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株式日記と経済展望:打つ手を失った米国、ドル基軸通貨時代の終焉  アメリカ政府のATMとなった日銀は日本を滅ぼす
http://www.asyura2.com/0311/hasan31/msg/167.html
投稿者 あっしら 日時 2003 年 10 月 16 日 22:51:15:Mo7ApAlflbQ6s


2003年10月16日 木曜日

■5.財務省が米国債を買う仕組み

▼米国へ資金を流す機関になった日銀

日銀は、
・国内の金融機関と政府に資金供給するだけではなく、
・米国に、年13兆円規模の資金を供給する機関になっています。 貿易黒字で稼ぐ外貨の約2倍を、米国へ流すメカニズムは以下です。

(1)日本の財務省が「外国為替資金証券(為券)」と呼ばれる短期国債を発行する。
(2)日銀がその短期国債を買う。つまり円を財務省に供給する。
(3)財務省は日銀から借りた円で、米国債を買って、米国債の下落と、米国の金利上昇を押さえる。

簡単に言えば、2002年以降、西欧が売っている米ドルを買い支えるため、
・日本の財務省が米国債を買う。   
・その資金は、日銀が供給する。
資金は<日銀→日本の財務省→米国の財務省>と流れます。

■6.その代わり、日本の財務省の外為会計は膨らむ

財務省は、政府財政の赤字から500兆円弱の国債を発行しています。 そのうち、日銀は90兆円をもっています。

▼為券の発行を90兆円まで拡大の意図

一方で、財務省が発行する「為券」は米国債を買い支る資金を、日銀から引き出すためのものです。財務省は、今年は、1ヶ月1兆円の以上(年13兆円)ペースで米国債を買っています。為券をつかった借入残高は、70兆円です。為券枠は、98年の40兆円から03年は79兆円へ増加。 39兆円も増えています。年8兆円の増加ペースです。

為券の今の発行枠は79兆円です。9兆円の枠しか残っていない。 そのために、来年の04年は、為券の発行枠を90兆円にするということが、10月2日の発表です。 民間企業が稼ぐ貿易黒字(年間6兆円規模)以上のものを、米国財務省に与え続けることを示しています。 最新データでは、(日銀ではなく)財務省がもつ外貨準備高は以下です。03年9月の1ヶ月だけで、5兆円も増加しています。激しいドル買いがあったのです。

▼財務省が管理する外貨準備の総額(03年9月末)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
証券        $4672億(51兆円:ほとんど米国債)
預金        $1170億(13兆円)
IMF預け     $  86億( 1兆円)
SDR(特別引出権)$  26億(0.3兆円)
ゴールド      $  95億( 1兆円)
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
合計        $6049億(66兆円)

この外貨準備は、日本企業が年間の貿易で稼ぐ貿易黒字約6兆円余の 、10年分に相当します。以上を全部まとめれば、日銀の国民への負債(日銀の総資産:03年10月で134兆円)を、どんどん膨らませ、その膨らんだ分で、
・日本国債と、   
・米国債を買っているということです。

世界の金融市場は、これを前提に成立しています。 西欧は、米国の財務省の言いなりにはならない。米国債を買うときは、 自発的な意志で、利益の機会を求めた投資です。 日本政府が、米国債を買うときは、投資ではなく、   
・政策的な円高の防止か、   
・米国の要請によるものです。

ここに、経済の自然への反抗があります。自然に抵抗すれば、自然は 、歪みが溜まった極点で反乱を起こします。それが経済法則です。経済の法則は、短期では、政府の制度と法で修正できます。しかし長期では、法則が支配します。

■7.当たらぬことを望む予測

現在の状況で、ほぼ確定している事項を並べます。
(1)日本政府は年40兆円、またはそれ以上の国債を発行し続ける。
(2)米国政府は年60兆円、またはそれ以上の国債を発行し続ける。
(3)日銀は、債券市場介入で日本国債を買い続ける。
(4)財務省は、外為会計で米国債を買い続ける。

以上が、いずれも、悪貨である円+ドルの通貨での日米同盟でしょう。 悪貨とは、巨額財政赤字の国が発行する、通貨を言います。通貨の発行権は、近代国家では、国家が独占します。 以下は予測です。

(1)中東では、米英のイラク戦略の失敗が明らかになりつつある。ブッシュ大統領は、再選が不可能になる。イスラエル+ネオコンのアラブ戦略は破綻する。これは、米英のアラブ戦略の全面破綻です。
(2)アラブで手を汚さなかったユーローは、次第に中国を含むユーラシアへ通貨圏を伸ばす。米国のアラブ戦略は、無謀です。

▼バランスの崩れ

そうすると、以下のような構造に変わる可能性が大きくなる。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜   
[円+$の通貨連合]←[対抗]→[ユーロー連合軍]
            ↑   ↑     ↑     
   [人民元の動き+インド+サウジアラビア]   
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

中国は1人当たりの経済規模は小さい。しかし購買力平価では、GDPは日本を超え世界第2位です。人民元が切り上げられれば、人民元の購買パワーは増加します。 人民元を切り上げるのは、ドルペッグ(=中国政府のドル国債買い)をやめさせ、中国を通貨面で野に放つことです。人民元切り上げの要求は、ドルの弱さを引き出すことになる。対円のように、中国元を米国がコントロールすることはできません。

中国政府の米国追随は、国民が許さない。 通貨の面での<世界のGDP1位米国+2位日本+中国>が続けば、 ドル基軸が維持されます。 しかし、【世界のGDP1位の米国+2位日本】と、【米国のGDPを超えるユーロー連合+購買力平価で日本のGDPを上回る中国+急速な経済成長のインド+サウジアラビア等】の、通貨面での対抗が明白になれば、世界は、様相を一変させます。

【ユーラシアのユーロー】←→【日米のドル】です。

そのとき、米ドルの基軸通貨体制、つまり冷戦後の、通貨でのパック ス・アメリカーナが終わります。

▼想定したくない事態

ドル基軸体制の終焉(しゅうえん)を、無事に済ませることはできません。日米の国債価格下落、金利の上昇、円とドルの通貨信用の下落が起こる。これは、日米の財政の、同時破綻です。米ドルと円は、同時下落。米ドルを多額にもつ日本は、特に大きな損失を蒙る。 政府財政の破綻(はたん)とは、どんなことか?

