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(回答先: Re: 襲うならば公務員、裁判官、弁護士などの寄生者 投稿者 死亡遊戯 日時 2003 年 11 月 25 日 23:25:26)
◆ヤミ金融 読売新聞社会部著
過酷な手口 丹念に取材
長引く不況下、貸し渋り・貸し剥(は)がしにあえぐ中小企業の経営者はもちろん、多重債務で自己破産した人にまで融資を持ちかけ、法外な高利ですべてをむしりとるヤミ金融業者たち。債務者の人生を破壊し、ときに自殺や心中に追い込む彼らの苛酷(かこく)な手口を、本書は丹念な取材にもとづき具体的に紹介している。さながら平成残酷物語。相つぐ腐敗や残虐犯罪にうんざりしている読者の気持ちをいっそう滅入らせるのに十分な1冊だ。
高利貸の歴史は長く、非人間的な取り立てや被害者の悲劇は、必ずしも目新しいものではない。ならば何故気が滅入るのか。それはこの本があぶり出した事実、「目玉くりぬくぞ」「死んで保険金で払え」と罵(ののし)る取り立てが、罪の意識どころか楽しげに行われているという事実のせいかもしれない。ヤミ金融の元従業員は、「いかに少ない金額でどれだけたくさんの金を搾り取るか、ゲーム感覚で楽しんでやった」と振り返り、暴力団傘下の20代の店長は「周りが楽しんでやっているから、最初は罪悪感があっても消えていく」と語ったという。債務者に罵声(ばせい)と恫喝(どうかつ)を浴びせながら暴利の金を取り立てる。そんなイジメゲームを楽しむ感性が、現場の士気を高めているようなのである。
楽しく明るいのはヤミ金融の取り立て側ばかりではない。「まるで銀行口座から自分の金を引き出すような感覚で」借金を重ねた結果、安直に自己破産してしまう若者たちのあっけらかんとした生き方や、消費者金融のさわやかなテレビCMと営業スマイルにも…。高利金融をめぐる世界が“歪(ゆが)んだ明るさ”で彩られていることを、本書はあらためて教えてくれる。各種の個人情報を売買してヤミ金融の営業を支えている「名簿屋」や、多重債務者をより効率的に大量に自己破産させることで収益を飛躍的に伸ばしている法律事務所なども、この彩りと無縁とは言えないだろう。高利金融の取材を通して、記者たちは今の日本に巣食う心と社会の歪みを照らし出した。
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