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日銀はアメリカという倒産しかけた会社に追い貸しをし続けている銀行のようなもの
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投稿者 TORA 日時 2003 年 11 月 06 日 14:46:33:CP1Vgnax47n1s

日銀はアメリカという倒産しかけた会社に
追い貸しをし続けている銀行のようなもの

2003年11月6日 木曜日

▼急速に財政が悪化した米国

2001年以降、米国が、軍事費と減税で財政赤字を拡大させます。

(1)財務省は、その外為会計を使って、米国債を買い取っている。日本の外為会計は、60兆円を超えた。

(2)更に、20兆円相当を買い増そうとしています。

(3)その資金は、日銀が「為券」と呼ばれる短期国債を買って、財務省口座に円を振り込んで供給している。伝票一枚での、かなり任意な行政の裁量での処理です。

世界の貯蓄マシン、資金供給マシンであった日本人の世帯が、急転し て、資金の源泉ではなくなったのが01年以降です。 代わりに日銀が、マネーの数字だけを任意に増やす。その裏付けは国 債の購入です。国債発行(利付きの約束手形)は、ほぼ財務省の裁量 です。

借り換え債も含め、借金分を含めれば、年141兆円(03年度)も 発行する。国債の証書は数字だけの紙ですから、感覚はマヒしているでしょう。 こうしたマネーを、金融の常識の普通のコトバでは「悪貨」と言います。悪貨は水割りの水です。水で薄めても、本源的マネーは増えない 。法で、マネーの形式は作ることができても、内容と価値は作ることができないのです。

▼流れが変わるには・・・

以下に示す3つのいずれかがないと、[国債発行→日銀の増加引き受 け]という負債数字の膨張ゲームは、止まりません。

(1)日本の世帯が、以前のように資金収支で40兆円以上の黒字に なる。40兆円は年間で1世帯平均では89万円の所得の増加か、消費のカットに相当します。その資金余剰を使って、資金を預かる金融 機関が国債を増加買い増しする。

(2)米国債を売って、日本が資金を回収する。

(3)米国の財政赤字が解消する。

上記(1)の可能性はあるでしょうか? 世帯平均で月8万円の家計 所得の増加か、8万円の消費カットです。どう考えてもムリです。では、(2)か(3)です。 (2)の60兆円の米国債を売ることができるかどうか。03年での上半期だけで13兆円も米国債を買い増した日本の財務省が売れば、 あるいは売り姿勢を見せれば、世界で500兆円相当は出回っているドル債は、一勢に売りあびせられるでしょう。 これが、ドル基軸体制の崩壊です。これは、米国が許さない。

■5.米国は、政府、企業、世帯の全部が資金不足になっている

米国の、03年の上期の現状はどうか? 

(1)家計部門 95年まで黒字だった家計部門は、03年は2500億ドル(27兆円)の資金赤字に転落しています。住宅ローンの好調、住宅金融を使 ったローン消費のためです。

(2)企業部門 4000億ドル(44兆円)規模の資金赤字だった企業部門は、03年では、1000億ドルの資金赤字に縮小しています。2000年の ITバブル崩壊以降、設備投資を抑えたためです。

(3)政府部門 資金赤字を縮小させた企業部門に代わって、減税と軍事費で5000 億ドル(55兆円)規模の赤字になり、これは、来年はもっと拡大し ます。7000億ドル(77兆円)を超えるかもしれない。

<もっと資金を>と叫んでいるのが米国経済です。しかし諸外国から の米国への資金環流は、ドル買いですから、ドルは上昇します。ところが、今の米政府の、ドル安の示唆は、米国から資金を逃がすド ル債売りです。ここに、米国の政策混乱があります。皆が、部分しか見ていないのです。

この政策の矛盾は、理解に苦しみます。 米政府に起こっているのはまさに「混乱」です。「ドルは強い。だか らドル安だ、円高だ、ユーロ高だ、元高だ」とは、意味を成さない論 理矛盾です。 「ドル債を買いドル債を売ってくれ」と言っているに等しい。 こうした、経済の原理に全く沿わない論理矛盾は、危険です。

■6.資金の大元は?

