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政府の特殊法人等改革に伴って、特殊法人などから移行し、今月からスタートした三十二の独立行政法人の中期目標・計画が示された。
削減・効率化目標は、事業費が四千四百億円、一般管理費が二百五十億円削減で、総計で平均一割削減にとどまっている。
二年半から四年半もかけて、この程度のスリム化では、民間から見れば、甘いと言わざるを得ない。これで改革が進んだといえるのだろうか。
特殊法人は、業務が有用か、民業を圧迫しないかという視点で、見直しが進んできたとされる。その中で、廃止や民営化、国や地方自治体の直轄とすることができない特殊法人に限って、独立行政法人への移行が容認された経緯がある。
独立行政法人に効率化やスリム化が求められるのは、当然だ。
しかし、六月に政府の特殊法人等改革推進本部の参与会議がヒアリングした際は、独立行政法人による中期目標・計画は「促進する」「努力する」などとするばかりで、数値目標がなかった。
法律によって、中期目標が達成できないと、事業は廃止・縮小されることになっているが、これでは検証できない。
参与会議が「期間中一、二割削減」の明示を求め、独立行政法人は、九月に削減目標の数字を入れて提出し直した。しかし、人件費や新規事業を削減の対象に含めないとする法人が大半だった。
参与会議が改めて改善を求め、ようやく出てきたのが今回の目標値だ。だが、事業費で十二法人が5%減、一般管理費でも十八法人が13%減で足並みをそろえるなど、“談合体質”もうかがえる。
今後、中期目標の達成度を厳しくチェックする必要があるだろう。
独立行政法人のトップへの官僚の天下りも問題だ。
三十二法人中二十七法人で、所管官庁OBが理事長に就任した。そのうち七法人は、特殊法人の理事長だった事務次官経験者が横滑りした。
これでは特殊法人から看板を掛け替えただけではないか、という疑念を払拭(ふっしょく)することはできない。
小泉首相は昨年八月、「所管官庁の次官が惰性的に特殊法人のトップに座ることは今後あり得ない」と述べた。次官経験者がそのまま独立行政法人のトップに座っている事態をどう考えるのか。
民主党は「長の公募制による民間人登用」を提言している。一つの考えだ。
尻をたたかないと動かないのが官僚の体質らしい。独立行政法人への監視の目を緩めてはならない。
(2003/10/21/01:29 読売新聞 無断転載禁止)