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S.A.ジャクソン+岡本行夫+秋元勇巳 [原子力文化2004年1月号座談会]【イラクに原発建設したいのでは?】
http://www.asyura2.com/0311/genpatu1/msg/204.html
投稿者 なるほど 日時 2004 年 1 月 16 日 14:15:25:dfhdU2/i2Qkk2
 


日本原子力文化振興財団理事長  秋元勇巳(あきもと・ゆうみ)

1929年 東京都生まれ
54年に三菱金属鉱業(株)に入社、鉛製錬法の開発に従事
その後、原子燃料製造の研究を手がけ58年からカリフォルニア大学ローレンス・バークレー放射線研究所に留学シーボーグ博士に師事。
帰国後、シリコン、電子材料などの研究開発にも携わった三菱マテリアル(株)会長を経て、現在、相談役を務めている


アメリカ原子力規制委員会元委員長 S.A.ジャクソン氏(Shirley Ann Jackson)

アメリカ・ワシントンDC生まれ
マサチューセッツ工科大学(MIT)で理論物理学の博士号取得後
AT&Tベル研究所、ラドガーズ大学物理学教授
NRC委員長などを経て現在、レンセラー工科大学学長
MITで博士号を取得した初のアフリカ系アメリカ人女性でもある


外交評論家 岡本行夫氏(おかもと・ゆきお)

1945年 神奈川県生まれ
一橋大学経済学部卒業後、
外務省に入省
北米局安全保障課長、
北米第一課長を歴任
91年外務省を退任後
外交評論家として、
国際問題に幅広く活躍
橋本政権の首相補佐官も務め、
現在は小泉首相の補佐官を務めている