米国は赤字国債の発行分を海外から調達する。
貸し手の最大手が、日本の財務省です。

家計の貯蓄を使い尽くしたので、財務省のマネーの源は日銀の輪転機 です。いや今は、輪転機は回さない。(要は国債という)手形を受け 取った口座振りこみです。まさに手形です。担保は? 日本国です。 こういった「悪貨」となった水増し資金の、上澄みでの流れの構造が あります。沸騰するかどうかは、国際ホットマネーの動き次第です。 日本の財務省の狙い通り、日銀マネーの過剰流動性で、今「資源の表 層インフレ」に向かいつつあるようです。川の底流はデフレです。表 層がインフレであり同じ川で流れが逆です。

金利=期待インフレ率+リスクプレミム、です。

金利の上昇が間近でしょう。日銀の資産では、92兆円という手持ち 国債価格の5%の下落で、すでに、4兆円強の含み損が生じています。含み損とは、隠れた損失です。

▼金利上昇で、即刻起こること

国債を最も多額にもっている日銀の、債務超過です。 日銀の自己資本は下のB/Sで示すように(引当金2.8兆円+準備 金2.5兆円+資本金1億円)、合計でたった5.3兆円です。 自己資本比率は、総資産134兆円に対し、4%に過ぎない。BIS の恣意的な規制で言うなら、国際業務ができる8%の半分です。それ が、マネーの元締めです。

【日銀のB/S】

[資産の現在高:運用結果]  [負債の現在高:資金の源泉]
        ↓                  ↓                 
(資産)              (負債と資本)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
金地金    0.4兆円    発行銀行券  70.0兆円
現金      0.3      当座預金    34.6
買現先勘定  8.4      政府預金    4.1
買入手形  25.4      売現先勘定  16.2
国債     91.9      売出し手形   2.4
外国為替   4.3      その他      1.5 
その他    3.4      
                  引当金     2.8
                  資本金     0.0001
                  準備金     2.5
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
資産合計  134.1兆円   負債・資本合計134.1兆円
              (最新の03年10月7日時点)

あと1%金利が上がれば、92兆円の国債は、今より更に5%下落し 、更に4兆円の損失がプラスされ、合計8兆円の含み損で日銀は債務超過企業になります。 日銀が債務超過になる恐れがあれば、財務省が、対「りそな」のときのような「公的資金」を、数兆円は、日銀に向かって投入することに なっています。(お笑い)

その公的資金の元は、なんとこれもまた日銀の輪転機です。財務省は 、国債発行しか原資がない。落語のようなお笑い草の、仮想信用のやりとり構造です。 日銀も、資産内容で、道路4公団のようなものです。 普通の用語では、これをドレッシング、つまり粉飾と言うのですが・・・当局の神経は一体どこにあるのか? 粉飾は、経済の犯罪です。

まともな議論がないのが、気がかりです。 単純な予測通りに進み過ぎているのです。マネーの信用の元締めである中央銀行は、債務超過でもいいのでしょ うか? 選挙の雄叫びが全く虚しい。皆、部分しか見ていない。


金融のドレッシング合戦 吉田繁治さんからのメールより
http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/151106.htm

◆日銀が株式などの大量購入に踏み切ってはどうか 深尾光洋
http://www.yomiuri.co.jp/atmoney/special/51/ginkokabu005.htm

(前略) 結論を言えば、デフレの進行を止めて、景気を良くするしか根本的な解決方法はないと思う。そのためには、私が以前から主張しているように、日本銀行が物価上昇率の目標を設定して金融政策を運営すべきだ。向こう3年間の物価上昇率を5%プラスマイナス3%程度に設定し、政府と日銀が協力して政策を行うことが必要だ。

