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中国銀行監督管理委員会(銀監会)は先ごろ「在中国外国銀行責任者会議」を開いた。こうした会議が開かれるのは、外銀が中国に進出して以降初めて。この中で、銀監会の高官は「外銀の中国での経営には、不良債権率が高い、専門準備金が不足している、外資法人機構へのリスクが相対的に際立っている、流動性需要の圧力が増大している、規則違反の経営が見られるなど一部で問題が生じている」と指摘した。
またEU(欧州連合)のリポートは「WTO(世界貿易機関)に加盟して以来、中国の金融業の対外開放は加速された。だが、外銀の中国市場でのシェアはむしろ下降傾向をたどり、WTO加盟前に比べると50%も下落した」と指摘。このリポートは内外の数多くの金融機関の関心を呼んだ。
外銀の融資額が国内の融資総額に占める比率は2001年には15%だったが、国内銀行との熾烈な競争から昨年は7.4%まで下落した。外銀の国内銀行業界の資産総額に占める比率も2%から1.1%に下降したほか、代表事務所も2001年の214から211に減少。こうしたマイナスの統計は、あたかも外銀が“鶏のあばら骨”を捨てて“美味な肉”を食しつつあることを物語っている。
この数年来、銀行業界の競争は益々激烈になりつつある。国内銀行はこうした圧力や影響を受けて金融改革や刷新のテンポを速めており、それが奏功し、とくに各種融資が急増した一方で、外銀の企業向け融資は逆に大幅に減少。ある外銀の責任者は「多くの中小規模の外銀は極めて低利な企業融資はできず、この業務を縮小或いは停止しているのが主因だ」と指摘する。
外銀は金利の極めて低い企業向け融資業務を“鶏のあばら骨”と見なしている。期間12年の融資では利益率は1%未満。国内銀行にとっては普遍的な率だが、外銀ではこのように低い金利を与えることはできないだろう。シティバンクや香港上海銀行、チャータード銀行など有力銀行を除けば、多くの外銀はまだ人民元業務を取り扱うことはできず、準備資金に限界があるため多くの場合、銀行間で融通し合うので資金調達コストが高くなる。その結果、低利の融資では逆ザヤ(調達利率が貸出利率を上回る)が生じてしまう。
外銀は“無味な食事”である企業融資より個人融資に期待を寄せている。チャータード銀行の場合、グローバル業務のなかで企業融資の粗利益率は24%だが、個人消費ローンは約28%。シティバンクは中国国内でも将来、個人業務が大きく伸びるだろうと分析している。
中間業務も外銀にとっては“美味な肉”である。多くの外銀は高付加価値、高収益の中間業務やその他の資金占有が少なく収益性の高い投資業務の拡大を重視している。ただ、こうした業務の市場開放度はまだ低い。国内で外銀が取り扱う輸出決済業務は全体の40%以上を占めており、中心都市ではその比率はさらに高い。デリバティブ(金融派生商品)の売買はまだ発展初期の段階にあるが、外銀にとっては強みのある分野だ。
寒風にさらされている外銀だが、環境整備の面で朗報もある。銀監会の劉明康主席は「中国の発展に伴い外銀には段階的な規制緩和、これまでにない融資業務の開拓、国内銀行への資本参加といったチャンスが与えられる」と考えを表明している。また『外国資本金融機関の管理条例』が年内にも公布される予定。
さらに劉主席は「年内に人民元業務の地域を13都市まで拡大するほか、国内銀行の人民元業務も開放する。WTO加盟の際の確約に基づき、銀監会は最終的に人民元業務の地域と顧客対象の制限を取り消すとともに、外資と国内の金融会社に対し消費者ローン業務を同時に許可する」ことを明らかにしている。
今年7月末現在、外銀の営業活動が許可される支店は184行。WTO加盟以降、銀監会が人民元業務を認可した外銀は上海や深セン、天津、大連、広州、青島など合わせて37行にのぼる。インターネット銀行業務を許可された外銀は12行。海外の機関投資家による国内での証券投資委託業務を請け負っている外銀は5行。このほか、外銀の半数が顧客制限のない為替業務を取り扱っている。12月11日前までに、外銀の国内企業向け人民元業務はさらに開放され、済南や福州、成都、重慶の4都市での人民元業務も許可される予定。
寒風にさらされてはいても、明らかに、外銀の国内での発展のテンポは衰えていない。
「チャイナネット」2003年10月24日
http://j.peopledaily.com.cn/2003/10/24/jp20031024_33454.html