宇宙など海外相手の長期大型事業を多く抱える三菱重工業は、139億円の為替差損が発生し、経常損益が94億円の赤字に転落した。「円高の進行が早過ぎた。下期も非常に心配している」(槙田元生常務)。またドル建て資産を多く抱える任天堂も403億円の為替差損が発生し、62年の上場以来初の最終赤字となった。
業績好調な電機、自動車などの輸出関連産業は、下半期の想定為替レートを上半期に比べ5〜10円程度円高方向に修正し、1ドル=105〜110円としている。現時点では、円高に伴なう利益の目減りは販売数量の増加で吸収できる、とする企業が多いが、想定以上の水準まで円高が急ピッチで進む場合は、収益悪化は避けられそうもない。
<主要業種別の経常利益増減率>
03年9月中間 04年3月期(予)
繊維製品 67.7 51.0
パルプ・紙 72.5 44.1
化学 6.5 13.1
鉄鋼 191.1 82.8
医薬品 1.2 0.8
ゴム製品 ▼1.4 ▼2.2
機械 68.2 30.9
電機 45.7 52.0
輸送用機器 9.7 10.4
製造業計 22.0 21.7
建設 281.9 33.0
電気・ガス▼19.8 4.4
情報・通信 7.8 5.3
卸売 26.8 74.0
小売 5.8 11.4
非製造業計 3.4 10.9
全産業計 12.5 16.8
(注)前年同期比増減率・%。▼は減。(毎日新聞)
[12月4日0時3分更新]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20031204-00000135-mai-bus_all