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(回答先: 柏刈原発・コバルト60検出 東電、検出可能性を否定せず /新潟(毎日新聞) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 2 月 07 日 21:42:34)
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の管理区域内廃棄物の管理はズサン
(柏崎原発反対地元三団体の公表内容を転載します)
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朝日新聞の関連記事⇒ 放射性廃棄物 敷地外焼却 反原発団体調査(1/14)
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2004.1.14 柏崎日報
柏崎刈羽原発コバルト60問題 村内土壌から再び検出 「放射性廃棄物搬出」の証言も 反原発団体調査
東京電力柏崎刈羽原発近くの刈羽村内の土壌で人工放射性物質のコバルト60が検出されたと地元反原発三団体が指摘している問題で、三団体は14日、同じ地点の追加調査でもコバルト60が出たことを明らかにした。また、三団体が進めている原発作業関係者からの聞き取り調査により、管理区域内の放射性廃棄物を原発敷地外に持ち出して焼却したとの証言が複数得られたとした。
コバルト60は昨年末、村内の4地点で採取した土壌試料の一つから検出されたとして三団体が問題視し、汚染物品持ち出しの可能性を県に指摘した。今回は、一回目の検出地点で別の土壌を採取し、一回目と同様、県外研究機関で分析してもらった。三試料のうち二つでコバルト60が検出された。検出値は微量。
三団体ではもともと、村内で黒煙が上がっているとの目撃や、放射性廃棄物搬出の告発情報などをきっかけに土壌調査に乗り出していた。十一月末に一回目の分析結果が出る前に、改めて原発作業関係者からの聞き取りを手分けして開始した。
それによると、放射性廃棄物を原発敷地外に持ち出して焼却した事例は五件の証言が得られた。そのうち1999年春、管理区域内で交換して不要となったフィルターと木枠が接着された物を切断の上、ゴミ袋に詰めて車で搬出し、敷地内の村内で焼却した。2000年冬には、管理区域内の放射性廃液が非管理区域に逆流し汚染が起きたため、除染に当たった作業員の衣服や、ふき取りに使った布を、やはり敷地外の村内で焼却した。搬出・焼却の理由には、98年に起きた雑固体廃棄物焼却炉の破損事故後に炉のフィルターを目詰まりさせる物の焼却禁止になったことや、廃棄物の分別が煩わしいことなどが挙がっているという。
コバルト60で東電は従来から「検出値は県の評価会議に報告している監視・検出の限界値を下まわっている。物品搬出は汚染が基準以下であることを確認するなど適切に対応している」と説明。証言にあったフィルターについて柏崎刈羽原発広報部は「証言の詳細が分からないが、管理区域の排気フィルターなどはドラム缶に詰めて保管している」とし、放射性廃液の逆流は「そう言う事実はない」としている。
三団体は「証言の事例は重大な規則違反。さらに証言を集め、行政が調査せざるを得ない状況をつくっていきたい」と話している。
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※見つかったコバルト60の濃度は約0.08ベクレル/sです。コバルト60は冷却水に溶け出した金属(コバルト59やニッケル)が中性子照射で放射化したもの。ガンマ線を出し半減期は約5年。冷却水に含まれる放射能(ヨウ素131、炭素14など約20種類)の代表的な核種で、線量率への寄与が高く、平常時では汚染の親玉核種です。
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(以下、転載)
東京電力柏崎刈羽原子力発電所の管理区域内廃棄物の管理はズサン
2004.1
柏崎原発反対地元三団体
この記録は、原発で働いている(働いていた)人からの話を整理したものです。
