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今週の日本債券:続伸、景気への楽観的な見方が後退-株安観測も支え (ブルームバーグ)
http://news.www.infoseek.co.jp/business/story.html?q=01bloombergto6956372&cat=10
12月1日(ブルームバーグ):今週の債券相場は続伸(利回りは低下)するとの見方が多い。今後の景気回復に対する楽観的な見方が後退しつつあるなか、2日の10年国債の入札をこなして金利低下余地を探る展開が見込まれる。大手地方銀行への公的資金投入にあたって、株主責任を問う破たん処理が決まったことから、株式相場の先安観測が広がっていることも債券には追い風となる。
10年債利回りは前週末に低下した。24日には米国で景気回復期待を反映して株価が大きく上昇しており、3連休明けには日経平均株価の1万円台回復が警戒された。その後も、米国の7-9月期成長率が上方修正されるなど、日米の景況感改善が意識されたが、週末発表の国内経済統計で過度な景気期待が和らぐと一時は1.27%まで低下。5年債利回りも0.5%台半ばでの推移となった。
鉱工業生産指数が市場予想を下回ったことなどを受け、前週末には金利低下が加速した。市場では、「景気や企業業績の回復に対する期待は相当織り込まれており、今後はその反動が 出やすい」(トヨタアセットマネジメント調査部・浜崎優シニアアナリスト)とみられており、2日に入札される10年債の表面利率(クーポン)が下がっても、需給悪化には至らないとの見方が一般的だ。 先物相場の先高見通しも広がっている。12月物は前週末に一時は138円81銭をつけ、中心限月となって以降の最高値を更新しており、外部環境の好転と相まって11日の最終取引日に向けて買い戻し圧力が強まる可能性が高い。
あしぎんフィナンシャルグループの中核、足利銀行の破たん処理において、公的資金の注入方法が株主責任を問う一時国有化となったことの影響を見極める必要もある。今年5月のりそな銀行に対する公的資金再投入にあたり、株主責任が問われなかったことがその後の株高の 一因とされただけに、今回の措置を受けて「いずれ日経平均が直近安値の9600円台をうかがうようだと債券には好材料となる」(みずほコーポレート銀行資金証券部・池村幸雄次長)と言う。 また、「日銀は年末に向けて一層潤沢な資金を供給してくるとみられ、短期ゾーン の低位安定が相場の支えとなりそうだ」(岡三証券証券情報部・坂東明継シニアストラテジスト)との指摘もある。
一方、前週末に金利が予想以上に低下したことへの警戒感もある。10年債の入札でクーポンは0.2ポイント引き下げの1.3%が有力視されており、「12月の四半期決算が視野に入ってくる可能性もあるなか、入札が過熱すればその後の反動売りに警戒が必要」(日本投信委託・山田聡運用第二部長)となる。 また、週末にかけて発表される米雇用統計などで、引き続き景気の改善傾向が示されるといった見方も根強い。下期入り以降の10年債利回りを見ても、投資家の戻り売りで1.2%台後半では何度も跳ね返されているだけに、緩やかな景気回復期待をキーワードに株価が下げ渋る展開となれば、債券買いの勢いも盛り上がらないとみられる。
11月28日の午後5時までに集計した市場関係者の予想レンジ。先物は12月物、10年長期 国債は255回(11月債)。
◎大和住銀投信投資顧問債券運用部・伊藤一弥ファンドマネジャー
138円20銭-139円30銭 10年債利回り=1.33%-1.20%
「続伸。市場の景況感に変化が出始めたことや、12月は需給動向が大幅に好転する点が材料視され、先週末の好地合いが持続する可能性が高い。全国の消費者物価がプラスに転じても悪影響が及ばないなど、市場に時間軸効果が浸透しているため、中期ゾーンの金利低下を起点に長期債にも買い余地が広がる。10年債の1.3%割れでの利益確定売りがどのくらい残るのか見極めたい」
◎トヨタアセットマネジメント調査部・浜崎優シニアアナリスト
138円00銭-139円50銭 10年債利回り=1.35%-1.20%
「堅調。先週末に発表された指標であらためて示されたように、これまでの景気や業績の回復に対する期待は相当織り込まれており、今後はその反動が出やすい。2002年1月を底に景気は拡大しているが、過去の循環のパターンを踏まえると来年度の半ばにピークを迎える。市場は半年先を織り込んでいるため、徐々にそういった景気変調の兆しで、債券が買われる局面が出てきそう」
◎UFJつばさ証券・山下周シニアストラテジスト
138円30銭-139円30銭 10年債利回り=1.32%-1.22%
「金利低下の余地を探る。10年債の入札では利回り曲線上の割安感は乏しいが、償還が3カ月延びることで新発ニーズが期待でき、12月の需給好転と相まって無難な結果が見込まれる。限月交代を控えて先物も強い。米国ではISM指数や雇用統計など重要指標が発表されるが、米株相場は景気回復を織り込んできたため、雇用者数が大幅に増えるようなことがなければ一段高は困難だ」
◎日本投信委託・山田聡運用第二部長
138円00銭-139円20銭 10年債利回り=1.35%-1.22%
「堅調。10年債の1.3%割れは積極的に買えないとしても、中期ゾーンがしっかりしてきたことで入札も波乱なくこなすとみる。地方銀行の破たん処理にあたって株主責任が問われることは、株式相場にとってネガティブ、債券相場には下支え要因として意識されよう。ただ、12月の四半期決算が視野に入ってくる可能性もあるなか、入札が過熱すればその後の反動売りに警戒が必要」
◎あおぞら銀行金融市場部市場証券課・井上正則調査役
137円80銭-139円00銭 10年債利回り= 1.35%-1.25%
「上下に振れの大きい展開。10年債の入札は1.3%付近では需要が集まりづらく、週初は調整が入りそうだ。同日の国債投資家懇談会で来年度の発行計画が打診されるとみられ、増発に対する不安もある。一方、足利銀行に対する政府の対応次第では株式相場が大幅に下落するリスクがあり、その際には日銀による何らかの対応も期待される。思惑から中期債が買い進まれる公算もある」
◎岡三証券証券情報部・坂東明継シニアストラテジスト
137円50銭-139円00銭 10年債利回り=1.40%―1.25%
「10年債入札がポイント。入札を控えているだけに、先週末の相場上昇は投資家にとって歓迎されないものだった。相場水準が高いので新発10年債にどの程度の買いが入るか不透明で、やや慎重なムードが強まりそうだ。一方、一部地銀に対する公的資金の注入観測で、日銀は年末に向けて一層潤沢な資金を供給してくるとみられ、短期ゾーンの低位安定が相場の支えとなりそうだ」
[ 2003年12月1日7時49分 ]