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【中国】20年までに30機、原発依存度4%へ
国家原子能機構は先週、中国の原発依存度が2.2%に達したことを明らかにした。政府は2020年までに原発依存度を4%(3,000万〜4,000万キロワット)に引き上げる考え。深刻な電力不足を受け、今夏、原発の新規プロジェクトが6年振りに正式に決まったが、目標達成にはあと20〜30基の原発新設が必要。大連市も有力な候補地として挙がっている。【上海・三井信幸】
浙江省・三門と広東省・嶺東への原発建設決定は、全国で工場への送電停止などが発生、電力不足が深刻なチャイナリスクの一つとして、外資企業などに再認識されたさなかのことだった。三門はすでに土地整備を進めており、第1期プロジェクトで100万キロワット級の発電機2機を設置する。最終的には6機まで増やす計画だ。嶺東も同じく100万キロワット級の発電機2機を設置する。97年の田湾原発以来の新規認可で、いずれも2010年の稼働を予定している。
今年になって広東省・嶺澳原発の第2号機、浙江省・秦山原発の第3期プロジェクト(第1号機、2号機)が相次いで発電を開始し、依存度は昨年同期の1.6%から0.6ポイント上昇したが、需要を満たすまでに至っていない。現在、中国で稼働している原発は、中国初のカナダ型重水炉2機を擁する秦山、香港に発電電力の7割を供給している広東省・大亜湾、深セン向けを主体とする同・嶺澳の3カ所・8機となり、発電量は1〜10月で362億8,000万キロワット時と同77.3%増加している。
中国の原発は秦山原発の第1期プロジェクトで始まった。原子力事業の中核を担う国有企業、中国核工業集団公司によると、秦山第1期は1985年に地盤工事を開始、94年に商業運転に入った。70年代には原発不要論が大勢を占めていた中国だが、一転、原発推進に方向転換したのは、拡大する電力需要を満たすだけの方策が原発以外に見当たらないという消去法的な考えに基づくものだったようだ。
トウ小平氏が南方講話で改革・開放を明確に打ち出した92年以降、外資進出の増加なども手伝って、電力需要が急速に拡大した。主力の火力発電が、良質な石炭の輸送に巨額の資金がかかること、二酸化硫黄の排出など環境面への影響が心配されることなどから依存度を下げる中、代替エネルギーの必要性が叫ばれたものの、風力や太陽エネルギーは技術的にまだ未熟。最も「現実的」なエネルギーとして、原子力が選ばれた。秦山第1期の後は、フランスやカナダ、日本など外資の資金と技術を導入しながら、徐々に体制を整えており、2年後の05年には11機体制が整う。ロシアの協力で建設中の田湾原発は第1号機が来年、第2号機が05年に稼働する予定。3号機、4号機の計画もあるという。
◆目標達成へ加速
01年3月に決まった第10次5カ年計画(01〜05年)では、原発について「適度な発展」と「国産化の推進」をうたっている。05年末の発電設備容量は、水力9,500万キロワット、火力2億8,600万キロワット、原子力870万キロワット、その他120万キロワットを目指すとしており、原発は建設中の3機が完成すれば、この水準に達する。今後は、06年以降に完成する原発計画が次々と発表されるだろう。
華東地区と華南地区は、経済発展が急速に進んでおり、電力需要も他地域に比べ高いのだが、皮肉なことに石炭や天然ガス、水力など電力資源が乏しい。原発が浙江省と広東省に集中しているのも、これが理由だ。20年に原発依存度4%を達成するには、100万キロワットの原発を20機以上新設しなければならず、これは10年で11機を整備したこれまでの原発事業を上回るスピード。三門原発と嶺東原発に続く第2弾として、広東省の陽江(6機×100万キロワット)や大連・瓦房店市東崗(同×同)、四川省などへの建設も内定しており、年内にも国の正式認可が出そうなプロジェクトがあるようだ。
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[11月17日10時29分更新]
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