整理した情報が寄せられた時期は、1995からで、1998以降に集中しています。
とりわけ、2003.10のプール異物問題発覚以降、精力的に聞き取りを実施しました。
証言者によって異なる情報は、再確認して、極力、推測や思いこみを排除しました。
東電柏崎刈羽原発関係者とも2003年12月22日に議論しました。
聞き取りは、原発反対地元三団体の何人かで、原発で働く(働いた)数人から、十数回にわたって行いました。
証言は柏崎刈羽のみならず、県外在住の関係者からも得ることができました。証言集めは現在も継続中です。
記述は、証言者を、東電等のいやがらせから守るため、証言者が特定されないように配慮しました。
順序は、最初、証言を理解のための背景、次に証言内容と若干の論議、最後に東電の主張としました。
証言の子細は不完全かもしれませんが、読めば具体的なものだと判ると思います。
こうした情報は、以前から寄せられていました。でも、寄せられた情報は、「管理区域の物品管理は厳格に行われている」との東電や行政の説明から、私たちには、にわかには信じられない内容でした。
しかし、昨年10月のプール異物発覚で、原発内部で実際に行われていることは、東電や行政の「建前」説明と違うのではないかと考えました。
それゆえ、寄せられた証言を確認するため、かつて黒煙があがった場所から、土壌を採取して分析しました。
その結果、11月25日までに、1ヶ所からCo60を検出しました。
再検査でも12月26日までにCo60を検出しました。現在も、検査は継続中です。
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1. 証言を理解するために
1−1 原子力発電所の運転管理と下請・孫請の関係
原子力発電所の運転:原子炉の運転は、発電を担う東電の運転スタッフ(当直長以下1クルー数人、5班編成)が中央操作室で、廃液管理は下請スタッフ(1組2―4人、5班編成)が三交代で行っています。
一般には、厳しく訓練された東電の正社員が、マニアルに基づき運転していると信じられていますが、子会社の作業員も一緒になって運転しているのです。
ラド・ウエスト中操(RW中操)の操作は、柏崎刈羽では東電環境エンジニアが、福島では東電環境エンジニアの他アトックスも担っています。
ラド中操では、廃液の蒸留やタンクからの転送、ボイラーの運転等を液面計や温度計を見て操作をしています。
操作ミス等で廃液があふれ出したりすることが幾度かありました。一般的に、こうした事件は公表されません。
下請・孫請会社:東京電力の系列下請会社には、東電工業・東電環境エンジニアリング・東京電気工務所(東京エネシス)等があります。系列下請は、規模施設である原子炉やタービン、付帯施設、廃液等を分担して担当しています。系列下請には、それぞれに孫請・曾孫会社が連なっています。廃棄物の管理や運搬・処分の多くは東電環境エンジニアです。
アトックスは焼却炉の可燃物の詰め込み等汚い仕事を担っています。東電環境エンジニアの下請でもあります。
新潟環境サービス(NKS)も東電環境エンジニアの下請会社の1社として作業に従事しています。
他にも多数の下請会社があり、定期点検の原発停止時以外でも、多くの会社の多くの社員が関わっています。
1−2 荒浜側焼却炉の事故履歴と管理区域廃棄物の最終処分場埋設の関係
現在の焼却炉は、荒浜側にあり、管理区域で発生する廃棄物を焼却減容する目的で設けられており、東電環境エンジニアが東電から委託を請け、運用しています。
焼却炉の構造は、上部に焼却室、その下にコールドボックス、さらにグローブボックスがあり、コンベア、ドラム缶詰め作業室となっています。
コールドボックスは焼却後時間をかけて冷却する目的があり、1日ほど放置し、高温ガスを冷却しています。グローブボックスは灰や固形物を外から手袋で揉みほぐす目的の場所です。
焼却炉完成後のフィルター焼却試運転時(H6か7年)に最初の爆発事故がありました。この爆発事故は未公表です。爆発後、吸引配管設置の改良工事が実施されたと聞いています。
第2回の爆発は98.9.15に起こりました。プロパンガスの爆発でした。反対派が追求した爆発です。
