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人材派遣会社「営業停止」で2千人が大パニック
税金22億滞納で給与差し押さえ、派遣先も大弱り
派遣社員2000人がパニックに…
「今月の給料は、仕事はどうなるの」−。若い女性を中心に約2000人もの登録スタッフを抱える都内の中堅の人材派遣会社が今週、営業停止状態に陥り、派遣先のスタッフが路頭に迷っている。この会社は多額の税滞納が発覚、国税庁が派遣先の給与を差し押さえるという異常事態が起きたためで、パニックの影響は派遣先の有名企業にも広がっている。
民間信用調査機関によると、派遣会社には20日、国税局の調査が入り、22億円もの滞納金を指摘された。同時に、派遣先の各企業には国税局の職員が訪れ、派遣スタッフの給与の差し押さえ手続きを行ったという。
派遣会社はIT関連に強く、スタッフの派遣先は携帯電話会社や外資系IT企業、総合商社など有名どころがズラリ。
それにしても、不況とはいえ、各企業が外部スタッフの活用などスリム化を図るなか、成長企業のはずの人材派遣会社で何が起きたのか。
ある企業の人事担当者が「何の前触れもなく突然、国税の方が来てビックリした」と前置きして、困惑気に明かす。
「派遣会社の営業マンに確かめると、21日になって『会社の営業活動が停止した。派遣スタッフの扱いについては各社の判断に任せる。ご迷惑をおかけした』と一方的に通知があった。悪いウワサは聞いたことがなく、財務状態も安定していると思っていたが…」
最もかわいそうなのは、突然“親元”を失った派遣スタッフである。
一部の技術職に男性がいる以外は、パソコン、経理、IT関連業務など大半が20−30代の若い女性ばかり。
スタッフの一部には派遣会社から「都合で契約を解除する」旨のメールが来たともいうが、大半は「派遣先の上司から、いきなり事態を聞かされ、青ざめた」という。
給与は毎月2回に分け派遣会社から支払われる。今月末に支給予定の10月1−21日分について不安を募らせる。
ある女性スタッフは「こちらから派遣会社に問い合わせ、やっと23日に連絡があったが、『はっきりしたことは今週中にお知らせできる』と言うばかり。給与の支払いについては明言しなかった」と声を震わせる。
「2年以上も派遣登録して仕事をしてきたが、この間、支払ってきた社会保険料は大丈夫なのか。派遣先の給与が差し押さえられるぐらいだから、どうなるのか」と不安がるスタッフもいる。
さらに、「やむなく、別の派遣会社にエントリー(登録)し直したが、これまで蓄積された有給休暇がなくなり、ゼロからのスタートだ」とこぼす声も聞かれた。
問題の派遣会社は夕刊フジの取材に対し、「国税局の調査が入ったのは事実だが、見解の相違もある。顧問弁護士をまじえて、会社を再建する方向で話し合っており、今は詳しい事情を話せない。各方面に迷惑をおかけして申し訳ない。今週中には方向性が見えるはず」と話すが…。
ZAKZAK 2003/10/24
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