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http://www.asahi.com/business/update/0223/032.html
原子力発電所を新設したり原子炉を増設したりする計画が、大幅に修正される見通しが強まった。政府は01年に策定した長期エネルギー需給見通しの中で、2010年度までに10〜13基を新たにつくる目標を定めているが、それを半減し、4〜6基程度にとどめる方向で検討を始めた。電力需要の伸び悩みや電力自由化に伴う新規参入の増加が背景にあり、安全面で地域住民の抵抗感が強い原発の新規立地を増やす必要性が薄れたためだ。さらに、朝日新聞の調査で、全国の予定地では、用地取得の難航などから運転開始予定の延期が相次いでいる実態もわかった。
電力各社は3月末までに04年度の供給計画をまとめるが、そこで需要見通しを下方修正することが確実。政府は、その内容も踏まえ、6月に中間報告を出す長期エネルギー需給見通しに、原発立地計画の大幅修正を盛り込むとみられる。
電力業界は今後、原発新設ペースを落とす代わり、現在は80%程度の原発設備利用率を米国並みの90%程度に上げることや、老朽化した原発の廃炉と建て替えを円滑に進める方策も求める方針だ。廃炉は1基で1万トン程度の放射性廃棄物が発生するため、最終処分場整備問題も浮上する。
原発立地計画の後退方針の背景には、各地の新設計画が大幅に遅れてきている実態もある。昨年12月に石川県の珠洲(すず)原発、新潟県の巻原発が相次いで凍結・断念されたのを受け、朝日新聞社が全国の新規・増設予定地の現状を調べた。
日本原電は敦賀3、4号(福井県)の運転開始時期の2年延長を地元に伝え、中国電力の島根3号(島根県)、電源開発の大間(青森県)も延期を決めた。
トラブル隠しの影響で、既存原発の再稼働を優先する東京電力は、福島第一7、8号(福島県)が「1年以上の延期が避けられない情勢」(経済産業省)だ。東通1、2号(青森県)も「将来の需要を見極めるが、延期もあり得る」(東電幹部)という。
東北電力が計画中の浪江・小高(福島県)は、73年の計画入り以来、運転開始時期を28回繰り延べた。用地買収も約9割で止まっている。関西電力が計画する和歌山県日置川(ひきがわ)町では、76年に計画が始まったが、初期調査にも入っていない。
中国電力の上関(山口県)は用地取得が8割程度。反対派住民が一部共有地の権利を求めて地裁で勝訴、現在は高裁で係争中。同社首脳は「着工までの道のりはまだ遠い」との認識だ。
こうした計画の遅れに対し、政府や電力会社の危機感が強まっていないのは、工場の海外移転や企業の省エネ推進、省エネ家電の普及などで電力の需要が想定したほど伸びていないことがある。00年3月に始まった電力自由化による新規参入企業との競争激化も加わり、今後も伸びは鈍るとの見方が多い。珠洲原発凍結でも、電力会社側は、需要伸び悩みを第一の理由に挙げた。
〈長期エネルギー需給見通し〉 今後のエネルギー需要の推移を予測し、政策に生かす目的で、経済産業相の諮問機関、総合資源エネルギー調査会の需給部会が作る。原発新設計画や省エネ、新エネルギーの進め方、二酸化炭素排出削減目標を盛り込む。現在改定作業中で、6月にも10年度と30年度までの見通しについて中間報告を出す。 (02/23 07:03)
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