焼却炉の作業には、東電環境エンジニアの他、設計施工した日本碍子工業(NGK)も携わっています。廃棄物を焼却炉に装荷する作業はアトックスが担当しています。
第1回爆発事故は排気筒フィルター焼却が原因だったため、その後フィルターの焼却はできなくなりました。
また、焼却炉のフィルターはセラミックス製で、目詰まりを起こすような廃棄物は焼却禁止となっています。「塗料や接着剤・煙の出る物は燃すな」と東電の担当部署が「焼却禁止」を指示しています。
第1回の爆発事故も第2回の爆発事故も、作業関係者の間では常識となっています。
現在、大湊側に第二焼却炉を建設中です。当初は、荒浜側焼却炉で全号機の管理区域発生物を焼却する計画でした。荒浜側焼却炉が計画通り機能しないため、大湊側に、新しい施設を計画したと推測されます。
全号機完成は97年7月、今から6年半前です。管理区域の廃棄物処分をどうしているか解明すべきです。
焼却で減容予定だったフィルター類が燃せなくなり、敷地内の最終処分場に埋めていたと推測されます。
敷地内の最終処分場は1〜4号機の放水路上に容量3600m3で設置され、95年4月1日から運用されている安定型処分場です。東電環境エンジニアが管理しています。現在6割方が埋まり、一部は覆土されています。
この施設の許可を得る際に、新潟県職員が下請会社に再就職しました。65歳(下請会社の定年年齢)まで、課長待遇で勤めていたと聞きます。社会の仕組みとはいえ役人優位で違和感を覚えたものです。
処分場への管理区域内廃棄物の投棄作業は、何社もの会社の、何人もの人が関わっています。管理区域内廃棄物を埋設しましたが、悪いことをしたとは考えませんでした。作業従事者に違法行為の認識はありません。
管理区域で発生した廃棄物でも、「汚染がなければ一般廃棄物と同じ」と指示され、荒浜側に東京電力が設置した「最終処分場」に埋めていました。
産廃業者でない東京電力が「最終処分場」を設置したのは、放射性廃棄物を埋めるためだと理解していました。
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2.管理区域内廃棄物の搬出・焼却・埋設・放出事例
2−1 管理区域で発生した廃棄物を敷地外で焼却した事例 5件
2−1−A 下請会社の焼却炉で、管理区域内の廃棄物を、良く燃していた。
焼却作業は日常的に行われ、野焼き禁止時期まで続きました。関係作業員は誰でも知っていることです。
私も何回も焼却作業に加わりました。従事者数は10人単位で、けっして少数・一部の者ではありません。
作業員に、違法行為・不正行為の認識はありません。前任者もやっており、違和感なく引き継いで行いました。
2002の晩秋の夕方、反対運動の人に現場で説明しました。既に焼却施設の周辺はコンクリートで固められており、焼却当時と全く様子が変わっていました。この時、土壌分析検査を依頼しましたが、私の証言を信じてもらえず、分析検査は実施されませんでした。
この焼却行為は、多くの刈羽村民が何回か目撃し、役場に抗議・改善を求めています。
問:何を燃すのか。なぜ、燃すのか。
答:オイルシール・石綿パッキン等、その他管理区域の点検作業で発生した廃棄物です。
番線とゴムやプラスチック、金属等で構成された部品は、分別が煩わしく、区分困難なために焼却しました。
分別困難な理由は、被ばくが増えるために作業に時間をかけられないことです。燃やした方が、作業が容易で、短時間で終わるためです。
工事費用に、ビニールハウスを造って、細かい分離分別をするだけの費用が含まれていないためです。
問:なぜ、孫請の焼却炉で焼却するのか
答:焼却した会社は東電の孫請、系列下請の下請に相当する位置の会社です。
発注元の系列下請の担当者が困っていれば、孫請担当は以心伝心で作業分担を申し出るものです。
これは、この孫請会社に限らず、下請・孫請会社に共通しています。
柏崎刈羽以外の地域に、孫請会社が、管理区域内の廃棄物を持ち帰った事も何回もあります。日常的に行われていました。下請は元請に弱い立場にあり、元請を助けることで、次の仕事を発注してもらえるのです。
2−1−B 1999春、原発敷地外の刈羽村で管理区域発生廃棄物を燃した。
問:何を、なぜ焼却したのか。
