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(回答先: 核燃料サイクル研究会を立ち上げた。(ごまめの歯ぎしり ・河野太郎の国会日記1) 投稿者 シジミ 日時 2004 年 1 月 17 日 09:59:25)
http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000006653
ごまめの歯ぎしり メールマガジン版
河野太郎の国会日記
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六ヶ所村さらに続き。
電力会社、特に東京電力は、自らの都合で六ヶ所村の再処理工場を稼
働させたがっている。
原子力発電所は、運転すればかならず燃やしたウランが使用済み核燃
料となって出てくる。日本の原発が抱えている直近の課題は、この使
用済み核燃料を貯蔵するスペースが無くなりつつあるということだ。
とくに東電の福島第二では、この使用済み核燃料の貯蔵スペースが後
二年分程度しかない。日本の原発トータルで見ても、今のままならば
あと七、八年で貯蔵スペースがなくなる。
そこで、2010年をめどに、青森のむつに、中間集中貯蔵施設を造
ることになっている。ところが、これはあくまでも中間貯蔵であって
最終的な処分では無いということになっている。そのために、六ヶ所
村の再処理工場を稼働させることにより、中間貯蔵しているものも再
処理してよそへ持っていきますということで、むつの施設を認めても
らっている。だから電力会社は、六ヶ所村の再処理工場を稼働させな
いと原発の稼働が止まってしまうので、あせっている。
しかし、再処理工場などにかかるコストを誰が負担するのかというこ
とが明確に合意されない限り、この費用は電力会社の経営の命取りに
なりかねない。
原子力発電所はいいことだけではない。使用済み核燃料という核のゴ
ミがどんどん出てきているのだ。
これを処理する方法は二つある。ひとつは、ウランを燃やした時に出
てくる使用済み核燃料、つまり今、原発からでている核のゴミをその
まま処分する方法。
もう一つは、再処理をしてプルトニウムを取り出す方法。再処理をし
てプルトニウムを取り出すと、使用済み核燃料は高レベル放射性廃棄
物と呼ばれるタチの悪いゴミに代わる。再処理をするとTRU(トラ
ンスウラニウム)と呼ばれるコバルトやストロンチウムよりも毒性が
強くしかも半減期が何万年、何十万年と非常に長い物質が出てくるの
だ。
再処理を推進しようとする経産省などは、再処理をすると処分しなけ
ればならない量が減るから(1トンの使用済み核燃料を再処理すると
0.7トンの高レベル放射性廃棄物になる)、処分しやすいと主張する
。これは大きな間違いだと思う。なぜならば処分すべき核のゴミは三
割減るかもしれないが、TRUを作り出してしまえばTRUそのもの
の量の何倍もの体積のTRUに汚染された廃棄物が生まれる。処分の
難しさは重さではなく体積で決まる。だから重さは三割減っても、処
分すべき体積は何倍にもふくれあがる。
経産省の見積もりではTRUの処理に8100億円かかる。この見積
もりは甘いと僕は思う。再処理工場本体の見積もりが三倍以上にふく
れあがったように、このTRUの処理コストも何倍にもなると僕は考
えている。
そして、この高レベル放射性廃棄物の最終処理場所は決まっていない。
(六ヶ所村でたしか40年間の中間貯蔵をすることになっているが、
その後どうするかは未定である。経産省はその後、数百年間にわた
り、地層処分、つまり地中深く穴を掘って埋めると主張している。問
題はどこに、ということだ。)
いずれにせよ、今のずさんな見積もりと国民に対する説明責任もあい
まいなまま、再処理工場を稼働させ、再処理をして燃やし方も決まら
ない大量のプルトニウムを取り出して、高レベル放射性廃棄物を最終
処分するか、再処理を当面凍結し、使用済み核燃料の中間貯蔵期間を
伸ばす方策を考え、その間に再処理が必要なのかどうかを検討し、コ
ストを精査して、国民的な議論をきっちりとやるかの分かれ道に立っ
ている。
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■編集:河野太郎
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