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http://www.asahi.com/science/update/0303/003.html
政府は、次世代原子炉の一種である「高温ガス炉」を使って、将来の有力なエネルギー源と期待される燃料電池の原料になる水素を製造する検討を始めた。文部科学省傘下の日本原子力研究所が米エネルギー省に対し、05年以降に米アイダホ州に新設される高温ガス炉による水素製造に協力。大量生産に向けた基礎技術を蓄積する方向で両国間の調整を進めている。原子力の役割を発電から水素製造にまで広げることで、足踏みが続く原発の新設を促す狙いもある、とみられる。
米国は80年代末までに、高温ガス炉の発電用原型炉を営業運転するまでにこぎ着けたが、コストの低減が図れず、現在では運転を中止している。一方、原研は高温ガス炉の試験研究炉を大洗研究所(茨城県)に建設、98年に本格運転を始めた。01年には、850度の熱を安定的に取り出すことに成功している。このため、米エネルギー省は原研に共同研究を申し入れた。05会計年度の予算教書に前年の1.5倍の900万ドル(約9億8000万円)を計上した。
水素製造の主流は、天然ガスを約880度の高温で燃やし、その中のメタンを水蒸気と反応させる「水蒸気改質法」だ。天然ガスを燃やす過程で二酸化炭素を排出するため、温暖化防止に貢献しない難点があった。
一方、高温ガス炉では、ヨウ素と二酸化硫黄を触媒にして、水を高温で化学反応させて水素を生成させる。二酸化炭素がまったく出ないことに加え、触媒は循環使用できる利点がある。
ただ、高温ガス炉でも、放射性廃棄物を安全に処理するコストがかかるのは現行の軽水炉と変わらない。
経済産業省も常温で液化しにくく爆発しやすい水素をどう運搬、貯蔵するかについて、議論を始めた。
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<高温ガス炉> 発電に使う熱を炉から取り出すための「冷却材」に不活性のヘリウムガスを使った原子炉。水を冷却材に使う軽水炉と違い、高温にできるガスを発電に使う。日米欧など11カ国・国際機関が参加する国際フォーラムで、もんじゅ型のナトリウム冷却高速炉など5炉型とともに、「第4世代原子炉」と位置づけられる。現在、日本のほか中国や南アフリカなども開発を手がけるが、いずれも試験炉段階。 (03/03 07:21)