答:焼却物は管理区域で交換し不要となった物。焼却対象物は木枠に樹脂接着剤で貼り付けてありました。木と中心部材料は焼却可能ですが、接着剤は黒煙を発生して、焼却炉のセラミック性フィルターを目詰まりさせるため焼却禁止となっていました。焼却した物は角形で個数は木枠で数十個だでした。寸法の概略も記憶しています。
交換作業は工期が短く、作業代金が少ないため、通常実施のようにビニールハウスを造って、パーツ毎に分離する費用はなかったのです。
木枠を丸鋸で切り、板状にして、社名入り35リットルのポリ製ゴミ袋に詰め、管理区域内仮置場に一時保管しました。期間は2〜3週間です。切断・袋詰作業は下請・孫請の数人で行いました。
その後、工期完了で仮置場から運び出さなければならなくなり、工期終了の2〜3日前に搬出しました。
搬出先は下請事務所の裏の倉庫で2〜3週間、ブルーシートで覆って保管していました。
管理区域からの搬出は、外から内部が見えないように目張りしたワゴン車を用い、2回に分け搬出しました。
1ヶ月程後、上司から早期処分を指示され、原発敷地外に搬出し焼却しました。焼却日は搬出した日です。
最初は別場所の焼却炉で燃しましたが、黒煙がひどく周囲の苦情を心配して中止しました。
その後、刈羽村にある関連企業の焼却炉で焼きました。焼却には丸一日かかり、終わったのは夕方4時過ぎでした。その日の天候は、快晴で風のほとんどない日でした。焼却灰は、近くの畑に撒いたと聞いています。
問:1号機の定期点検は第10回がH10.10.6〜H11.1.19、第11回がH12.2.17〜5.12です。1999(H11)冬から春は運転中だが、その品物は運転中に交換できるのか。
答:焼却対象物は原子炉建屋の地下2階に、三ヶ所(ABCの3系列)あります。運転中でも2系統を作動させ残りは交換可能です。交換は1号炉3系統のうち1系統を対象に実施しました。
問:管理区域の廃棄物は厳重なサーベーを実施してから、搬出すると聞くのですが?
答:放射線管理者は、仲間意識があり、搬出しなければならない場合は、それなりの対応をしてもらいます。
この時のサーベーは孫請の放管と東電がダブルチェックを委託している東電環境の放管でした。
問:ガードマンも立ち会っている訳だと思いますが?
答:ガードマンも顔見知りで、お互い、「問題ある仕事」をしていると思っていません。
ガードマンに声をかけられないように、トラックを使わず、ワゴン車の窓を覆って運搬しました。
この時も、何も声をかけられませんでした。ガードマンは通常作業だとおもったのでしょう。
問:悪いことをしていると考えなかったかのか。犯罪行為だとの認識はなかったのか。
答:燃やすしか方法はなかったのです。東電も上司も具体的指示はしてくれません。正しいこと、良いこととは考えなかったが、違法・犯罪行為との認識はなかったのです。ただ、地域の人に見つからなければ良いとハラハラしながら焼やしました。
問:残りの交換や他の号機の交換はどうなったのか。
答:その後のことは知りません。
2−1−C 関電工−発電所敷地の構内焼却炉、荒浜海岸の一般廃棄物焼却炉で管理区域発生廃棄物を燃した。
関電工の発電所構内事務所に焼却炉があります。荒浜側に大型の一般廃棄物焼却炉があり、新潟環境サービスが管理していました。それら焼却炉からは、いつも煙が上がっていました。
東京電力は管理区域の廃棄物でも、サーベーの結果、基準未満の廃棄物は「一般廃棄物」だと説明していました。そのため、作業員は、管理区域の廃棄物を、敷地内の焼却炉で燃していました。
作業員は、管理区域の廃棄物も基準以下なら燃して良いと考えていました。
これらの焼却炉は、「野焼禁止」になって廃止され、今はありません。
2−1−D 2000年冬、非管理区域の除洗作業で発生した廃棄物を、敷地外の刈羽村で燃やした。
B事件の後の冬期間です。1999年度(H11)の冬(H11.12〜H12.3までの間)に、非管理区域に管理区域の放射性濃縮廃液が逆流して、汚染しました。逆流した濃縮廃液は、側溝に流れ、海に至りました。
この除洗作業は、特別チームが編成され、対応しました。作業に従事したのは一日4人で、延べ40人程です。
この事実を知っているのは少なくとも東電の担当部署と下請、孫請の合計数十人程です。
