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笹山登生の雑感&情報の日記 http://www.sasayama.or.jp/akiary051/200402.html#20040223
より抜粋
USDAの、ダウナーである牛とダウナーでない牛のデータをもとにして、われわれは、ダウナーの牛に存在する総合的なBSEリスクが、ダウナーでない牛に対して、ダウナーの牛が、何倍リスクが高いのかによって、全体のBSEリスクがどう変わるか、そのカーブを描いてみた。
たとえば、もし、ダウナーの牛がダウナーでない牛よりも、500倍リスクが高いものとした場合、ダウナーの牛のなかから、BSEの牛を、69パーセント検出できる。
したがって、この場合においては、ダウナーの牛を排除する政策は、大きなインパクトを持ちうる。
一方、もし、ダウナーの牛が、ダウナーでない牛に比して、5倍しかリスキーでないとした場合、ダウナーの牛の中から、たった、2パーセントのBSE感染牛しか、検出できないことになる。
ヨーロッパで、牛の年齢にかかわらず調査した実際の検査データでは、上記の後者の例に近い結果が出ている。
ヨーロッパでは、アメリカでダウナーと称される牛に類似した牛は、ダウナーでない牛よりも、31倍リスキーであった。
この数値をアメリカにあてはめてみると、USDAが採用している「ダウナーでない牛は、リスクがないし、それゆえ、その比率は、極大である。」という仮説とはことなり、むしろ、上記の表のなかで矢印で示しているように、ダウナーの牛の中で、たった12パーセントしか、BSE感染牛は検出されえないということになった。
そして、残った88パーセントの正常に見える牛は、現状、アメリカでは、何の検査も受けることはないのである。
この考察は、二つの重要な意味を含んでいる。
第一は、現在の検査体制では、百万頭の中の一頭のBSE感染牛をも検出できるとするUSDAの主張は誤りであり、二度と繰り返して主張されるべき言葉ではないということである。
偽りなく、百万頭の中の一頭のBSE感染牛を検出できるためには、ダウナーの牛も、ダウナーでない牛も、混ぜて検査をしなければならないであろう。
これらの数字は、恐るべきものである。
正常に見える牛について、五万頭の検査を行い、そのすべてが陰性であったというシナリオにおいて、この検査の信頼度が95パーセントのものであったとして、この検査によってわかるのは、百万頭あたり、(USDAのいう一頭ではなく)60頭以上には、BSEが発生しないということである。
もし、この割合を、アメリカで毎年と畜される三千五百七十万頭のうち、世界で標準に検査される生後20ヶ月以上の牛 12パーセントに適用するとするならば、毎年、257頭ものBSE感染牛が、何の検査も経ずして、市場に出荷されるのである。
USDAは、アメリカの市民に対して、このようなリスクがあることについて、率直に伝えるべきである。
USDAのサーベイランスプログラムが、食品供給の安全性を守ることに、直接にはなっていないということを、ここで、思い起こすことは、重要なことである。
すなわち、多くの牛がBSE検査を受けないで食品供給の中に入ってきている事実を、絶えず、実地において、見逃さないということである。
サーベイランスプログラムは、BSE感染牛が食の供給の中に入ることを防ぐというよりは、むしろ、感染拡大を監視するという役割を果たしているのである。
BSEのリスクを完全に減じるためには、すべての牛か、または、少なくとも、生後20-30ヶ月の全頭牛についての検査をする必要がある。
妥当なやり方は、BSEの蔓延をコントロールするために、「すべてのダウナーの牛」と、「ダウナーでない牛であって老齢の牛」についての検査をすることである。
このやり方は、近時、USDAの国債小委員会であるFDAによる提言や、ニューイングランドジャーナルメディシンの社説にあるものと一致している。