政府が発行する国債が売れなくなる。日米の政府は、予算が組めなくなる。公務員給与も遅配されます。国債価格は暴落し、金融機関は破綻。生保はもちろん、国債を多くもつ年金財政は、ほぼすべてを失う。 金利は高騰する。政府は、預金を封鎖する。 そして・・・通貨が切り換えられる。 これは、法で金融を牛耳る事態です。

預金封鎖とは、銀行からの引出可能額に、上限がつくことです。日米の国債増発に歯止めがかからない限り、遠からず必然的にこうなります。 日米とも、大増税という手段は、採ることが困難です。増税か、財政破綻か、その最終選択をせまられるのは、1年後の2004年末か2005年中でしょうか。時期の見極めが、問題です。

その前に、一日も早く、米国が無謀な軍事から経済に戻ることを望みます。今は、軍事で経済の解決はできない。軍事は、国債を増発させ、 国家の通貨信用を落とすだけです。 賠償金も領土も産物も、略奪はできないからです。軍事の見返りは、 最終的にはない。 1979年からのアフガン侵略の失敗が、ソ連の崩壊を促進したように、米国のアラブ戦略の(確定的な)失敗は、米国への信任を地に落とします。米国の良心が、これに気がつくことを、期待します。


国際戦略コラム 本質はドルの崩落 吉田繁治:http://www.asahi-net.or.jp/~vb7y-td/151016.htm


アメリカのドル基軸体制の崩壊はイラク侵攻によって、かえって速められることになるだろう。アメリカの一極支配体制は幻想であり、ソ連の崩壊によってアメリカが残りましたが、兄弟国家ソ連の崩壊は、必然的にアメリカの崩壊を予言している。どちらも軍事力が異常に強大化して、それを支える経済力が弱まってしまった。

アメリカ経済が衰弱化するにしたがって、日本政府・日銀は一人でドルを買い支えしている。その総額は今年に入って11兆円にも及んでいる。日本の年間黒字が6兆円ほどだから、6兆円を超える分は対日赤字以外の国際収支の赤字を埋めていることになる。それはどこか、ユーロである。オイルマネーもアメリカから逃げ出している。

日米のドル基軸通貨体制は、アメリカのイラク戦争泥沼化でいずれは紙切れになってしまうのだろう。政府・日銀はすでにアメリカの巻き添えでアメリカの経済破綻に運命を共にすると決めたようだ。小泉首相と福井日銀総裁はアメリカに言われるままにドルを買い支えた。理論的にいえば年間黒字分の6兆円だけ還流すれば済むはずだ。

5月のりそな銀行への2兆円の公的資金投入は、日本の金融政策の転機になるのだろうか。もしアメリカが(日本ではない)りそなを潰した場合、株を持ち合っている生保などへ危機が飛び火して日本経済はクラッシュするところだった。日本経済がクラッシュしたらドルを買い支えることが出来なくなり、ドルも暴落する。

アメリカのハゲタカ資本から見れば日本経済がクラッシュしてくれたほうがいいのだが、そうなるとアメリカもドルが暴落して株も暴落する。アメリカは思わぬイラク戦争の泥沼化で足を取られてハゲタカ達の計算が狂ったことがわかり始めた。そしてユーロの正体がだんだんと明らかになってきている。

イラク戦争はドル基軸体制の崩壊の引き金になるのだろう。9.11テロ事件はそのための壮大なロスチャイルドの陰謀なのだ。その仕組みはあまりにも複雑多枝にわたって説明がつかない。ネオコンは要するにアメリカを崩壊させるためのトロイの木馬なのだ。ドイツやフランスはイラク攻撃に反対し、アメリカのイラク復興資金の負担は無い。その分は日本にしわ寄せされてくる。

結果的に日米のドル基軸通貨体制は崩壊し、無傷のユーロが世界の基軸通貨になるのだろう。アメリカ政府はドル高がいいのか、ドル安がいいのか意見が割れている。日本や中国のドル買いを止めさせればドルは暴落する。ドルが暴落すると株も暴落する。それは困るからブッシュはドル高がいいという。完全にアメリカは精神分裂症である。

このまま行けば日本もアメリカも国家予算が組めなくなる。日本はまだ経済基盤があるから救われるが、アメリカにはもはや経済基盤が無い。テレビや冷蔵庫すらアメリカでは作ることは出来なくなっている。グローバル化が進みすぎてドル基軸金融体制が崩壊すればアメリカ経済は目も当てられない状態になる。

小泉首相はブッシュにイラク戦争を止めるように進言すべきだ。後始末は国連に任せるべきだろう。ネオコンも全員クビにして経済再建を優先すべきだ。小泉首相がそれが出来ないのなら、今回の総選挙で自民党は負けて首相は代わるべきだ。


http://www5.plala.or.jp/kabusiki/kabu56.htm

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