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(回答先: 足利銀の譲渡先候補に東京三菱銀や外資系ファンド浮上 【asahi.com記事、小泉ポチ犬売国奴は超破格大安売りするか?】 投稿者 クエスチョン 日時 2003 年 11 月 30 日 05:16:40)
厳格検査 激しい攻防 足利銀行 一時国有化
政府は29日夜、金融危機対策会議(議長・小泉首相)を開き、足利銀行の一時国有化(特別危機管理)を決めた。9月から立ち入り検査に入った金融庁が足利銀行に迫ったのは、都市銀行並みの不良債権処理と繰り述べ税金資産の圧縮だったが、これを巡って総資産五兆円に上る有力地銀と金融庁の間で三ヶ月にわたる激しい攻防が展開された。(経済部 川戸直志、宇都宮支局 田中左千夫)
金融庁 都銀並みの処理迫る 足銀 異議申し立て応戦
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■最後通告
「今まで五年間分を認められていたものを全額否認され、非常に怒りを持っている」
29日夜、宇都宮市の足銀本店で記者会見した日向野善明頭取は、無念の表情を浮かべた。
足銀は9月中間決算で1208億円の繰り延べ税金資産の計上を予定していた。繰り延べは五年分だったが、27日午前中に突然、中央青山監査法人が「認められない」と、全額の取り崩しを求めてきた。
この日は金融庁から午後に検査結果の通知を受ける予定だった。驚いた日向野頭取らが急ぎ新幹線で上京し、同夜、霞ヶ関ビルで監査法人と約一時間半にわたって協議したが、監査法人は「審査会の結果だ」と応じなかった。
日向野頭取らは、一転して足銀に厳格になった監査法人に、衝撃を受けた、検査結果の通知までは、公認会計士は「検査が厳しすぎる」という足銀の主張に理解を見せていた。
ところが、通知後、金融庁のT無言の圧力Uの中で監査法人は、不良債権処理で納めた税金が将来戻ってくるとみなして繰り延べ税金資産を、9月中間決算で大幅に減額するべきだと迫った。
「銀行が検査時点でもっと抵抗すれば良かった。検査結果を受け入れてしまった以上、やむを得ない」。28日夜、中央青山監査法人の幹部はこう言って、監査法人も所管する金融庁への配慮を強くにじませた。
足銀の税金資産は3月末で1387億円。資本金など中核的自己資本の約1・8倍と銀行界でも突出しており、全額取り崩せば、足銀が9月末も債務超過に陥ることは必至で、監査法人の指摘は「死刑宣告」と同じだった。
■二重基準
金融庁は9月2日、足銀の2003年3月期決算を検証するため、持ち株会社あしぎんフィナンシャルグループと足銀に総勢17人の検査版を送り込んだ。そこで、金融庁は「都銀並みの厳しい基準で引当しろ」と大幅な引き当て追加を迫った。
背景には、ペイオフ(破綻した金融機関の預金払い戻し保証額を元本1000万円とその利息に限る措置)の完全凍結解除を2005年4月に控え、足銀を経営体力の弱い地域金融機関建て直しモデルケースにしたいとの思惑があった。
「本業でどれだけもけているかなどのキャッシュフロー(現金収支)をみるべきだ。資産と負債の関係だけをみたら、どの企業も軒並みアウトになる」
足銀は検査に徹底抗戦した。立ち入り検査終了後も、検査通知までに多数の異議申し立てを行い、行政訴訟までほのめかしたが、その主張は最後まで受け入れられなかった。
■倫理崩壊
金融庁も足銀の処理方法を巡って苦慮していた。
2月末が債務超過でも、その後の株高で株の含み益が出ており、「検査結果を反映させて、9月末が債務中華になったとしても、本当にわずか水面下にもぐるだけ。逆にわずかに水面上に顔を出す可能性もあった」(足銀幹部)からだ。
足銀が債務超過でなければ公的資金注入で資本増強する「一号措置」になる。だが、5月に決定したりそなグループへの公的資金注入で株主責任を厳しく問わなかったため、「市場の倫理崩壊(モラルハザード)を招いた」との批判を浴びた。足銀でも同じ「倫理崩壊」が繰り返されるのは目に見えているた。
金融庁のジレンマを見透かすように、足銀への公的資金注入を巡る観測報道などを材料に、あしぎんFG株の投機的な売買が加速、「倫理崩壊」を懸念する声が日増しに強まった。
11月21日に、3月末の検査結果が「債務超過」でほぼ固まった段階で、金融庁には、一時国有化を含む厳格措置しか残された選択肢はなかった。
2003/11/30 読売新聞朝刊