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米証券会社JPモルガン・チェースのアジア太平洋地区チーフエコノミストが、このほど中国経済に関する考えを発表した。
現在、一部の国家が中国政府に人民元切り上げと為替相場の自由化を求めているが、これは危険な要求であると言わざるを得ない。実現すれば中国だけでなく、アジアの国々にもにダメージを与え、グローバル経済のけん引役を果たす中国が、成長軌道を踏み外してしまうことになる。
中国の国内需要はまだ十分に伸びておらず、消費者物価成長率も年間1%に満たない。デフレの可能性もある。ここで人民元を切り上げれば、輸入製品価格が低下してデフレ圧力が一層強まることになる。中国製品の輸出にもダメージを与え、輸出の伸びが鈍化するだけでなく、雇用市場にも深刻な影響をもたらし、さらなる失業者を生み出すことになる。毎年1千万人の就業機会を創出して労働市場の安定を図っている中国にとって、新たな失業者の出現は大きな打撃となるだろう。
銀行システムも影響を受ける。輸出が打撃を受けた場合、銀行は企業へさらなる貸付を行う必要に迫られ、銀行改革の歩調が鈍ることになる。
経済問題に関する「愚かな考え」はしばしば政治的要因から導き出される。人民元切り上げの主張はまさにこういった「愚かな考え」だ。人民元レートの問題は以前から存在するが、最近になって米国で注目を集めるようになったのは、1990年代末のハイテクバブル崩壊前と現在とで米国が大きく変わったことが主な原因である。現在の米国企業の利益水準は以前に遠く及ばない。そこで中国製品が米国製品のシェアを奪い、そのため大量の失業者が生まれたといった、ある種荒唐無稽な説が登場し、人々は議員に問題の解決を迫るようになる。来年2004年に総選挙を控え、多くの政治家は喜んで有権者の声に耳を傾けるだろう。
米国のこれまでの経済的余剰が現在の経済に不可避的に影響を与えているが、政治家は手をこまねいているだけで無策である。彼らにできるのは、より多くの票を獲得するために攻撃のターゲットを探すこと。ターゲットは国外にある方が望ましい。人民元レートの問題が急浮上した原因には、こうした背景が考えられる。(編集KS)
「人民網日本語版」2003年11月24日
http://j.people.ne.jp/2003/11/24/jp20031124_34326.html