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【ワシントン和田浩明】米農務省は9日、昨年12月下旬に米国で発見されたBSE(牛海綿状脳症)の感染経路などを調べる疫学調査を完了したと発表した。しかし、感染牛とともにカナダの同じ農場から米国に輸入された80頭のうち、所在が確認できたのは28頭だけ。感染牛と同じ飼料を食べたと見られ、感染の可能性を否定できない「ハイリスク」牛25頭に限っても、11頭の行方が分かっていない。同省は感染拡大について「危険はほとんどない」と主張したが、食用牛の全頭調査を求める日本政府との認識の差は大きい。
疫学調査については、同省が設置した国際専門家委員会が4日にまとめた勧告で「継続しても効果が期待できず、他のBSE対策に資源をまわすべきだ」と指摘していた。
同省のデヘイブン主任獣医官は9日の会見で「疫学調査は今日で完了した」と明言。新たにハイリスク牛を発見できる可能性は「現時点では非常に少ない」と述べた。
問題の80頭は、01年9月、感染牛とともにカナダのアルバータ州から米国に輸入された。米農務省はカナダの食品衛生当局などと協力し、感染経路調査を実施していた。この過程で255頭の牛を検査し、うち28頭が同じ農場からの牛と分かった。検査結果はいずれも陰性だったという。
◇日本への輸入再開への条件整備につながる材料なし
米政府がBSEの感染原因などの調査を終えたことに対し、農林水産省は「牛のトレーサビリティー(生産履歴を追跡する制度)がない米国での調査はもともと無理」とみていたため、安全性を補強したり、輸入再開への条件整備につながる材料になるとは考えていない。先月19日に公表した訪米調査報告でも米国でのBSE再発の恐れを強く指摘しているだけに、輸入再開条件をめぐる日米協議にはほとんど影響を与えないと判断している。
11日に来日するゼーリック米通商代表と亀井善之農相らが会談するが、日本側は、輸入再開には牛の全頭検査と、脳や脊髄(せきずい)など危険部位の除去徹底を基本とするよう求める方針を変える考えはない。米政府が抜本的な追加対策を提示しない限り、全面的な禁輸解除は難しい状況だ。【上田宏明】
[毎日新聞2月10日] ( 2004-02-10-13:06 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/kokusai/20040210k0000e030048003c.html