現在地 HOME > 掲示板 > 国家破産31 > 370.html ★阿修羅♪ |
|
小泉首相の対日投資倍増計画「達成危うい」―在日米商工会議所が警鐘 (ブルームバーグ)
http://news.www.infoseek.co.jp/business/story.html?q=29bloombergto403082&cat=10
10月29日(ブルームバーグ):在日米国商工会議所(ACCJ)は29日、小泉純一郎首相が掲げる対日直接投資残高を5年間で倍増させる計画について、現状のまま推移すれば目標の半分にも達しないとする研究報告を発表した。実証研究を担当した一橋大学の深尾京司教授は記者会見で、小泉首相が同目標を掲げたことは「高く評価できる」と指摘しつつも、全省庁が結束して対応していないことや小手先の政策にとどまっていることを挙げ、「首相の目標達成は危うい」と警鐘を鳴らした。
同教授は、国際収支ベースの対日直接投資額フローは今年上半期で、前年同期比で42%減少。02年7月から03年6月までの対日投資額フローは8300億円にとどまっている。このペースで今後5年間投資を受け入れた場合、投資累積額は4.15兆円と、目標の9.4兆円の半分にも満たないとしている。
具体的には、欧米企業の間では一般的となっている株式交換によるM&A(合併・買収)を外国企業と日本企業の間にも税制措置の変更を含めて認めることや、医療サービス、教育、公共事業などの参入障壁の撤廃、公的機関の大規模な民営化などを推進すべきだとしている。
2000年の対内直接投資残高の国内総生産(GDP)比は、米国が28%、英国が32%、ドイツが22.6%となっているのに対し、日本はわずか1.1%と低水準にとどまっている。
「「「誤解を解く
同報告書では、対日直接投資について日本国内に、1)日本が貯蓄過剰なので資本流入は必要ない、2)対日投資は技術流出を招く、3)対日投資の大部分はいわゆる「ハゲタカ」ファンド、4)直接投資は地方を潤さない--などの「誤解」があることを指摘し、同教授はこうした誤解を解く必要があると強調した。
深尾教授は、実証研究によると外資系製造業の生産性は日本企業に比べ10%高いほか、収益性も日本企業より高く、設備投資もより活発であることなどを挙げ、「経営資源の流出ではなく流入が起きている」と説明した。
そのうえで、日本経済に占める外資系企業のシェアが仮に、現在の1%強の状況から、先進国の平均である11%になった場合、設備投資が18.8兆円、国内総生産(GDP)が7.5兆円拡大する効果があるとしている。
「ハゲタカファンド」については、対日M&A投資の件数別では、そうしたファンドは5%に過ぎないとし、大部分は一般企業としている。また雇用についても、外資系企業は東京、神奈川などに主要拠点を構えているものの、支店展開などを通じて雇用の半分以上をそれ以外の地域で生み出していると述べた。
「「「時間は少ない
深尾教授はこうした状況のなか「グローバルな企業誘致競争において、日本は負けつつある」と指摘する一方で、日本が世界2位の市場規模であることや、成長を続ける東アジアに近接していることを挙げ、「投資が増加する大きな余地がある」と強調。ただ長期的には中国の一段の発展などが予想されるため、「残された時間は少ない」とも語った。
ACCJは同報告書を踏まえ、今後も政府や国会議員に対し、対日投資倍増の目標を達成できるように働き掛けていく。小泉首相は1月の施政方針演説で、対日投資残高を08年までに倍増させる方針を打ち出し、政府は、対日投資促進のための政策目標や実施期限などを明確化するため各省庁の局長クラスで構成する「対日直接投資促進チーム」を7月末に発足させている。
自民党が、11月9日投票の衆院選挙に当たってまとめた政権公約(マニフェスト)にも、「直接投資を5年間で倍増」の方針が明記されている。
東京 伊藤 辰雄 Tatsuo Ito
[ 2003年10月29日15時4分 ]