 日銀が株式などの大量購入に踏み切ってはどうか。具体的には、株価指数連動型の上場投資信託(ETF)や不動産投資信託(REIT)を毎月、合計5兆円程度、購入する。1年で約60兆円も購入すれば、上場株式の時価総額の4分の1程度に達するだけに、株価の下落に歯止めがかかり、デフレ懸念の払しょくにつながるはずだ。

 なぜなら、現在、預金と現金、国債に資金が集中するという「預金、現金、国債のバブル」が発生している。このため、資金が株式や土地などの実物資産に回らない。日銀が株式や不動産を大規模に買い入れ、3つのバブルをつぶす必要がある。そうすれば、株価や地価が反転すると同時に、デフレ懸念が払しょくされると期待できる。

 それでもデフレの進行にストップをかけられない場合は、どうするのか。

 その場合は、国債、預金、郵便貯金といった預金などの金融資産などに対して薄く広く課税する「マイナス金利」を導入したらどうか。2―3%の税金を課せば、お金は、課税される国債や預金などから株式、不動産、耐久消費財の購入などに向かうだろう。デフレ脱却には有効と考える。ただ、これはあくまでデフレの時にしか使えない「劇薬」である。
(聞き手 中川 賢)(2003年4月17日)


(私のコメント)
日本の国債の買いが預貯金や年金基金から日銀へシフトしてきている。そうしなければ金利が上昇して経済に悪影響を与えるからですが、この体制はいつまで続けられるだろうか。福井日銀総裁に代わってからアメリカ国債も大量に買い付けるようになりました。対米貿易黒字分の7兆円程度なら資金還流させるという理屈も成り立ちますが、今年だけで日銀は13兆円もドルを買い込んでいる。

その反面、日銀がETFやREITを買うという話はなかなか進まない。日銀が日本国債やアメリカ国債ばかり買いまくるのは何故か。日本国債は金利の上昇を防ぐためでもありますが、ドル買いをして米国債を買う義理立てがどこにあるのだろう。4月からの株の上昇は外人買いによる6兆円の買い越しによるものですが、そんな手の込んだ真似をせず日銀が直接6兆円株を買えば同程度の株の上昇があったということだ。

日銀はすでに国債を92兆円買いこんでいますが、同程度の株を買っていたほうが国債の暴落を株の評価益で十分埋め合わせることが出来るはずだ。大手銀行は国債の評価損を株の評価益で埋め合わせて大幅な黒字になった。福井日銀総裁が株の買い取りに消極的なのは不可解でならない。

アメリカの株式が9800ドル台まで上げてきているのも、日本からの資金供給があったからだ。アメリカ国債ぐらいアメリカの財務省が買えばいいじゃないかと思うのですが、アメリカは巨額の貿易赤字国だからそんなことをしたらドルが暴落してしまう。と言うわけで日本の財務省と日銀が買っているのだ。

最近のブッシュ大統領とスノー財務長官の言っている事は支離滅裂だ。日本が為替介入するのはけしからんと言いながら、ドルを買えと言っている。日本の財務省がすでに60兆円も買いこんでいますがさらに20兆円ドルを買うらしい。その金も日銀から伝票一枚で操作しているわけだから、日銀がアメリカ経済を一手に支えていることになる。

私が日銀に注文したいのは、そんなにアメリカばかり支えていないで、日本のデフレを何とかしてくれということだ。深尾光洋教授が指摘するように毎年60兆円規模で日本の株や土地を買い捲ればデフレは一気に解決する。6兆円の外人買いでこれだけ株が上がったのだから、実際にはさほどの規模は必要ないだろう。

日本の国債は借換え債を含めれば年間141兆円もの規模になります。日本の赤字国債は700兆円、アメリカへ行った資金も700兆円。これが帰ってこなければ日本国民がその穴埋めをすることになる。 しかし日銀はアメリカという倒産しかけた会社に追い貸しをし続けている。そのとばっちりを日本の経済が負っているのだ。

http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu57.htm

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