柏崎刈羽原子力発電所はうまく運用されている施設だ
秋元 新潟県にある東京電力の柏崎刈羽原子力発電所をご覧になって、印象はいかがでしたか。
ジャクソン 柏崎刈羽への訪問は2回目です。最初は、アメリカの原子力規制委員会(NRC)の委員長のときに訪問したんですが、当時、6号機が出力のテストをしていました。その折、まだ7号機の原子炉圧力容器に燃料が入ってなく、顔を入れて中をのぞくことができ、ユニークな体験ができました。
 あの発電所は、非常に効率が良く清潔で、うまく運用されている施設だ、と思っています。
秋元 岡本さんは首相補佐官として、このところイラクに、何度もおいでになってますね。
岡本 イラクのいろいろなところを回りまして、エネルギーが人々の生活にどれだけ大きな影響を及ぼしているかを、如実に感じます。
 今、イラク国内が不安定化していますのも、結局、基本的な社会基盤が弱く、最も重要な電気がこないことが、最大の問題なんです。
 電気がこないと、クーラーが使えなくて、酷暑に耐えなければいけない、夜も明かりが灯らないといったことだけではなくて、例えば農業にも電気が必要です。
 イラクは水が豊かな国です。チグリス川、ユーフラテス川という二つの偉大な川の水が国中に水路で農村地帯まで入っていまして、たくさんの湖があり、とてもきれいなところです。
 ところが、その水を畑に入れるのにもモーターが要るわけです。そのモーターが電気がないので、動かない。ですから種も蒔けないし、収穫も期待できない。
 例えばもう一つ、電気がこないために下水の処理ができず、町中に汚水が溢れ、それがまた人々の不安を誘っているというようなこともある。
秋元 大変ですね。
岡本 それから、文明社会では、技術は段階を追って発展していく。ですから、どこかでそれが切断された、壊れたといっても直すことが容易ですが、イラクでは全くそうではない。
 イラクの経済の困窮は、今度の戦争で受けた被害ではなくて、13年間の国連の制裁の下で経済が停滞していったためです。
 大きな発電所やいろいろな工場も見に行きました。そういった施設は、13年間何の部品も入手できませんでしたから、壊れると、壊れてない別のラインの部品を持ってきて、それをどんどん食ってしまいます。ですから、工場に四本ラインがあっても、結局一本のラインしか動いてない。電球を一つ替えるのでも、「20年も前に生産された電球は今はもうつくってない」という状況です。
 発電施設自体の修復が、非常に時間がかかるところまで劣化しています。日本から大型のディーゼル発電機を持っていって、病院や工場に電気を送ればいいんですが、日本をはじめ先進国は電力網が整備されています。ですから小型の発電機しかつくってない。イラクが必要な据え付け型の発電機は我々には不要です。そうすると支援ができない。
 イラクのような13年間、段階的な進歩がないところを、今いきなり直そうと思っても、いかに難しいかということです。
 エネルギーが国家のあり方、社会の状況を、規定してしまうくらい重要なことを、つくづく思い知らされます。
「確率論的リスク評価」という手法で改革を行なった
秋元 日本でも昨年夏、首都圏で停電があるかないかで、大騒ぎをしました。幸い冷夏で、心配されたようなことはなかったんですが、ニューヨークでは大停電が起こり、またイタリアでも国中が停電になりました。文明の進んだ国であればあるほど、電気を安定供給していくことがいかに大事かを思い知らされた事件だった、と思います。
ジャクソン アメリカでは、夏に大停電が起きて、5000万人のアメリカ人が影響を受けてしまったんです。東海岸だけではなくて、中西部までそれが及んでしまいました。送電線の損傷までに至ったわけですが、そのあおりで原子力発電所はアメリカ国内では9か所、カナダでは3か所停止せざるを得なくなりました。しかし、安全に停止して早く再スタートができました。
 アメリカの原子力発電の設備利用率は、一昨年などを見ても90%以上ですので、非常に信頼できると思います。
秋元 ジャクソン博士は1990年代にアメリカの原子力規制委員会の委員長をお務めになり、原子力施設の安全や規制のあり方について大胆な改革をなさいました。
 いまアメリカの原子力の設備利用率は90%を超えます。これは規制改革のおかげである、と思っているんですが。
ジャクソン 私が取り組んだ改革は、長年の原子力の歴史、60年代以降の歴史から学んだ教訓が基礎になっていますが、歴史的に見ると、スリーマイルアイランドやウクライナのチェルノブイリ事故後に非常に多くの新しい規制が現れたわけです。その多くが原子力に批判的な風潮に流されたもので、そのために原子力産業は経済的な面で、非常に大きな影響を受けました。
 1995、NRCの委員長に就任後に、まず「確率論的リスク評価」という手法を使用して改革を行なったんです。
 これはトラブルがどんな過程を経て炉心損傷のような大事故に至るかという確率を踏まえ、システムや機器の重要度を算出して、これを施設の設計から構成、そして運用等に適用していく手法です。
 この手法は、運転にも実際に適用することができ、安全性に関わる意思決定においても非常に重要である、と思いました。
秋元 ジャクソン博士の改革が、本当にすばらしいと思うことが少なくとも二つあるんです。
 一つは、世の中では、規制と生産は相反することのように思われています。規制を強化することで、生産の効率がある程度犠牲になるのは当然、というような形に理解をされる場合が今まで非常に多かったと思うんです。
 しかし、博士の改革は、むしろ規制を本当に合理的で強力なものにすれば、安全も生産効率も同時に向上することを実証して下さったのです。
 それからもう一つは、規制の手法を変えるときにいろいろな反対があったと思うんです。一つの価値観を変えるということは本当に大変なことですね。それを立派にやり遂げられた。
 岡本さんは、以前、外務省に勤めていらっしゃって、湾岸戦争のときにどうやって湾岸戦争に協力するか、ということで、非常にご苦労なさったと伺ってますが。
岡本 日本が海外に自衛隊を派遣するにしても他のことにしても、リスクはゼロではありません。しかし、日本では、常に100%安全だ、ということを追求するわけです。
 つまり、確率の問題としても、99.99%大丈夫だから、ということを日本の社会が受け入れるだけの成熟性が、まだないんです。
 ジャクソン博士の改革のすばらしいことは、「合理的なリスクをみんなで受け入れようじゃないか」ということを人々に説得してきた点にあると思います。