事故を秘密裏に処理したために、除洗作業に従事した者の衣類やふき取った雑巾(ウエス)は管理区域の処分系統で処理することができなかったのです。
焼却後、東電の担当者と下請関係者が市内の料亭で「慰労会=打上式」をやりました。
焼却物は、作業員の衣類や靴下、雑巾です。
問:こうした事例は記録に残るのでは?秘密作業の頻度は?作業実態はどうなっているのか。
答:こうした秘密作業はしばしばあります。秘密作業は、作業履歴が残るので作業許可証(PTW permit to work)なしで実施しました。だから、記録に残りません。秘密作業は年数回ありました。
こうした作業は、秘密保持のため、東電の系列会社のみで担当し、孫請は関係していません。
なぜ行為者以外が知るかというのは、許可証なしの作業が行われている事が引継時に伝えられるからです。
他に、作業完了まで泊まり込みで行われる、特別作業もありました。
2−1−E 系列下請会社 刈羽寮 黒部・柏崎線脇
系列下請会社の鉄筋コンクリート四階建の寮が黒部・柏崎線の脇にあります。この敷地の道路から離れた奥に焼却炉がありました。前記同時期、焼却炉付近でしばしば黒煙が上がっていました。
系列会社の焼却炉では、基準以下の廃棄物を燃やすのが慣例となっていました。
2−2 管理区域からの廃棄物の持出事例
比較的簡単な機器の修理や改良でも、管理区域だけではできずに、工場に持ち帰り作業しなければならないことが良くあります。不良箇所や変更箇所は持ち出した後に処分します。
東電は交換修理の事実は、伝票等で知っていても、廃棄物をどうしたかは書類上だけでは把握できないと推定されます。搬出時の検査は、形式的でした。
2−3 敷地内の産廃最終処分場に管理区域発生物を埋設した事例
排気筒のオフガス系のチャコールフィルターや他の排気フィルター類を埋設したとの話を良く聞きました。
問:なぜ、埋設するのか。
答:荒浜側焼却炉の第1回事故以来、フィルター類は焼却・減容化できなくなりました。
問:廃棄物処理はマニフェスト伝票で管理しており、簡単に管理区域の廃棄物は処分できないはずだが。
答:具体的にどの様な手続きで埋めるのか、その事務作業をしていないので承知していません。マニフェストには正規に記録していないのではないでしょうか。
管理区域からの搬出は、手サーベーで形式的検査を行い、ガードマン立ち会いで搬出し、敷地内処分場に埋めました。フィルター類は何回も、ビニール袋に詰めて埋めました。
東京電力は「管理区域で発生した産業廃棄物でも、放射能測定の結果が基準以下なら一般廃棄物だと説明し、燃しても埋めても問題ない。ゴミの発生量を抑制せよ」と指示していました。
埋設作業は、複数(元請・下請・孫請)で、一緒に作業しており、誰も違法行為の認識はありません。
一人で秘密裏にコソコソと実施していたわけではありません。相当数の関係者がいます。
2−4 放射性廃液の環境放出 洗濯廃液を環境排出
しばしば、洗濯廃液に、水を加えて濃度を薄めて、環境放出(カナル放出)しました。
荒浜側には1号機に管理区域用の洗濯装置、3号機に非管理区域用の洗濯装置があります。大湊側には5号機に洗濯装置があります。
これらの洗濯廃液の処理が、うまく機能せず、洗濯中止のトラブルが起こります。廃液の放射線が基準以上だと、水を加えて希釈して、環境放出しました。こうした作業は月2−3回あり、現在も継続しています。
この事実を知っているのは、東電の担当部署、系列下請の他、複数の孫請や派遣社員です。少なくとも合計50人程はいると思います。
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3.証言者との議論
3−1 どうして、管理区域の廃棄物が2重3重の監視をくぐり抜けられるのか。
問:東電や行政は「放射線管理のダブルチェック、ガードマンの監視、開扉は別会社、2重3重の監視があり、管理区域内の物品管理は徹底している」と説明しているが実態はどうなのか。
答:測定結果に異常があれば再計測となり作業時間が延びます。従事者は残業を回避したいと考えます。
計器は測定対象から離せば低い値となり、OKです。計器の測定レンジを変更して通すこともありました。
お互い、顔なじみのために、無理が利きます。阿吽の呼吸で対応しています。
