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消えゆく企業内診療所
http://www.janjan.jp/business/0311/0311038254/1.php
2003/11/05
勤務中に気分が悪くなった。思わぬ怪我をした・・・・・・。そんなとき頼りになる企業内診療所が減少している。
企業内診療所は保養所とともに、保有していることが一流企業のステータスシンボルだった。社員の心と体を守る診療所は、健康診断と診療が二本の柱である。健康診断は病気の早期発見を主として、特に社内に感染が拡がることを防ぐのが目的。最近は生活習慣病対策にも力が入れられてきた。
問診、身体計測、視力検査、聴力検査、胸部X線検査、胃部を中心の上部消化管検査、便潜血検査、心電図検査、血液検査、尿検査など。検査機器装置は内視鏡・超音波・CR・ヘリカルCT・MRIと充実している。診療機能については内科・整形外科・耳鼻咽喉科・眼科・歯科・神経科・放射線室そして休養室を備えて、手術室こそないが大病院並みの設備だ。
高度経済成長時、多くの企業は診療所を部課とした。その後、医療機器と医療専門職を充実させて、社員が安心して働ける環境を整えた。退職者にも任意継続と特別退職者制度として開放している。
企業は日本の長年の慣行だった終身雇用・年功序列・生涯賃金を見直した。合併、統合、分社化も一段と加速している。年齢プラス出来高払いに給与体系を変更。雇用形態も契約社員にして1〜3年刻みの更新制とする。疑似家族集団から戦闘集団への脱皮だ。
変貌する企業に保養所や診療所等は過剰設備と認識される。既に金融、電機、建設、マスコミ業界などで縮小廃止の方向にある。バブル崩壊後十数年経った今は、企業の支援部門について方向転換が始まった。
街中の病院医院と企業内診療所そして自己責任が相互に補完され、社員の健康が保たれてきた。このバランスが微妙に変化することは、社員ひとりひとりが健康管理に自助努力を求められることを意味する。怠る社員は運不運に身を委ねることになる。
(三浦正一)