原子力の安全性では開かれた話し合いを持つことが重要だ
秋元 我々は日常、リスクにさらされて生活をしているわけです。
 ですから、新しい技術によって日常さらされているリスクがことさらに増大することさえなければ、それが社会に与える利益を重視して進めていく価値がある、と思ってます。
 しかし、どうしても新しい技術についてはマイナスの面ばかりが目につき、社会は理屈ではある程度納得しても安心はしてくれない。安心してもらうためにまた大変な努力を払う、という悪循環が起こっている。
 我々が今の社会の中で生活していくためにどれだけのリスクを受け入れていくか、それに対して我々が受ける利益はこれである、という国民にみんなきちっと納得をしてもらうことが必要だと思うんです。
ジャクソン リスクを社会が受け入れるというのは、そのリスクを受けたことによって、何を得られるかということによる、と思います。
 原子力の安全性については、開かれた話し合いを持つことが非常に重要になります。話し合いによって、リスクをとることによりどういう利益が得られるのか、理解が促進されると思います。
秋元 一般との議論を非常に重要視してお進めになった、と伺っていますが。
ジャクソン 原子力規制委員会(NRC)では、円卓会議のようなものを主催して、反対派、原子力産業の代表、またその他の人々も参加をして、すべての問題に関わる人たちから同時に意見を出してもらう、という機会を設けたわけです。
 リスクの枠組みを用いたことによって、我々全部がその問題について共通のアプローチをすることができた、と感じました。そして、規制当局、我々NRCがリスクと安全性という重要ポイントに焦点を当てている、ということを人々に理解してもらいました。
 その結果、反対派も「NRCがしっかりと仕事をしている」という信頼をもち、原子力産業界にも「NRCが単に批判的もしくは負荷だけを与えるような考え方をもっているのではない。安全性に焦点を置いている」と感じていただけました。
 また、議会のメンバーも説得することができたわけです。その結果、アメリカの原子力産業全体の向上につながりました。でも、ご推察のように簡単ではありませんでした。
秋元 全く対立する意見の中から共通項を引っ張り出して、一つの方向にそろえていくという仕事は大変なことだと思うんですが、その元には提案された安全管理手法の合理性が非常に優れているということ、それから、それに対するジャクソンさんの大変な信念があったからだ、と思います。

http://www.jaero.or.jp/data/publish/bunka/taidan/2003/200401.html

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高速増殖炉懇談会の設置について

平成9年1月31日
原子力委員会決定

1.目的

 原子力政策円卓会議における議論等を踏まえ、「もんじゅ」の扱いを含めた将来の高速増殖炉開発の在り方について幅広い審議を行い、国民各界各層の意見を政策に的確に反映させるため、高速増殖炉懇談会(以下、「懇談会」という。)を設置する。


2.審議事項

(1) 「もんじゅ」の扱いを含めた将来の高速増殖炉開発の在り方について
(2) その他


3.構成員

 別紙のとおりとする。


4.その他
(1) 懇談会は、必要に応じ、懇談会構成員以外の者からの意見も聞くものとす
  る。
(2) その他、懇談会に関し必要な事項は、座長が懇談会に諮って定める。


(別紙)  高速増殖炉懇談会構成員


秋元 勇巳    三菱マテリアル(株)取締役社長

植草  益    東京大学経済学部教授

内山 洋司    (財)電力中央研究所経済社会研究所上席研究員

大宅 映子    ジャーナリスト

岡本 行夫    外交評論家

木村尚三郎    東京大学名誉教授

河野 光雄    内外情報研究会会長

小林  巌    フリージャーナリスト

近藤 駿介    東京大学工学部教授

住田 裕子    弁護士

鷲見 禎彦    関西電力(株)取締役副社長

竹内佐和子    長銀総合研究所主任研究員

中野不二男    ノンフィクション作家

西澤 潤一    東北大学名誉教授(元総長)

松浦祥次郎    日本原子力研究所副理事長

吉岡  斉    九州大学大学院比較社会文化研究課教授
http://aec.jst.go.jp/jicst/NC/about/announce/siryo01.htm

岡本行夫三菱マテリアル社外取締役
http://www.mmc.co.jp/japanese/ir/financial/annual2001_j.pdf
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★関連
湾岸戦争の宿願を叶えた岡本行夫ら [噂の真相2月号]
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