ガードマンも長時間開扉すると東電の防護管理課から抗議されるので形式的チェックとなるのです。
タテマエと実態は大きく異なっています。東電の幹部職員や広報は、作業の実態を知らないのです。
3−2 なぜ、違法行為をしてまで管理区域の廃棄物をわざわざ持ち出すのか
答:放射性廃棄物はドラム缶に詰め、仮置きして、貯まると六ヶ所村の埋設処分地に搬出するものです。
東電は、廃棄物の発生量を減らそうと「ゴミ減量作戦」が繰り広げていました。東電の意向を下請が勘違したり、東電の末端社員が誤った指示を出したと推定されます。いずれにせよ、前述の事は日常的に行われていました。作業担当者は、以前からの慣習を引き継いだだけで、違法や不正の認識は全くありません。
個々の行為には、それぞれの事情があり、管理区域からの廃棄物の、持ち出しや焼却、埋設は日常的に行われていました。
3−3 原発管理の実態は東電柏崎刈羽だけのことでない。
問:説明は「法令違反・信じられない作業実態」です。柏崎刈羽だけのことなのですか
答:違うと思います、福島と柏崎刈羽は同じだと思います。周囲には、新潟や福島は他よりましだと言う者もいます。関西の電力会社や動燃・日本原電はもっとひどいと言われていました。その理由は
○ 東京電力も子会社の東電工業・東電環境エンジニアも、福島原発と人的交流があり、異なった対応をしているとは考えられません。だから、柏崎刈羽も福島も同じようなものだと考えます。
○ 青森六ヶ所の日本原燃は、電力各社や系列各社が出向して運転管理しています。そこに行って来た人が「新潟や福島・東北人は実直だが、関西人はでたらめをやっている」と話していました。
こうした話を総合して、柏崎刈羽は、「まだましだ」と判断しました。
○ 同僚社員から、休憩中や懇親会の場で、恩師の先生が「動燃や日本原電は最低、東京電力はマシな会社」と話していたと、聞きました。
問:これまでも、「げんぱつていけん」や平井憲夫氏の証言に内部作業の様子が書かれていました。柏崎でも同じようなことがあるのですか。
答 実際の出来事を、一度に全部は言えません。外部からでは、なかなか判らないことが多数あります。
今後も、仲間で相談して具体的に伝えます。それが、原発の作業環境を改善することになると考えます。
3−4 東電の情報源詮索は異様だ。
トラブル発覚毎に「なぜ反対派が知ったのか。誰が情報提供したのか」上司から厳しく問われました。問題発覚時には、各下請会社の幹部会議が緊急に開催され、会議終了後に通達があります。いつも、関係者の顔は引きつっていました。
焼却炉爆発発覚時に下請会社内部では、「単価切り下げに抗議した孫請関係者がチクッタ」と噂されていました。
事故があると、後始末の作業に緊急招集がかかり、箝口令が敷かれることがよくありました。
住民投票条例制定署名の際(99.1〜)の、東電の締め付けは異常でした。
それ以降、監視体制が強まり、東電に反感を持つ作業員が増えました。作業環境の雰囲気が悪くなりました。
3−5 東電の市民向け説明は、内部の作業者からみればデタラメがすぐ判る。
問:「放射能は出ません。管理区域の物品管理は厳格に行われています」と東電は説明しています。行政も東電説明を鵜呑みにしていますが。
答:内部の作業者は、東電の公式説明が、あまりにも実態と違うことを知って、苦笑いしています。
東電と関係部署との関係を知れば判ることです。
この構造と体質が変わらない限り、今後も不正はなくならないと思います。
国 :国の検査は大名行列のようです。国の検査の時だけ、東電幹部社員が現場にぞろぞろと付いて来ます。
東電の幹部が国の検査員を慰労会(懇親会・情報交換会)の酒席に接待していました。
国の検査の際に立会者として整列していたら、国の検査員は、冗談と思うが「昼の検査は合格・これから大事な夜の検査だ」と催促していました。上司が「情報交換と称する宴会のこと」と教えてくれました。
県 :実態を把握しようとしていません。現場の実態を知らずに、どうして安全宣言ができるのでしょうか。
市 :原発の金しか興味がないようです。結局は箱物をつくって特定業者が潤うだけです。
警察:原発の警備を下請している新潟警備保障に天下りしています。これでは不正を追及できません。
