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EU:財政赤字のフランスに1年の猶予 罰金処分棚上げ
【ロンドン福本容子】欧州連合(EU)の欧州委員会は21日、財政赤字が膨らんでいるフランスに対する罰金処分を棚上げし、1年の改善猶予期間を与える措置をとりまとめた。健康保険分野での支出抑制を中心に赤字圧縮の追加措置をとるよう求める代わり、政治的問題になりかねない強硬措置は先送りする。
ユーロ加盟国は、単一通貨圏の経済安定のため財政赤字を国内総生産(GDP)比3%以
内に抑えるよう義務付けられている。3年連続で違反すれば、最悪の場合、制裁として罰金を課す取り決めだ。
フランスは昨年、今年と2年連続で違反し、来年度予算でもGDP比3.6%の見通しとなっている。仏政府は景気悪化を理由に「赤字はやむ得ない」と例外扱いを求めているが、過去に涙ぐましい削減努力をした国からは「大国の特別扱いはおかしい」と制裁要求が出ていた。ただ、ドイツとともに欧州統合のけん引役であるフランスへの制裁は政治的に困難で、欧州委は強硬措置の回避を選んだ。
来月初めのEU財務相会議で欧州委案が承認されれば、GDP0.4%相当の赤字の追加削減を求められるが、要求どおりに仏政府が改善努力するどうかは不透明だ。
[毎日新聞10月22日] ( 2003-10-22-10:10 )