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【北京=東一真】中国政府は、中国銀行など4大国有商業銀行の不良債権を処理するため、資本注入などの抜本的な救済策をとる方針を固めた。4大銀行の不良債権問題の解決は、人民元の自由化を控えて緊急課題になっており、中国政府も解決に本腰を入れる。
中国銀行業監督管理委員会(金融庁に相当)の唐双寧副主席はこのほど、「直接的か間接的な方法で、銀行に資本注入を行い、資本金水準を引き上げる」と述べ、4大銀行への資本注入を行う方針を示した。
また、人民銀行(中央銀行)の周小川総裁は17日、国営新華社通信を通じて談話を発表し、「国有商業銀行の改革は、中国経済の発展のための差し迫った必要事項であり、中国の国際競争力を高めるための道である」と強調した。
4大銀行は、中国銀行、中国工商銀行、中国建設銀行、中国農業銀行の4行で、国内の全金融機関の預金量の65%、融資の56%を占める。ところが、9月末の不良債権額は計1兆9880億元(約27兆8000億円)、不良債権比率は21・4%にも達する。
世界貿易機関(WTO)加盟時の約束で、中国は2006年12月までに人民元取り扱い業務を海外金融機関に完全開放しなければならない。それまでに不良債権処理のメドをつけなければ、体力のある海外勢に国内企業との取引を根こそぎ奪われる可能性もある。
さらに、為替レートを事実上、ドルに固定している人民元の切り上げを求める圧力が海外から強まっており、為替相場の変動から国内産業を守るためにも、金融システムの安定が欠かせなくなっている。
4行の不良債権は、計画経済から市場経済へ移行する際に発生した。従来は、国有企業は損失が出れば国から補助金を受けていたのを、改革の一環として銀行借り入れに切り替えさせた。しかし、国有銀行から国有企業への融資のため、「補助金と同じ」との意識が強く、返済期限も明記されない融資が繰り返され、不良債権が膨らんだ。
中国政府は、1998年にも4行に総額2700億元(約3兆8000億円)の資本注入を実施した。翌1999年には4行それぞれに対応した資産管理会社を設立し、簿価で計1兆4000億元(約19兆6000億円)相当の不良債権を資産管理会社に移管した。
今後、3回目の救済策が行われる場合、「10兆円規模の思いきった規模で、問題を終息させる必要がある」(日系金融筋)と見られ、「歴史的な荷物」の処理が、財政赤字を抱える政府に重くのしかかっている。
(2003/11/20/23:00 読売新聞 無断転載禁止)
http://www.yomiuri.co.jp/business/news/20031120ib22.htm