東電:有名大学卒のトップやエリートの人たちは、我々からは天上人で判りません。
高卒の中堅は、まじめで尊敬できる人もいますが、自己中心・事なかれの人が多いようです。定年が早く(55歳)、系列会社に再就職した者の中には、自分の事だけしか考えず、仕事場で何もせず作業時間中から、仕事と無関係な「ゴルフ」や「登山」「釣り」等の趣味の話しかしない者もいます。中堅は、系列会社(東電工業・東電環境エンジニア・東京電気工務所・関電工等)に出向・転籍するケースが多いです。東電の定年後に系列会社に移る者も多くいます。系列会社の定年は65歳です。
困ったことは、下請会社に「たかる」東電の現職中堅がいることです。全員ではありませんが、公然とタクシー券やビール券を要求する者が何人もいます。
一方、まじめな社員の中には、不祥事発覚以降、過労でノーローゼになり通院している者もいます。
下請会社の幹部は、東電OBや出向者が大半です。
下請・孫請会社の役員は、宴会やゴルフで東電職員や行政職員を接待しています。
地元政治家の中には、選挙前の集会(宴会)を500円か1000円の会費で東電敷地内保養所−「東友クラブ」で行った者もいます。選挙違反(買収)の片棒を東電が担っているようなものです。
こうした癒着関係はけっして健全とは言えません。
東電や関連会社に就職するには、地域の有力者の紹介が必要です。
東電や原発関連会社社員の中には、不適切な言葉ですが「落ちこぼれ」が多数存在しています。
原発の温排水の海水温上昇は20℃と主張し譲らない東電社員を知っています。判断ミスが多く失敗を繰返す者、向上心が欠ける者、簡単な資格試験に5年連続失敗して坊主刈になった者、いくらでもいます。
有力者のコネで就職したの者が、「原発を支える技術者集団」とチヤホヤされています。
系列会社では、高校1年で受験し簡単に合格する資格試験を受験するよう指導されていますが、何回受験しても受からない程度の人物が多数います。これが、原発の関係会社職員の実態で、一般の人が知ると、本当に驚くべきありさまなのです。
こうした問題は、東京電力も、本当は困っているのだと思います。
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4.東京電力の主張
●日時 2003.12.22 13:30−15:15 ●場所 東電PR館(刈羽)
東電は、広報部の中野氏・西田氏他、環境化学、環境管理、環境施設担当者が出席・説明した。
●原発からの廃棄物
○ 一般廃棄物
○ 産業廃棄物
○ 管理区域発生廃棄物 の三種類
管理区域内の廃棄物は、減容してドラム缶 → 一時貯蔵 → 六ヶ所に埋設
減容のための一手段として、荒浜側焼却炉で燃して灰にしている。大湊側に第2焼却炉を建設中
●コバルト発見に関して
管理区域の廃棄物は原則的には流出しない。ただし、メモ用紙等は「有用物」でサーベーし基準以下を確認して持ち出す。メモの転記後は一般廃棄物となり、焼却する場合もあった。
東電の担当としては、「基準以下の汚染物が搬出・焼却されたものが偶然検出された」と推定する。
法定基準は 4.0 Bq/cm2、運用基準は 0.4 Bq/cm2。
●微量論を主張していた
核実験のCs137は3-35Bq/kg,自然放射能のK40等で体内には7000Bq/60kg存在。
人には120Bq/kgがあり、三団体が検出した0.0774 Bq/kgは充分小さい。
私たちは、原子炉起因の人工放射能が環境から検出された事実のみ指摘。自然放射能との混同はケシカラン。
●廃棄物埋設に関して
非管理区域の安定5品目のみ埋設。管理区域の廃棄物は持ち出さない。
●タテマエでなく実態をどのように証明するか
放射線管理の2重化(作業会社とチェック会社−東電環境エンジニア)、ガードマン(新潟警備保障)
●環境監視は行政の承認済
定点・定期観測 土壌は敷地外3点、敷地内2点。計5点のみ。コバルトは検出されていない。
●検出場所はNKSでないかと東電の中野氏が発言
「なぜ知っているのか」の質問に地図から判断と答えた。以前から話題になっていたのでないかと推定される。
http://www.kisnet.or.jp/net/gomi.htm