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http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20040123-00001066-mai-soci
BSE(牛海綿状脳症)が発生した米国産牛に代わり、脚光を浴び始めた「オージービーフ」。ハンバーガー店やファミリーレストランでよく使われる豪州産牛だが、感染の危険はないのか。感染源と考えられている肉骨粉は食べていないのだろうか。世界一の牛肉輸出国で、その安全性の現状を探った。【シドニー山本紀子】
★仕上げに小麦
だだっ広い草原に茶色の牛たちが散らばり、黙々と牧草をはみ続ける。シドニーの西350キロにある町オーバリーで、イアン・バクストンさん(49)は3000頭の牛を育てている。
「草食動物だから主食は草」とバクストンさん。仕上げに小麦やオーツを与えるだけという。
18万頭以上の感染牛が見つかった英国では、牛の骨や臓器を砕いて作った肉骨粉をエサにしていた。肉骨粉は「栄養価が高くミルクがよく出る」とされ、欧州や日本でよく使われた。
「ここで肉骨粉をやる必要はない。真冬に氷点下十何度になる欧州と違い、牛は一年中、外で過ごす。温暖な大地と豊かな牧草のおかげで、余計な栄養剤はいらない」。バクストンさんは言う。牛舎はなく牛たちは夜、木陰で休む。
★共食い
英国のBSE発生後の97年、豪政府は肉骨粉を牛や羊に与えることを禁じた。「それ以前から肉骨粉をエサにする農家などない。法律に背けば、営業停止に追い込まれるほど厳しいペナルティーがある」(豪州畜牛協議会)という。
日本も輸入のほぼ半分を頼る豪州はしかし、大量の肉骨粉を生産している。牛同士の「共食い」は全くなかったのだろうか。ある大手飼料会社の担当者は「肉骨粉の大半はペットと鶏用だが97年以前、ごくまれに牛肉飼育農家の求めで、肉骨粉を卸したことがあった」と証言した。豪州食肉家畜生産者事業団のピーター・バーナード氏も「共食いが全くないと断言はできない」と述べる。
ただ、汚染の危険が大きい欧州産の肉骨粉は40年近くシャットアウトされている。家畜間の伝染病を恐れた豪州が66年、ニュージーランド産以外の肉骨粉の輸入を禁じたためで、感染のリスクは小さいとみられる。
★検査は限定的
検査体制はどうか。市場にのぼる牛を全頭検査する日本に対し豪州は、足がふらつくなど中枢神経の異常が疑われる牛だけチェックしている。しかし豪農水省は「感染源を元から絶っており、検査数を増やす必要はない」と自信満々だ。
BSEを引き起こす異常プリオンのたまりやすい脳や脊髄(せきずい)が食肉に入り込むのを防ぐため、日本はBSE発生後、解体時に脊髄を吸引し飛散を防ぐ対策を義務づけた。豪州にBSE感染を防ぐ解体基準はない。危険部位がまじる可能性はゼロではないが、「安全な飼料で育った牛なので大丈夫」というのが、同協議会の見解だ。
豪州産牛は前年同期の75%も急騰している。100年に1度といわれた昨年の干ばつで「飼料不足も心配」とバクストンさん。値段と供給量が焦点になりそうだ。(毎日新聞)
[1月23日13時36分更新]